子どもに豊かな育ちと読書の喜びを
 1月10日、「第11回学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどいin岡山」が岡山市内で開催され、全国から187名が参加しました。「つどい」は、子どもたちに豊かな育ちと読書の喜びを届けたいとの思いで、図書館の充実と司書の配置・労働条件改善をめざし、図書館関係団体や住民、自治労連、全教、日高教が実行委員会をつくって取り組んできたものです。

 自治労連からは、岡山の96名を始め112名が参加。開催地岡山では住民団体や教組などからも計32名が参加し、岡山の小中学校の学校図書館司書の運動を学び交流しました。岡山市では「2008年度包括外部監査報告」の中で、司書の削減、公共図書館の運転手業務の外部委託もしくは非正規化が打ち出され、23年度から5年間で司書・学芸員を12名退職不補充とする案が出されており、実行委員会として岡山市当局に対して退職不補充の撤回を要請することを確認し、司書の仲間を激励しました。

 全体会では、岡山市学校司書の後藤敏恵さん、武田江美子さんが「岡山市の学校図書館充実運動のこれまでとこれから」と題して、1952年にPTA費で学校司書が初めて配置されて以降の公費化運動から、子どもと本を結びつける仕事の専門性を追求し、市民、教職員、労働組合との共同の運動で、岡山市の全校に学校司書を配置させ、学校図書館の充実と非正規の司書の正規職員化を進めてきた運動について特別報告を行いました。報告の中で、子どもたちが学校図書館の中で豊かに成長していく姿、嘱託職員の学校司書が仕事に誇りとやりがいを持って働く姿、学校教育の中での学校図書館の重要性などが語られる一方で、自治体当局が退職不補充の方針を打ち出し、雇用が不安定で労働条件も劣悪な非正規化、ボランティア化しようとしていることが、怒りと悔しさの中で語られました。

 午後は3分科会で、学校図書館、公共図書館をめぐる実態と取り組みを交流。
 第1分科会「図書館活動と子どもたち」では、公共図書館や学校図書館の実践を通して、司書の必要性や配置について討論しました。岡山県笠岡市の学校司書塩田美知恵さんから、市立図書館内に学校司書の連絡用ボックスを設置、離れ島の学校への配本など、市立図書館と学校図書館が連携した取り組みの実践を報告。京都府立園部高校の小泉真理さんから、学校図書館で様々な行事や展示に取り組んでいる実践を報告。都立高校図書館の民間委託化問題についても討論しました。

 第2分科会「住民要求に応える図書館活動」では、指定管理者制度、市場化テスト、職員の削減と非正規化などの攻撃の中で図書館の充実に向けた取り組みを討論しました。富田林市立金剛図書館司書の井尻みや子さんから、指定管理者導入の動きに対して、「図書館は市民の財産です」のスローガンで、市民の宝を守るためにとにかく動こうと、学習と市民向けの冊子作りを始め、子ども文庫連絡会やこれまで図書館に関わってきた市民との共同の運動と、市民にわかりやすい図書館活動の冊子を作成して配布し、導入を止めている取り組みの報告。岡山市立幸町図書館の浅沼清宏さんから、移動図書館の取り組み、他市と比べて少ない職員で、市民の利用を上げている図書館サービスなどの職員集団の活動報告と市の職員採用計画で司書の退職不補充を進める政策を止めさせる運動をすると報告を受け、参加者それぞれの地域での取り組みについて討論しました。12月28日に出された指定管理者についての総務省通知と、1月5日の片山総務大臣の記者会見の内容は大いに活用して、市場化を止める運動をして行こうと確認しあいました。

 第3分科会「専任・専門・正規の図書館職員を求める」では、職員の非正規化、有期雇用、民間委託の増加などに対して、雇用の継続、勤務条件の改善を求める運動について討論しました。倉敷市学校司書石野聡子さんからは、「働き続けたい!倉敷市の臨時司書5年間有期雇用に反対する取り組み」と題して、有期雇用撤廃に向けた「5年問題を考える会」の活動、市民へのアピールや活動ニュース、市教育委員会との交渉で、参加できない人を含めて涙型に切った紙にメッセージを書いて交渉会場に張り出し、有期雇用で首を切られる怒りと悔しさを訴えた取り組みが報告されました。日本図書館協会の松岡要さんからは、図書館職員の6割が非正規である現状から、図書館事業の公契約基準を示し、委託者、受託者の双方がその実現を目指すことが提起されました。

 つどいの翌日11日には、学校の協力を得て、希望者16名が岡山市の小中学校を訪問し、実際の学校図書館や学校司書の働きを見学しました。参加者からは、学校図書館を利用している子どもたちの生き生きとした様子を体験し、「実際の様子を見て、学校図書館に司書がいる必要性をあらためて感じた」「ひとつひとつの図書館の活動を創っていきたい」などの感想が寄せられました。