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機関紙『自治体の仲間』2011年 9月号 Vol.454 大震災からの復興、憲法が生きる社会へ

大震災からの復興、憲法が生きる社会へ

自治労連第33回定期大会 8月21日〜23日in静岡

 8月21日〜23日、「住民本位の震災復興実現、『構造改革』を転換させ、安全・安心の地域・日本をつくろう」をスローガンに、自治労連第33回定期大会が静岡市内で開催され、20日の補助組織・部会の事前大会を含め、のべ2000人が参加しました。討論は3日間で66人が発言。地方・単組から、方針を積極的に補強し、豊かにする立場から発言があいつぎました。最終日、2011年度運動方針をはじめ全議案が圧倒的多数の賛成で採択・承認され、新たな執行部を選出しました。

▲討論への参加を求め元気よくうちわを上げる愛知の仲間

 野村幸裕中央執行委員長は開会あいさつで「東日本大震災によって『選択と集中』という構造改革が誤りであったことが、あらためて明らかになった」と述べ、「憲法が構造改革の対抗軸、憲法が生きる職場・地域・自治体づくりをめざし国民的運動を展開しよう」と呼びかけました。来賓から歓迎と連帯のあいさつをいただき、7単組の新規加入が満場の拍手で承認されました。
 山口毅副委員長が2011年度運動方針案と秋季年末闘争方針案を提案。「核兵器廃絶に向けた賛同の広がり、公契約運動の前進、実質雇用継続を実現させるなど、切実な要求をたたかいによって変えさせてきている」と強調し、積極的な討論を呼びかけました。
 大会討論では、震災復興・支援にかかわって、被災地での自治体・公務公共関連労働者の奮闘、全国各地からのボランティア参加、安全・安心のまちづくりを進めていく決意、原発ゼロをめざす運動、賃金引き下げを許さないたたかい、「子ども・子育て新システム」阻止、予算人員闘争、次世代育成、運動の前進と組織拡大・強化、公契約条例、民主的自治体建設など、地方・単組から66人の発言がありました。どの発言も地域・住民をまもる自治体労働者の誇りと展望に満ちたものでした。
 この秋、「自治労連の出番」です。

議長団

▲議事進行お疲れさまでした。左から宮田清一さん(佐賀)、佐藤一則さん(岩手)、宮下早紀子さん(静岡)

委員長あいさつ(要旨)

中央執行委員長 野村 幸裕

雇用の安定、社会保障充実へ
職場・地域から共同の輪を

 

今大会は、3・11東日本大震災によって明らかになった住民生活を守る自治体や国の役割・責任を広く住民と連帯して実現するための意思統一を図る大会です。
 大会を取り巻く情勢の特徴は、第1に、大震災によって「選択と集中」という構造改革の誤りが改めて明らかになったことです。自治労連は政府に住民本位の復旧・復興と原発ゼロ、小規模・地産地消型の地域循環型エネルギーを早期に実現するための知恵と力を総結集することを強く求めます。また、被災各地で共同を広げ自治体に対する要請や提言運動を進めます。

 

構造改革の対抗軸は憲法です。アメリカ追随、財界優遇の構造改革を地方から変えていきましょう。
 第2に、私たちの継続した運動が情勢を主体的に切りひらいていることです。
 国会では国家公務員に対する不当な賃金引き下げ法案の成立を許していません。引き続き国民世論を背景としたたたかいが求められています。自治体構造改革では、住民とともに、人員要求闘争の強化で反転攻勢のチャンスが広がっています。
 非正規の分野でも、最高裁が4月12日、個人事業主として働く歌手や技術者も労働組合法上の「労働者」との判決を言い渡すなど、着実に前進しています。
 第3に、要求闘争と結びついた組織の強化・拡大が大きく前進していることです。
 労働協約締結権の回復に向け非正規を含む職場の組織拡大は急務です。消防職員の組織化とともに、要求の多数者を組織の多数者にするため奮闘しましょう。
 第4に、政府・財界やアメリカ政府の攻撃も厳しさを増していることです。日本経団連は震災復興を口実に道州制や特区、消費税増税のための「社会保障と税の一体改革」やTPP参加などを求めています。
 憲法改悪を視野に入れた議員定数削減や大連立への動き、大企業に奉仕する国や自治体の変質や特定政権のための公務員づくりの狙いも出てきています。
 しかし多くの国民は3・11大震災を契機に経済、社会、地方自治の構造改革からの転換を望んでいます。
 私たちも日常の仕事、労働組合運動が試されています。憲法が生きる職場・地域・自治体づくりを掲げ、主権者である住民との共同を広げるたたかいがますます重要です。全労連に結集し、仕事に生きがいを持って人間らしく働き続けられる国民生活を実現するために、安定した雇用と社会保障の充実で、新しい福祉国家づくりに向けて国民的運動を展開しようではありませんか。


