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〔47〕鹿児島「最南端」の与論島から「最先端」のスポーツアイランドへ

かがやきDAYS2018年6月号 Vol.535

鹿児島「最南端」の与論島から「最先端」のスポーツアイランドへ

鹿児島・与論町職 喜村(きむら) 一隆(かずたか)さん

▲「町民の運動習慣の確立と健康増進の拠点施設として、ゆいLANDを活用していきたい」と喜村さん

喜村一隆さんは、与論町役場で働きながら、与論高校サッカー部コーチとなってもうすぐ10年になります。

高校時代に鹿児島県ベスト8の成績だった喜村さんは、当初、教え子にも「せめて県ベスト8までは勝たせたい」と指導に励みます。

ある日、「大会に出場するからには優勝めざすのが当たり前」と、先輩コーチから言われ、衝撃を受けます。「離島だから、優勝は望めないと心のどこかで決めつけていた自分がいた」と喜村さん。

離島の与論町では、専門的指導を受ける機会がなく、喜村さん自身も、高校時代は地元の先輩のボランティア指導を受けていました。「だからこそ、自分もコーチを引き受けた」と話す喜村さんですが、「実際に指導するとなると、伝えることの難しさ、勝たせることの厳しさ、自分の指導力のなさに歯痒い思いばかり」と話します。

鳥肌が立った交流試合

今年2月に与論町多目的運動広場「ゆいLAND」が完成。念願の人工芝グラウンドとクラブハウスができました。落成記念セレモニーでは、全国選抜高校サッカー大会ベスト4の長野県上田西高校との交流試合が行われました。

実は、上田西高校の監督は、与論島出身の元Jリーガーの白尾秀人(ひでひと)監督です。「与論島の人なら誰もが知っています」。多くの町民が見守るなか、与論高校が先制点を挙げます。この時、「全身鳥肌が立った」と喜村さん。後半は圧倒的な強さを上田西高校に見せられますが、「選手にとって、いい刺激をもらった」と喜びます。

4月に人事異動もあり、なかなか指導に行けない日々が続いているそうですが、「与論高校が、鹿児島県で優勝する日を夢見ながら、私も指導者としての技術向上を図り、子どもたちとともにがんばっていきたい」と喜村さんは語ります。

「ゆいLAND」に夢をのせて、鹿児島県「最南端」の与論島から「最先端」のスポーツアイランドをめざし、与論島の魅力を最大限にいかし、発揮できるよう喜村さんは今日もがんばっています。

▲ゆいLAND完成後、Jリーガーやリフティングのプロパフォーマーが来島して、子どもたちと交流・指導してもらっています

▲与論空港前で上田西高校のみなさんを歓迎前列右端の男性が白尾監督