「震災を経験して、ますます自治体労働者の果たす役割が鮮明になっている」

 6月17~18日、シティプラザ大阪・マイドーム大阪を会場に、第15回大阪自治労連衛都連職場職種別交流集会が開催され156人が参加。開催のあいさつに立った大原衛都連委員長は、「3.11の大地震をうけて、住民の生活を支える自治体労働者の役割の重要性が改めて明らかになっている。記念講演・基調報告・分科会討論さらに十分な交流など集会全体を通じてさらに深めていこう」と呼びかけました。

「防災・復興と自治体労働者の役割」
 神戸大学大学院の塩崎賢明教授は、「東日本大震災の特徴は、①南北500kmの被害という超広域性、②地震・津波・火災・液状化さらに原発事故という複合性、③高齢化の進む小都市・集落を襲った災害であり、16年前の阪神大震災と異なり、従って復旧や復興のあり方も変わってくる。災害復興の理念は、被災者の生活再建が最大の使命。21世紀の成熟社会にふさわしい社会にするとして『創造的復興』といって、大企業やゼネコン中心の再開発やハコモノ行政をめざす動きに注意しないといけない。長田などでは、大きな再開発ビルが立ち並んでいるが、テナントはほとんど空白。床が値崩れを起こしており、不動産屋が買い取らないという事態さえある」と厳しく指摘。 「仮設住宅の問題では、2年間でバラしてなくなってしまう鉄骨プレハブの仮設でなく、木造で地元業者が建設可能な住宅が望ましい。同じように大地震に見舞われたインドシナで『コアハウス』と呼ばれる木造の小さな家が最初は最小限のスペースだけ作って、建て増しで『豪邸』になっている(笑)といった実例がある」と写真を使いながら紹介。「まちづくりでは、公営住宅一辺倒にならない『地力再建への支援』が重要になってくる。また、地域コミュニティの力を残すことが大事。『外から上からの押し付け』にならない注意が必要。基礎自治体の役割の重要性が震災を通じて明らかになった。広域合併で住民の顔や姿が見えないことの問題も分かってきているのに、効率的な復興の名の下に更なる合併を進めようという動きもある。地域防災計画や耐震化の基準の見直しなど自分たちのまちに引き寄せて教訓化していくことが大事だ」と強調しました。

「ええ仕事したい」と「住民のくらし」を結ぼう 
 中町衛都連書記長による基調報告では、「たたかいの中で一貫して掲げてきた労働基本権回復がいよいよ現実のものに。非正規化が進み一見疲弊する職場だが、労働組合の存在が職場と自治体労働者の未来を救う。きずなアンケートに示された『医療や福祉の充実』こそ自治体に求められていることに確信をもって、住民といっしょに進んでいく運動を強めよう」と提起しました。リレートークでは、「生活保護職場」から高槻・高田さんが「自己責任社会のなかで、貧困は社会的な仕組みが生み出すもの、という論が通じにくくなっている。粘り強く学習や議論していく必要がある」。「税の職場」から吹田・原田さんが「社会保障と税の共通番号制は情報が集積できて合理的なようだが、その管理や活用でとんでもなく危険な状況になってしまう」。「建築職場」から堺・石黒さんが、「仕事の委託化が進むなかで、技術者が現場を知らず、設計なども自分でしないで、積算や国の会計検査対策中心の仕事へ歪められている」と問題意識を表明しました。

 2日目は、12の分科会に分かれて討論。福祉関連の分科会は、生活保護・公衆衛生・高齢者介護・障害福祉分科会が合同で、元専修大学教授の唐鎌先生の講義を受けて、その後、それぞれの課題で議論しました。文字通り、「市民と自分のためにええ仕事がしたい!」のスローガンを実のあるものにするために、引き続く職場での実践・自治研活動の強化の必要性をそれぞれが実感した集会となりました。