障害者や高齢者宅への戸別収集、ゴミの分別・資源化、プールの清掃など、市民に喜ばれる仕事の実践が力に 

 大和郡山市の清掃職場では、2014年4月に2名の新規採用を実現させたのに続き、2015年にも2名の採用を約束させました。大和郡山市職労現業評議会、大和郡山清掃関連労働組合が、清掃業務の民間委託に反対し、住民本位の清掃業務を実現させるために粘り強く闘ってきた成果です。

 大和郡山市は2004年度に3人を採用して以降、新規採用を凍結していましたが、退職不補充により人員不足が発生したために5時間勤務の日額臨時職員を採用してきました。しかし正規職員の採用は引き続き凍結するとともに、2007年度以降は月額の臨時職員まで採用を凍結しました。組合は職場の人員不足を解消し、清掃業務の低下を引き起こさせないために、毎年、市当局に職員の採用を要求してたたかってきました。

 2007年、奈良市・京都市・大阪市で清掃職員が勤務時間中に「中抜け」をする等不祥事が問題になる中、自治労連現業評議会は清掃職場のあり方を考える学習会を開催。講演をした二宮厚美氏(現・神戸大学名誉教授)から「相手を変えるには、まず我々が変わらねば」というアドバイスを聞き、非正規・正規、若手・ベテラン、管理職も加えて、清掃職場の仕事を住民本位に見直して改善する取り組みをはじめました。

 大和郡山市では、午前中にゴミ収集業務を完了させるのが方針になっています。職場では、朝7時から12時までの5時間で収集を終わらせ、昼休憩後12時45分から2時間45分の時間を活用して、住民のための様々な仕事を行うようにしました。

 粗大ごみや傘、自転車を解体・分別して資源化し、収益を市の収入に組み入れるとともに、障害者・高齢者宅への戸別収集「にこやか収集」を開始。市民から感謝の手紙が届けられ、地元紙にも報道され、職場は2008年の仕事始めで市長から市長奨励賞を受けました。

 現在は、小学校の缶・ビン・牛乳パックの収集などを通常の業務とし、本庁企画課からの依頼で小学校・幼稚園・保育園のプール清掃、市有地の草刈、郡山城の堀の清掃などに取り組んでいます。本庁の職員や管理職からも喜ばれ、年末には市長が副市長と労いのあいさつにやって来ます。シートベルト着用はもちろん、乗車マナーや交通マナーも守り、収集作業中には市民にあいさつをします。収集後、集積場が散らかっていたら、ほうきで掃いて残りのゴミをきれいに持って帰るなど、市民に喜ばれる業務を率先して実践しました。

 2011年に市当局は、現在の収集量の約2割を請け負っている民間業務委託(地元業者5社)の比率を「3割に引き上げたい」と提案し、職員6人が減員となることが明らかになりました。職員の減員を食い止めるために、組合は清掃車への3人乗車を要求。「パッカー車への巻込死亡事故は圧倒的に2人乗車の時に発生している。リスクアセスメント(危険の要員を取り除く)や、狭い道路での居宅前収集、年休対応の点からも3人乗車が必要だ」「2人乗車であれば、ステーション方式のごみ収集の徹底や「にこやか収集」は午後の巡回になってしまう。同時に、午後は各種作業の人員も減るので、これもできなくなる」と主張。市当局は、職場が午後に行っている作業については評価していることから、民間委託業務の拡大案を取り下げました。組合は引き続き、市の退職者不補充の方針を改めさせるために粘り強く交渉し、ついに正規職員の採用を勝ち取り、2014年4月に2名の採用を実現。2015年4月に2名の採用を約束させました。

また職場を改善する取り組みの中で、2007年からの3年間で、日額臨時職員を全員、月額臨時職員とさせ、一時金の支給など労働条件の改善も実現しています。

今春新規採用された2名の職員は、職場への配属時に組合役員からの組合加入の働きかけを受けて、すぐに加入してくれました。自治労連の中央行動や学習会等にも参加して、仕事に組合活動に元気に奮闘しています。

 一方、市当局は2017年度から清掃工場業務を完全民間委託化する方針を打ち出し、清掃工場からの職員の異動受入れのため「2016年以降の新規採用は凍結する」としています。組合は、清掃工場の民間委託に反対して清掃の仕事の改善を進めるとともに、引き続き正規職員の採用を求めてたたかっています。

「この取り組みの詳細は、月末に滋賀で開催する第12回地方自治研究全国集会の第24分科会(公務員の働き方を考える)で、持込みレポートとして報告します」と職場の組合員は語っています。