かがやきDAYS2018年11月号 Vol.540

変化する風景 切りとり油絵に

愛知・豊橋市職労 䦰目(くじめ) 将大(まさひろ)さん

▲額縁も手づくり、その土地の特色を彫刻します

「自分がほしいと思った景色は絵として売られていないので、自分で描こうと思ったんです」と持参した風景画を見ながら話してくれるのは、愛知県豊橋市の公立小学校で用務員として働く䦰目将大さん。この仕事に就いて17年目のベテラン職員です。生まれ育った地元・豊橋の風景などを油絵にしています。手に持っているのは、勤めている小学校と隣のお寺の風景を描いたもの。

「通勤途中などで見た印象に残る風景を見つけたら、休日に絵具とパレットを持って行って色をつくっていきます。同じ風景でも季節、時間によって木々や空、建物の色合いは違ってくるので、自分が好きな時の色を探して調合するのが楽しいですね。制作期間はスローペースで1年に1、2作ほどかな~」

絵を引き立てる額縁も手づくり。描いたその土地の特色をタイトルと一緒に彫刻しています。以前に豊橋市内の木工工場で働いていた経験もあり、とても精密な作りで、金箔などの装飾も施されています。

絵に興味を持ったのは高校生の時、「たまたま姉から油絵の道具をもらい、独学で描くようになりました。大学も美術系にすすみました」

絵を描き始めてから、個展を開くのが夢だった䦰目さん。ようやく念願が叶い、書き溜めた作品をアートスペースのある喫茶店で展示することができました。

大学時代は北海道で過ごし、大学を卒業してからは木工工場や長野県白馬村のスキー場で働いたりと色々な経験をしています。毎冬、北海道・紋別港に氷を砕きながら来航する「ガリンコ号」、トレーニングで行った夏のスキー場など今まで過ごしてきた思い出の地も描いています。

「北海道も長野県もよかったけど、離れてみて海・山・川が揃っていて、レトロな街並みに路面電車が走る、とても落ち着く豊橋市の魅力に気づき戻ってきました」と振り返ります。

「今の仕事は、たまたま採用試験があり就きましたが、子どもたちの学ぶ環境を整える学校用務員の仕事はとても奥が深く、やりがいがあります。戻ってきてよかった」と話します。

▲以前、住んでいた白馬村の風景

▲青春時代を過ごした北海道。額縁にはクリオネなどが彫られています