広島市職労は、広島自治労連や広島自治体問題研究所とともに、2月10日「第9次広島市政白書」を刊行しました。広島市職労は、1981年から広島市長選挙にあわせ、労働組合として広島市政の分析や政策提言を行い、市民や職員に提起する白書運動を続けてきました。

 今回の白書は、秋葉市政3期12年を振り返って、批判的に検証するとともに、これからの市政に何が求められるか、市民と職員の視点から、財政・公務公共サービスと指定管理者制度、福祉・医療、子育て、社会教育、まちづくり、平和などの諸課題について提案を盛り込んでいます。
執筆にあたっては、広島市の8行政区ごとで地域懇談会を開催。地域で何が問題になっているのか、行政の課題は何か、どんな地域や施策が求められているかなど、地域住民のくらしの視点で、広島市政を考えようと試みています。

 広島市は、30年前に周辺13町村を合併して政令指定都市に「移行」しました。しかし、合併時に課題とされながら、放置され解決されないままの30年間で矛盾が深まっている問題が数多く残されていることが明らかになりました。さらに、全市的な「高齢化」のもとで都市中心部とかつての「新興団地」の「超高齢化」が進んでいること、大型団地が結果として商店空白地に変貌していること、安心して年をとり暮らし続けられる街になっていないなど、地域の不安や要求が地域懇談会に参加した住民から明らかにされました。被爆地広島の都市問題と行政課題、大都市の中に広がる過疎と過密、施設と住民の高齢化など、様々な課題が明らかになっていきました。

 広島自治労連は、指定管理者制度のその後の取り組みとともに、博物館施設、公民館や留守家庭子ども会・児童館など、広島市の現場や施設の事業を担っている視点から、それぞれの労働組合が、昨年春から議論に加わり、検討内容を昨年10月の地方自治研究集会(岡山)に職場レポートとしてまとめ、レポートを下敷きに市政白書の執筆に加わりました。

 広島市では、昨年春に秋葉市長が突然、広島への「オリンピック招致」をぶち上げ、市民と職員を驚かせました。「厳しい財政状況の中、商業主義に染まったオリンピックを開催するのは無謀だ」「核兵器廃絶の理念はわかるが、オリンピックに結びつけるのは政治利用ではないか」等々の議論が噴出しました。地元新聞の世論調査でも市民の多くが招致反対という状況の下でも秋葉市長は「市民の理解を得て招致に努める」と表明した矢先、今年1月になって「広島市長選挙不出馬」「インタビューには答えない」と豹変し、職員や関係者をさらに驚かせました。市長選挙を前に候補者乱立の様相を呈し、広島市政の今後の課題が改めて議論になろうとしている、その真っ最中に刊行された広島市政白書に、改めて注目が集まっています。