代議員の発言(要旨)

敬称略

岩手

住民の声を聞き、復興へ力を合わせて

 東日本大震災で自治労連は、被災者支援センターをいち早く設置し、広報『りくぜんたかた』を配布し、地域の要望を市に届けた。

 まさに自治体労働者の役割を発揮する場となった。組合は職場体制の交渉や共済の請求手続きをすすめた。
 市民から「あなた方が頼り。体に気をつけてがんばって」と声をかけられる。新しい陸前高田市を復興するため力を合わせたい。

▲菅原 正弘

福島

原発と人類は共存できない

 福島では現在も災害が続いている。私たちの願いは早期の原発事故収束に尽きる。今回の事故で、原発と人類が共存できないことは明らかになった。いまでも福島では7万人以上の県民が自宅に戻れない。夏休みが明ければ1万人を超える転出が見込まれている。人の手に負えないものは決して作ってはならない。一日も早い復興のため、地域とともに奮闘していきたい。

▲小山 順子

神奈川

人員要求は住民にも共感

 鎌倉では、10年で職員400人削減し、さらに今後4年間で220人の削減を計画している。東海沖地震等が取りざたされているなかで、市民から「大災害が起こったとき自治体に何が必要なのか。その準備を」、「被災自治体が自前で住民の救援を基本に」との意見も出されている。いま、職員増の要求も住民の共感が得られるときだ。

▲芳賀 秀友

千葉

災害に強いまちづくり、公共サービスの拡充を

 浦安市の4分の3が埋立て地。大震災直後、その80%で大規模な液状化が起こり、JRは全面不通。ディズニーランドの来場者も帰れなくなり、学校に避難した。上下水道も2週間止まった。復旧の地盤強化費用は個人宅でも1000万円単位、国の支援、法改正が必要で、ようやく検討が始まっている。災害に強いまちづくり、保育、現業などの公共サービスの拡充を求め引き続き奮闘する。

▲柳澤 広司

愛知

語り合い広げる「つながりの輪」

 名古屋市職労青年部は、「つながりの輪」を大切に活動している。つながりと組合活動の活発化は比例している。次世代育成は、一緒に活動の意義を考えていくことが必要。青年部の役員は、今後の組合活動の厳しさと大切さも感じている。青年部の持つ思い・葛藤を知り、青年に組合活動への不安を残したまま、去っていかないで。

▲加藤 有香

佐賀

原発再稼働阻止、「近い」で組織拡大へ

 九州電力の玄海原発再稼働問題について、佐賀自治労連は、県労連が結成した「再稼働阻止チーム」に参加し、原発再稼働を止めた。
 組織拡大に関しては、『職場ニュース』を発行するなど、有益な情報を提供し、理解してもらうとともに、青年部を中心に、年齢・席の2つの「近い」で、組織拡大のとりくみを進めている。今後も組織拡大を重要な命題とし、努めていく。

▲家長 憲成

宮城

被災地から自治労連運動への合流をめざして

 市立保育所の半分が流失・破壊された震災を理由とする石巻市非正規保育士の雇い止め問題は一定の歯止めはできた。しかしワーキングプア的な労働条件は変わらない。これからが重要なたたかいとなる。
 七ヶ浜町職は現在オブ加入だが、震災にあたって、支援をいただいた全国の仲間との合流、一体となった自治労連運動の実現をめざしてがんばっていきたい。

