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東日本大震災から8年 総務省・復興庁に要請

 

 

 3月7日(木)、東日本大震災による地震・津波、そして原発事故による放射線被害から8年を前に、参議院議員会館にて自治労連と岩手自治労連・福島県本部・宮城県事務所は、復興庁と総務省への要請を行いました。

 自治労連からは本部桜井副委員長・小泉中央執行委員、岩手自治労連・中野委員長、福島県本部・笠原委員長、宮城県事務所から宮城自治体一般・百々(どど)書記長らが参加。総務省からは自治行政局財政課・公務員部公務員課・公務員部安全推進室、復興庁・地域班(宮城担当)から4人が対応しました。

 冒頭、桜井副委員長から6項目にわたる要請書を手渡し、「東日本大震災から8年が経過しているが、被災地復興は道半ばで住民の帰還も生業の回復も進まない。2020年度で復興庁が廃止となり、国からの支援が収束に向かっているのではないかと住民や自治体は不安を抱えている」と述べました。

 最初に自治労連の要請項目に対して、総務省・復興庁は次のように答えました。

≪自治労連・要請項目≫

(1)東日本大震災被災地の地方自治体が、復旧復興事業、被災した住民のコミュニティや心のケアなどの対応を含めた公務公共サービスの提供を行う人員を確保できるように、正規職員をはじめとした自治体職員、公務公共関係労働者の採用について財政支援を強化すること。

(2)全国から被災自治体に派遣されている自治体職員が、健康を保全し、安心して復旧復興事業を担えるように、賃金・労働条件を保障すること。被災地で働く任期付職員や非正規雇用職員の任用については自治体に対し、とりわけ被災地という状況や地域性を最大限の配慮し、不安なく働くことができるよう、現地での職業あっせんや雇用継承を図るなど、雇用主に責任を持つよう働きかけること。

(3)被災自治体の職員採用、派遣職員の受入れに係る経費の全額を国が負担する震災復興特別交付税による措置を復興が完了するまで継続し、拡充すること。

(4)「東日本大震災に関連するメンタルヘルス総合対策事業」は、2020年度まで支援実施されるが、健康保全やメンタルヘルス対策に万全を期すために継続・拡充すること。正規の職員だけでなく、非正規雇用の職員、全国からの派遣職員、任期付職員なども含め対応すること。

(5)福島第一原子力発電所事故から、段階的に避難区域の指定が解除される下で、自治体職員の放射線被害や不安に対し、定期的に健康調査・メンタルヘルスケアを行い、安全確保に万全を期すこと。

(6)福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示が解除されても住民の多くが帰還することができないなどで急激に人口が減少した地方自治体が、将来的に存続していくことができ、また、非正規雇用職員も含めて現在雇用されている職員が一方的に雇止めされることがないよう、財政的な面も含めて特別な支援を強化すること。

 ≪総務省回答≫

 職員採用に関わる経費や職員派遣に関わる経費は、復興・創生期間は震災復興特別交付税を措置している。今後も被災自治体の実情を聞きながらやっていきたいと思っているが、復興創生期間終了後は制度全体で支援のあり方を検討し、震災復興特別交付税の在り方も検討していきたい。

 臨時・非常勤・任期付職員の任用・給与・勤務条件については、各地方公共団体が条例・法令に基づき任命権者として責任を持って対応するのが原則。各自治体が採用に当たり配慮していると認識している。

 「東日本大震災に関するメンタルヘルス対策5ヶ年事業」は、正規職員のみならず非正規、応援派遣、任期付職員の方に関わった費用についても措置している。平成33年度以降については、被災地の状況や被災地方公共団体の要望を踏まえて検討していきたい。

 職員の健康管理については、法に則り任命権者である地方公共団体が主体的に実施すべきもので、適切に対応されていると認識している。福島県では平成23年度より一般健診項目に赤血球・白血球の数を追加した健康診査を実施していると聞いている。「東日本大震災に関するメンタルヘルス対策5ヶ年事業」で地域の実情に応じたメンタルヘルス対策に震災復興特別交付税を措置しており、引き続きこの対応で取組みたい。

≪復興庁回答≫

復興庁としても被災自治体の人員確保は重要課題と認識している。復興庁が採用した非常勤国家公務員に現地で働いてもらうなど様々な対応をし、震災復興特別交付税で予算措置している。復興庁が平成32年度末で廃止されることになっているが、人員確保・健康対策・現在行っている事業の進捗状況や今後どうしていくのかについては、自治体からの意見をいただきながら、関係省庁、特に総務省と連携しながら検討していきたい。

 これらの回答に対し、各地方から発言しました。

(岩手)いまだ1300世帯2827人が仮設住宅に暮らしている。孤独死が問題となっており、孤立化や孤独死をしないための支援が必要。2020年度からのについては、制度設計と予算確保に困難を抱えており、導入されると自治体の手に負えないから民間委託するという話も出ている。全国からの応援派遣の継続に加え、職員の増員が必要。

(宮城)県では内陸部の職場で新人を教育した上で沿岸部に配置して仕事を回そうとしているが、育てる人も足りない状況。メンタルで辞める人も出ており、仕事自体が滞っている。

(福島)復興・創生期間は様々な補助があるが、その先の展望が見えないと仕事についてビジョンが描けないという職員の声を多数聞いている。人的支援・財政支援・復興庁の後継組織など、将来のビジョンが描けるような体制構築をお願いしたい。地方交付税にかかわって、現状の住民数で算定されたのでは運営できない。制度の存続について十分検討してほしい。

 要請の最後に桜井副委員長から「さまざまな災害があり、被災地だけでなく、全国が大変な状態。こうしたなかでの自治体戦略2040構想による公務員半減・フルセット主義の脱却は、被災地の現状からして全く逆行している。地方自治体の現場で働く人間として、これからも意見交換していきたい」と述べ、要請を締めくくりました。

 

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