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〔10〕ドンと来い「太鼓の会こだぬき」25年

かがやきDAYS2015年2月号 Vol.495

ドンと来い「太鼓の会こだぬき」25年

徳島自治労連 船越 昌一(しょういち)さん

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▲記念公演後、幼い子から花束を受け、感激の船越さん

 ホールに元気いっぱいの太鼓が響きます。「太鼓の会こだぬき」の創立25周年記念公演です。船越昌一さんはこの会の代表、その家族ほか7人で発足。いまでは孫だぬき、親だぬき、古だぬきと、2歳から65歳までの30人に成長しました。

 動機は人によりさまざま。孫のゲーム遊び時間を減らすためとか、健康保持のためとか。長く続けるのはとにかく好きだから、というのが共通しています。

 船越さんは全国各地の太鼓を学びましたが、なかでも視界360度が海の八丈島で練習したことが印象深いそうです。八丈太鼓や小倉祇園太鼓はジャズといっていい自由さがありますが、そのうらでは基本がしっかりできていないとダメだとも。

 「太鼓の醍醐味は何?」と聞くと「太鼓は叩いたら誰にでも音を出してくれるという広い門がまず魅力、それでも最初は大勢の人がてんでに叩いていて『雑音』そのものだったのが、稽古を重ねるうち、ぴたっとそろって文字どおり『音楽』になったときだ」といいます。

 公演では聴衆、スタッフ、裏方さんとひとつの時間と空間を創り上げたときに体感する達成感、一体感だといいます。

 保育園、小学校、特別支援学校、高齢者施設、その他、いろいろなイベントに呼ばれてこの25年に出かけた回数は1000回を超えています。

 なぜここまで続いてきたのか尋ねると「それは毎週火曜日必ず、台風の日でも稽古してきたことが土台にある、誰でもそこに行けば、太鼓が打てるというごくシンプルなことが大切だったのでは」と船越さん。全然知らない青年が「太鼓を叩かせてください」とのぞきに来ると言います。

 船越さんは徳島自治労連副委員長。現在、若い世代が中心の県立病院労働組合の応援団長です。県職員をリタイアした「OH!ジイ」の数人が毎週1回組合事務所に行き、おいしいコーヒーをいれて組合員を待っています。そこでの雑談や学習会がエンジンとなって、団体交渉や組合新加入につながっています。こういう習慣は太鼓の稽古と共通点があるようです。

 「労働組合の交渉は切実な思いや身近な要求を使用者に伝える大切な舞台です。そういう舞台を設けることができたときは一番うれしい。太鼓の会も組合活動同様、大勢の人とこれからも感動を共有していきたい」と抱負を語ってくれました。

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▲創立25周年記念公演
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▲後継者もしっかり育ってます