▲渡辺 文昭

東京

財政危機論の対抗軸は財政分析と住民との共同

 財政危機を口実に目黒区は区民サービスを全面的に切り捨て、見直しをすすめようとしている。本質は開発型優先の財政運営維持と「構造改革」推進だ。
 この間、財政分析をすすめ、財政危機が意図的につくり出されたことを明らかにしてきた。庁内世論づくりにアンケートや懇談も実施。財政分析を柱に、住民との共同や主体的な住民運動の形成をすすめていく。

▲野間口勝彦

静岡

若者が参加しやすい運動の追求を

 本部への要望は、1つは若者が参加しやすい運動にしてほしい。浜岡原発即時停止の署名・宣伝で、高校生が署名に群がって列ができた。「7・23ひまわり集会」会場には遠巻きに組織外の青年も多く集まった。ユーチューブやツイッターなどインターネットの活用を探求してもらいたい。2つ目は、自治体へのはたらきかけの強化を。浜岡を廃炉に追い込み原発ゼロに貢献する。

▲林 克

京都

「原発ゼロ」をたたかいの柱に

 原発問題について、原発ゼロに向けた大きな国民運動を構築していくことが求められている。地域循環型の再生可能な自然エネルギーへの転換が必要だ。
 放射能被害問題が住民に大きな不安をもたらし、地域の自治体に脱原発への要求が高まるなかで、自治労連こそが地域住民のいのちを守る役目を担っている。原発へのとりくみを大きな柱にすえ、たたかおう。

▲池田 豊

大阪

選挙に勝利し、自治体を住民の手に

 橋下知事率いる「大阪維新の会」は、5月府議会で「日の丸・君が代強制条例」を強行、9月議会では、職員の免職を盛り込んだ「職員基本条例」を提出し、職員を抑制・管理する職場づくりを狙っている。11月27日予定の大阪府知事選挙・大阪市長選挙では、憲法と地方自治、民主主義への攻撃を押し返し、地方自治体を住民の手に取り戻す大きな運動をつくる。

▲小松 康則


広島

要求実現と組織拡大は同時に進む

 県の外郭団体として、労働条件は県に準じてきた。5年前に県内9つの県立福祉施設の指定管理者となり約500人が働いている。指定管理者へ移行の際、県は非公募とすることを条件として、一人100万円にもおよぶ賃金削減を強行。その後の努力によって黒字経営となり、若年層の賃金改善が実現、組合員も増えた。要求実現と組織拡大は同時に進むことを痛感した。

▲荒谷 康彦

愛媛

不当な分限免職の撤回までたたかう

 西条市は市立周桑病院の指定管理と昨年3月31日、151人全員の分限免職を強行、翌4月1日付で希望者全員を新規採用とした。最大30%もの賃下げ、退職金も未払い。これに対し、20人が分限免職取消を求め地裁に提訴してたたかっている。全公務公共関係労働者の権利を守るたたかいだ。全国の支援をお願いしたい。

▲佐伯 信雄

兵庫

現業攻撃はね返す新規採用今年も11人、7年間で21人

 芦屋現業労組は、厳しい現業攻撃のなか、新規採用を勝ち取り続けている。今年も11人、7年連続で計21人の現業の新採を獲得。学校給食展、保育所保護者会との20年にわたる共同運動、環境処理センターの10年定数確約、仕事ぶりを市民に目に見える形で知らせ、信頼を得ていることが土台。市民のためによい仕事ができるよう、幅広く手をつなぎ、要求運動につなげていく。

▲中西 篤子

茨城

魅力ある組合で組織拡大の前進を

 組織拡大と共済加入を結合し、新採の100%加入、非正規・関連職員の加入と組合結成にとりくんだ。
 市町職11単組のうち7単組で新採のほぼ全員が加入、未加入者が多い単組でも新採の多くが加入し、多数派への展望がみえてきた。組合に魅力がなければ呼びかけられても加入してくれない。一人ひとりの組合員を大切にする組合へ努力する。

▲白石 勝巳

埼玉

今求められるのはくらしを守ること

 埼玉県知事選挙を通し、自治労連の主張や県政の実態・問題点を直接県民に訴えることができた。知事は、の社会進出と、経済活性を表明しているが、県庁の女性職員は、低賃金・不安定雇用という臨時職員。今、求められるのは雇用の安定と待遇の改善だ。くらしを守る運動を広めていく。来年9月29〜30日で地方自治研究全国集会を埼玉で行うので全国からの参加を。

