いい旅ニッポン見聞録2018年5月号 Vol.534

猫といっしょにスローライフはいかが?

広く大きな世界を感じる「猫の島」ぐらし

香川県仲多度郡多度津(たどつ)町佐柳島(さなぎしま)

▲島の人口よりも猫の方が多い佐柳島。住民ののどかなくらしのなかに猫たちが溶けこんでいます。佐柳島は釣りのスポットとしても知られ、猫たちは釣り人から魚をもらっています

猫たちに囲まれながらのんびり島歩き

香川県多度津町の佐柳島は、瀬戸内海に浮かぶ面積1.83平方キロの小さな島です。80人弱の島民と100匹以上の猫がくらしており、近年「猫の島」として注目されています。動物写真家・岩合光昭(いわごうみつあき)さんのドキュメンタリー番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』や、五十嵐健太さんの写真集『飛び猫』のロケ地としても知られ、猫好きの間で密かにブームが広がっています。

島に渡るには、多度津港からフェリーが1日4便出ています。50分で島に到着します。

船着き場に降り立った途端、たくさんの猫が集まってきて、観光客を出迎えます。猫たちは足にまとわりついたり、荷物の匂いを嗅いだりと、警戒する様子もありません。餌を取り出そうものなら、身動きできないほどの数の猫に取り囲まれて、「早くちょうだい」の大合唱がはじまります。

猫は集落のいたるところにいて、それぞれ気ままにくらしています。観光客はそんな猫たちに餌をあげたり写真を撮ったりして過ごします。島民も観光客を気さくに受け入れ、「どこから来たんや」「猫好きなんか」など話しかけてくれます。

地域おこしから生まれた島のホステル

「猫の島」として一躍有名になった佐柳島ですが、地域の過疎化・高齢化は深刻です。一方で、島を元気にしようと奮闘する人も多くいます。地域おこし協力隊として島に移住した村上淳一さん夫妻もそうです。

十数年ぶりに父の故郷である佐柳島を訪れた淳一さんは「島にホステルがほしい」と思い立ち、企画書を町役場に持ち込み。行政やさまざまな人の協力を得て、昨年8月、廃校になった小学校の木造校舎を改装してホステルをオープンさせました。島で唯一の宿泊施設兼喫茶店として、観光客はもちろん地元の人たちの憩いの場にもなっています。

島に移住し、ホステルを運営するなかで、「この島を無人島にはしたくない」との思いを強くしたという淳一さん。「島でのくらしは広く大きな世界を感じることができる。一人でも多くの人に島くらしの魅力に触れてほしい」と思いを語ります。

猫がいっぱいのこの島で、あなたもスローライフを楽しんでみては?

▲にゃーにゃー。にゃにゃーん。にゃにゃー。ごろごろーにゃー

▲島唯一の宿。その名も「ネコノシマホステル」。村上さん夫妻が迎えてくれます

見聞録メモ
【佐柳島】
多度津港からフェリーで50分(運賃片道680円)
問合わせ:0877-32-2528(三洋汽船)

【ネコノシマホステル+喫茶ネコノシマ】
住所:香川県仲多度郡多度津町佐柳1353
問合わせ:0877-35-3505