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9冊目 面従腹背「あったことをなかったことにはできない」

図書館の本棚2018年10月号 Vol.539

9冊目

面従腹背「あったことをなかったことにはできない」

前川 喜平 著

「面従腹背(めんじゅうふくはい)」とは、表面だけ服従し、内心で反抗していること。

それを公務員がして良いのかとの批判もされましたが、この本を読むとその真意が分かります。前川氏自身が現場で見聞きし、またより現場に近い方達の思いをくみ取り、国民の権利を保障するために実現すべきと考えた施策を政治的な大きな流れにあらがいながら、流れが変わるのを待ち、実現してきた姿が描かれています。労働組合としての正面切った権利獲得のたたかいとこうした公務員一人ひとりが国民の権利を保障しようと考え働くという実践があってこそ、くらしを憲法にいかす行政になると実感できる一冊です。

毎日新聞出版
2018年6月発行
四六判・240ページ
定価:1,300円+税