▲畔上 勝彦

岡山

東備消防訴訟逆転勝利 団結権回復を後押し

 東備消防訴訟で高裁は自主的団体の活動の正当性を認め、幹部職員らによる妨害、抑圧等の行為が違法であると断罪した。さらに「違法団体」と非難された「職員協議会」についても、団体の当事者能力を認める判決であり、消防職員の団結権回復を後押しするものだ。東備消防は封建的な組織から住民に信頼される組織へと生まれ変わろうとしている。

▲清水 一成

福岡

拡大こそ最大の課題全員で議論、行動で成果

 仲間を増やすとりくみとして3月から6月を組織拡大強化月間と位置付けた。加入を訴え、一歩踏み出すことが大変との声もあるなか、行動をみんなで共有しようと議論を重ねた。
 新採、未加入、嘱託など対象を明確にした加入パンフレットを作成。職場配属後に声かけをすすめ、加入の成果が生まれた。大きな広がりにはなっていないが、引き続き奮闘していく。

▲神尾 尚道

青年部

柔軟で豊かな発想で青年集会実現と成功を

 「青年のつどい」でパネル討論と講演を行い、市民に喜ばれる仕事をするために、各地で行動する決意を固めあった。定期大会では、22地方組織139人が参加、各地から数多く震災支援活動の報告がされた。来年6月16・17日は青年自治研集会を開催する。仕事の思い、悩みを語り合いたい。柔軟で豊かな発想で2014青年集会の開催実現と成功をめざしたい。

▲岡崎加奈子

女性部

男女賃金格差是正、時給1000円実現を

 大会では男女賃金格差是正のたたかいとして、最賃引き上げに奮闘する発言があった。大企業の内部留保を還元させ、時給1000円実現が急務。女性が参画できる社会にするため、労働時間短縮、残業規制、同一労働同一賃金に向けて労基法・均等法・派遣法などの法改正闘争にとりくむ。
 労働組合も、大会日程短縮や機関会議の週末開催など条件整備が必要。

▲竹中 道子

現業評

安全・安心を第一線で支える現業職

 27人の発言があり、東日本大震災関連の報告、新規採用を実現させたとりくみや住民共闘をめざした現業まつり開催などの報告があった。「対話と提言」の運動を全力でとりくむ方針を決定した。被災地からは、被災当時の職員の奮闘と「直営と委託では給食再開にいたるまでのスピードに差があった」と地域住民の安全と安心を第一線で支えてきた現状が報告された。

▲松本 英明

公営企業評議会

技術の継承ができる体制確立が急務

 ライフラインを担っている公営企業の職場は、大量の退職が出ても補充もなく業務委託化を進めている。これではノウハウが失われてしまう。委託業者も低価格入札で賃金切り下げ、解雇の恐怖が常にある。大震災後の被災地の状況を見ても自治体間の応援体制の確立と技術の継承が必要だ。今後人員増、人材育成を要求し、民営化をはね返すために奮闘していく。

▲釘元 英俊

すべての地域・職場から大運動参加を

 非正規公共評は、大会での討論と「30万自治労連と非正規公共10万人組織化」にもとづき「誇りと怒りの大運動」に今年度もとりくむことを決定した。確実な実践のためにも、補助組織・部会に非正規・公共関係の仲間の役員選出やすべての地方組織での非正規公共評確立が求められる。そして「誇りと怒りの大運動」への地域・職場からの参加を呼びかける。

▲仁木 将

大阪

正規職員増員の教訓と公契約運動の前進を

 増員の教訓は(1)仕事の役割を語り、公務労働について自信を持ってたたかったこと(2)全職員から要求を結集し、深刻な労働条件を示したこと(3)住民のなかに理解と共感を広げたこと。公契約運動では大規模なアンケートを実施し、9割が「住民サービスが維持できない」と悲痛な訴えをあげていると警告した。さらに運動を前進させていく。

▲久保 貴裕

長野

3000人の県本部確立めざして

 東日本大震災で多くの被害を受けた栄村では、一律3万円の義援金配分や仮設住宅建設など、早期に復旧がすすんでいる。これらは、栄村が合併をせず、集落ごとのコミュニティを大事にしてきたからだ。
 栄村振興公社の解雇問題から組合ができたことも励みだ。6月末で組織人員が昨年の1.6倍増となった。3000人の長野県自治労連の建設をめざす。

