東日本大震災から3年、大阪の防災対策はどこまで進んだか?

 「防災まちづくり研究会」が報告集会

大阪自治労連

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 3月15日(土)13:30からグリーン会館2階大ホールで「―大阪の防災はどこまですすんだかー防災まちづくり(PartⅡ)研究会報告集会」を開催し、67名が参加しました。

 今回の集会は、大阪自治労連、大阪自治体問題研究所などで構成する「防災まちづくり研究会」が主催して開催したものです。昨年3月に開催した「大規模災害から住民の命と暮らしを守るー大阪の防災を考える提言―」から1年が経過し、中央防災会議や大阪府の南海トラフに対する被害想定が見直されるなかで、大阪の防災対策がどう進んだのかを明らかにしました。

 まず、はじめに自治体の防災担当者にあてた43市町村宛のアンケート調査(現在29自治体回収)では、「住民参加で防災対策をどのように進めてきたのか」や「市民への情報提供や啓発」、さらに、「職員体制の詳細」についての項目を付け加えて調査。さらに、津波浸水想定で被害が予想される堺、岸和田、貝塚、泉佐野の行政担当者との懇談の結果を報告しました。

自主防災組織や町会との連携すすむ

 避難マニュアルを自主防災組織の協力でワークショップ形式で作成してきた岸和田のとりくみ、要援護者ひとりひとりの支援をすべての町会(約100町会)役員に依頼をして40%の支援者の確定を行ってきた貝塚のとりくみ、町会ごとの自主防災組織の立ち上げと地域ごとの避難マニュアルの作成をしてきた泉佐野、子どもたちの防災教育にも支援して小学校校区の防災意識を変えようとする取り組みも行っている堺など、それぞれ特徴的な自治体でのとりくみが懇談で明らかになりました。

 

津波対策、コンビナート、地下街対策など

津波対策では、10年間で136億円の予算で大阪府が行おうとしている対策は、この間の浸水予想地域の防潮堤の補強やかさ上げです。今、問われている「大阪都構想」では、4000億円もの税金をかけて「阪神高速淀川左岸線」を作ろうとしていますが、その30分の1でできるこの対策こそ、優先して行うべきであることが指摘されました。

 また、コンビナートや地下街対策は、まだまだ専門家の知見が未熟な段階のままで実際の手だてもなく、行政責任もあいまいであることが分かりました。

 

災害で下水道はどうなるのか?

 下水の被害については、この間の震災での教訓から、下水の被害が起これば上水の給水制限にもつながること、さらに、災害直後に対応できる自治体職員が少ないことから復旧がかなり遅れることが予想されることが分かりました。

 

保育園、病院の防災対策の実態は?

 認可保育園では2階からの避難滑り台の設置義務等があります。しかし、認可保育園に入れない待機児童の多くが無認可園で保育されています。無認可の高層階の保育所や会社のビルの中の保育所では段差大きい非常階段を使っての避難となり、0・1・2歳児を抱っこして、数階の階段を何十回と昇り降りしなくてはならず、これでは子どもたちの命を守ることはできないことが述べられました。

 また、災害拠点病院や公立病院の防災対策では、自家発電や薬品の備蓄や食糧備蓄などの対策の不十分さや災害時に発生しやすいクラッシュ・シンドローム等の急性腎不全患者の増加対策が十分ではないことが明らかになりました。それぞれの病院に災害時のための対策費用を求めることは、今の診療報酬の中では到底無理なこと。今後、制度的として予算化を要求していく必要があることが述べられました。

 

高度成長期のまちづくりからの転換を

 研究会代表の中山徹先生からの問題提起は、「高度成長期は、高層ビルを建設し地下街もどんどん広げてきた。しかし、人口が減少していく今後は、私たちの消費するエネルギーも見直し、自然を取りもどし、地域とのつながりを重視したコミュニティーを作っていくことが、安心安全なまちづくりにつながる」と話しました。

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