▲小林 正俊

茨城

復興ビジョンは住民とともに

 3・11大震災で被害をうけた主要幹線道路の復旧、電柱の付け替えは済み、市民も自宅に戻ったが、斜めになった住居を直そうとしても、国の査定が終わらないから工事へとすすめない。職場は、人事異動で建設部に人員を集中させたが、他の職場が人員減になり、過労死ラインを超える職員も出ている。
 毎年開催の「まちづくり学校」で、住民とともに復興ビジョン=まちづくりをつづけたい。

▲大川 裕正

東京

正規職員と非正規職員心をひとつに

 中野区非常勤保育士裁判では、非常勤・関係労働者の権利を認める判例が出ている。ある知的障害者施設では、給与制度改悪などが提案されたが、組合に結集した結果、実施を阻止した。学童保育では、指導員が自治労から自治労連に集団で移るケースも出ている。正規・非正規職員が一体となって「誇りと怒り」を結集し、職種職域ユニオンの飛躍的な組織化を目指したい。

▲田原 聖子

三重

憲法キャラバン通じ組織2倍化を実現

 県本部は、春は憲法キャラバン、秋は事前アンケートによる懇談、年間を通じ組織拡大というサイクルで2004年以降組合員数は2倍化、さらに3000人にする方針だ。このとりくみでケースワーカーが1年間で5市16人増、児童相談員10市21人増。非正規事務職3年間で14円増の880円、時給1000円超3自治体、特別休暇、22市付与を実現した。

▲祖父江昌弘

和歌山

対話と提言運動に学び新規採用27人を実現

 2009年の「おきプロ」の経験を県内に広げようと「わかやまプロジェクト」を始動し、今年6月、「熊野古道を歩こう」を実施し30人の青年が参加した。
 橋本市は06年の合併以後100人の減。昨年の「対話と提言運動全国交流集会」に学び職場の切実な現状を訴え、新規採用27人、社会福祉士、建築技術員、電気技師など専門職を採用させた。

▲窪田 憲志

愛知

全員参加型の運動を追求する

 11春闘で、組合がまちに飛び出し「春フェスタ」を開催した。学校給食分会は給食試食会、消防連絡会が震度体験・AED講習など、自治体労働者のがんばる姿を見せた。
 市長が節電として、一方的に開庁時間を30分早めると発表。昼休み職場集会を50職場で開き交渉で改善策を求めた。全員参加型の運動を追求することが、運動を発展させるカギだ。

▲長坂 圭造

香川

アンケート活動から要求実現、組合員拡大へ

 さぬき市と市民病院で働く非正規職員を対象にアンケート調査を行った。職場訪問して、共済などの資料を届けながら回収した。「誇り」をもちつつ、処遇に「怒り」を押し込めてがんばっている実態が明らかになった。組合加入申込書も同封されていた。
 災害ボランティア活動の参加者は全国の仲間の連帯に確信を深めた。引き続き援助をお願いする。

▲木下 雅士

北海道

あきらめずに要求続け10年越しに支給実現

 市立旭川病院嘱託臨時労組は結成以来、通勤手当支給の要求を掲げ交渉してきた。あきらめずに10年間要求し続けた結果、今年4月から嘱託職員への通勤手当支給を実現させた。
 憲法キャラバンは根室市を訪問。市長から運動への激励を受けた。営業運転再開を強行した泊(とまり)3号機の停止を求め集会やデモ、街頭署名を実施。原発ゼロを含め、くらし、産業、地域を守る運動をすすめる。

▲橋本はるえ

神奈川

災害に負けない神奈川づくり

 大震災の教訓は、「災害に負けない神奈川づくり」。
 避難場所・避難誘導体制の確保、津波・地震に強い安全・安心のまちづくり、脱原発のまちづくりを進めるのであれば、いずれも基礎自治体任せですむ問題ではない。県の役割をきちんと位置づけることで、「県政の解体」といわれた事態から「再生」へ大きく舵をとる。そのための政策・要求運動を進めていく。

▲倉形 洋一

沖縄

県労委命令を武器に職場復帰を

 昨年7月に県労働委員会に救済申し立てを行った宮古島市不当労働行為事件は、7月に県労委の命令が出たため、これを武器に宮古島市を相手に職場復帰をめざす。県労委は不当労働行為を認定し、団体交渉の申し入れに応じるよう、組合の主張をほぼ全面的に採用した命令を勝ち取った。宮古島に2桁の組合をつくり、嘱託職員の職場復帰を勝ち取るために全力をあげる。

▲宮田 菜々

奈良

次世代育成の特別の手当てが求められる

 前年組織調査比での増勢を達成できた。奈良市水道労組と国保病院労組では単組として増勢になった。今年度から始めた組織部が大きく貢献した。組織拡大の担い手を増やし、経験交流を深めてきた。次年度は「出かける組織部」となり、単組訪問しようと話しあっている。
 次世代育成の特別の手当てが必要だ。本部からの学習材料や労働学校に期待している。

▲中村 篤子

広島

青年の労働条件改善にがんばりたい

 私たちは学童保育指導員の仕事に誇りを持っている。高い専門性とそれに見合った報酬が必要だ。
 青年が働き続けるために、安心して働ける環境に改善してほしい。
 広島自治労連で青年部が結成された。今の時代だからこそ、「一人ではないよ、仲間がいるよ」という発信が大切だ。さまざまな困難があるが、仲間と一緒に乗り越えていきたい。

▲松谷真菜美

鳥取

職場民主化と労働条件が改善

 厚職労は粘り強いたたかいで、支援・介護員31人、看護職5人増員、補助職員賃金の月額2400円増と夜勤手当の300円引き上げを実現した。遊歩職員労働組合はトップダウンと働くルール無視など、爆発寸前の職場状態のなかで組合結成されて2年、「昼休みが工夫してとれるようになった」「年休がとりやすくなった」など要求が前進している

▲山根 善政

千葉

市民とともに保育園民営化ストップ

 2003年の公立保育園の委託計画提案以後、市民とともに「保育園大好きネット」を作り、この6月に民営化計画休止を勝ち取った。「子ども・子育て新システム」とのたたかいという新しい段階に入った。大好きネットも「新システム」とたたかえる新たなネットワークを呼びかける。全県的とりくみで「何があっても船橋市だけは公設公営を守る」という意気込みで運動する決意だ。

▲黄木祥久子

京都

公契約条例制定めざし市長選でも奮闘

 公契約条例は、3年前の市長選挙で、中村和雄候補が公約として掲げ青年層を中心に大きな反響を得た。研究会を重ね、京都市で働く非正規労働者や入札事業者の事業主へのアンケートにとりくみ、モデル案をつくった。本部はあらためて、今日的な議論の到達点を踏まえた政策に練り上げてほしい。来年2月の市長選挙に、中村和雄さんが立候補を表明した。物心両面の支援をお願いしたい。

▲小林 竜雄

山口

不当解雇事件勝訴さらなる組織拡大

 「圓光(かじみつ)園」が、安立裕子かじみつ労組委員長を解雇した事件で勝訴した。
 組織拡大について、2単組、2支部、分会を結成した。さらなる拡大のために、消防職員の組織化が必要と考えているが、本部へ全国での組織化・拡大のためのリーフレットの準備など、検討をお願いする。
 上関原発建設問題で、エネルギー施策の転換、建設中止の運動をすすめたい。

▲安立 裕子

石川

消費生活相談員ユニオン石川結成

 全国の経験を学びながら、4月に「消費生活相談員ユニオン石川」を結成。相談内容が複雑化、高度化し、専門的知識や実践的経験が求められる一方で、見合った処遇になく、不安定雇用と実態は深刻。住民サービスの最前線に立っている誇り、願い、要求は全国同じだ。硬い絆と連帯を結ぼう。10月に金沢で相談員交流集会を開催予定。全国からの参加を呼びかける。

▲朝倉 春夫

長崎

ノーモア・ヒバクシャ世界にひろげよう

 東日本大震災で起きた福島原発事故によって、多くの国民が学習を重ねている。関心を持つ若者も増えた。事故をきっかけに初めて被爆体験を語り始める被爆者も現れた。
 生き残った被爆者の声にもう一度耳を傾け、ノーモア・ヒバクシャを世界に向けて訴えていこう。
 核兵器全面禁止のアピール署名の運動を大きく広げよう。

▲里 正善


高知

共同で原発ゼロ、安全・安心な地域を

 高知は、15人が被災地ボランティアに参加。活動を通じ、自治体職員の責務を強く感じた。復興にあたっては、コミュニティの問題は大きな課題だと思う。
 今後、伊方原発の危険性の学習会や防災担当職員の懇談会等を開催していく。原発からの脱却と安心・安全な地域づくりをめざし、平和団体や地域と一緒に労働組合の枠を越え、共同してとりくんでいく。

▲高月 陽生

青森

仲間が増え団結が深まる

 横浜町の管理施設である横浜温泉で働く非正規職員が、温泉改築に伴う雇用不安から組合に加入した。横浜町社協労組の大会では、横浜町に対し要求書を提出することを決め、社協で働く非正規職員に対しての一時金支給や「行政指導せよ」などの内容の要求書を提出した。共感し合える仲間が増えたことで団結が深まり、今後の交渉に弾みがついている。

▲蛯名 孝宏

群馬

偽装請負の改善などで非正規の組織化すすむ

 大泉町学校の講師の雇い止め問題から偽装請負を改善させ、全員を直接雇用に切り替えることができた。
 伊勢崎市小中学校の労務技師の偽装請負を改善させ、全員の直接雇用を勝ち取った。このとりくみで26人のうち21人が組合に加入した。
 非正規の雇い止め攻撃では、県立リハビリテーションセンターの夜間支援員の雇い止めを撤回させ、34人が組合加入した。

▲宮内 政己

滋賀

福井の原発の差し止め訴訟スタート

 福井県7基の原発の再稼働を差し止める仮処分を求める訴訟がスタートした。老朽化した原発オンパレードに加え一番危険な「もんじゅ」がある。滋賀は福井の原発から最短距離で10キロ。近畿1400万人の飲み水・琵琶湖が汚染される。12月までにすべての原発の差し止めを求める本訴に向けて大原告団をつくる。近畿のみなさん、京都・大阪のみなさん、参加を。

▲松本 利寛

兵庫

幅広い結集でたたかいの母体を結成

 大津波のなか、子どもを守るため奮闘した保育士の姿に命の重みを感じた。「子ども・子育て新システム」では保育は守れない。兵庫では「よりよい保育実行委員会」を幅広い組織で結成。2月に500人の参加で神戸市内のパレードを成功させた。9月も行動を予定している。来年8月、全国保育合研を兵庫で開催する。新システムを阻止するためにも集会を成功させたい。

▲畠山 栄子

愛媛

組合員の声を結集し、要求を実現

 新居浜市の職員数は、平成15年の964人が21年に908人とされた。この結果、各職場はギリギリの状態となった。夏季休暇も3日に削減。組合は、市長出席の団交で人員増、休暇改善を要求した結果、人員増の方向で検討等の回答を引き出した。今年度は追加採用を実現し、休暇ではメモリアル休暇2日の新設を勝ち取った。

▲高橋 靖

鹿児島

3つのチャンネル生かし農耕型の組織強化拡大を

 日米合意が鹿児島県馬毛島を米空母艦載機の離発着訓練の候補地にあげた。全自治体が絶対反対、県労連を事務局に全県的な運動が始まった。組織強化は3つのチャンネルで。ひとつは未組織自治体への働きかけ。2つ目は非正規労働者の要求実現。3つ目は地域労組の戦略的活用。これらの基本に自治体訪問がある。ミツバチ型でなく、農耕型で組織化をがんばる。

▲鈴山 秀則

岡山

地域の自治はぐくむ公民館をまもる

 昨年、公民館を市長部局に移管する当局提案が出された。岡山市職労は、公民館が公民館でなくなるものであり、いち早く市民集会を開催し、「公民館の充実をすすめる市民の会」を立ち上げ、市民にビラを配布し、公民館のありようを市民不在で決めさせないと1万筆の署名を集め、市民80人のメッセージを発表した。
 最終的に、移管を食い止め、運動を通じて市民と職員の新たなつながりをつくる大きな成果を得た。

▲田中 純子

静岡

次世代との議論・学習で組織強化を

 静岡市労連は、粘り強い労使交渉で、なんらかのプラス内容を勝ち取ってきた。しかしそれが組織拡大強化につながっていない。この課題を次世代と議論。特に労働協約権をめぐる議論が転機となった。組合の原点を伝えようと未加入職員対象に初歩的な説明会を開き、加入をすすめている。
 賃金から原発と、労働組合の姿を示し、組織拡大につなげたい。

▲青池 則男

秋田

震災対応で感じた自治体職員の奮闘

 震災を受け、自治体職員の奮闘に誇りを感じた。市立病院にいるが停電や断水が発生するなか、患者への対応を素早く行い救急患者の受け入れ態勢も作った。ある民間病院は非常用電源の故障を把握していたが予算がないと放置。命より予算や利益優先は命を守る現場であってはならない。地域医療は公的病院でこそと確信。この経験を自治体職員として生かしていく。

▲高橋 功

岩手

リーフを活用し、組織拡大につなげる

 組織拡大専任者になって1年4カ月。作成した「組合加入宣伝リーフ」を受け止め、ある単組が三役会議や執行委員会に呼んでくれた。車で片道2時間の場所へ出かけ訴えると、執行委員が職場にリーフを配布し、臨時・非常勤職員に呼びかけた。労働相談につながり、組合員が2ケタに増え、雇い止めを阻止することができた。こうした経験が徐々に広がりつつある。

▲菅川 達夫

千葉

自治労連の真価を発揮する賃金闘争

 自治労が、国公の賃金削減に同意。自治労連の出番。国公10%賃金削減の阻止、50歳台後半層の賃金抑制反対と現給保障の維持、定年延長問題など、要求実現のため(1)宣伝と学習(2)未加盟単組・組合員の組織拡大(3)中央行動の強化(4)人事院各ブロック、地方人事委員会の要請が重要だ。復興支援を前面に据え、自治労連の真価を発揮するたたかいを千葉でもとりくむ。

▲白鳥 裕一

徳島

全国から学び、組織拡大の飛躍を期す

 徳島では、組織拡大は待ったなしの課題だ。協力者配置、非正規職員に心をよせる、クモの巣型からミツバチ型への活動スタイルの改善、共済とセットですすめるなど全国の到達点から学び、拡大を飛躍させようとしている。これらは学校給食職場などで実践されてきた。
 一刻も早く、「組織が飛躍した」と支えてくれている全国のみなさんに報告できるようがんばりたい。 >

▲近藤 秀敏

島根

農業公社の縮小・分社化で勝利和解

 全国で唯一県庁所在地に原発を抱えている。7月に結成した「原発ゼロをめざす島根の会」に加入し、運動をすすめる。
 隠岐の島町は農業公社の縮小・分社化を公社理事会へ提案し実行を迫った。町長へ団交を申し入れたが応じないため、県労働委員会に救済を申し立てた。今年4月、勝利和解した。
 松江市内の学童保育指導員の組織化をがんばる。

▲石田 忍

神奈川

「時給1000円以上に」横浜地裁に提訴

 最賃法では「生活保護との整合性に配慮する」としているが、神奈川の最低賃金は4年たっても生活保護基準を下回っている。6月30日と8月3日に厚労大臣、神奈川労働局長を相手に「少なくとも時給1000円以上にすべき」と横浜地裁に提訴した。原告のうち8人を神奈川自治労連に組織化した。サポーターの組織化について自治労連、全労連の支援を要請する。

▲伊原 周平

福岡

自治労連運動の真髄が至る所に

 福岡から陸前高田市へのべ84人をボランティアとして派遣した。組織拡大は、春以降、4つの単組ができた。いずれも自らの仕事の存在意義を求めて組合結成となった。地域主権改革一括法問題は、多くの団体と情報交換し、運動の広がりが必要。憲法キャラバンは、3年連続で60自治体を訪問した。この活動は自治労連にしかできない。

▲小原 徹也

東京

9年ぶりに学校現業職員採用を実現

 世田谷区では、9年ぶりに学校主事採用が実現した。その要因は、第1に、全国の偽装請負を告発するたたかいと、用務の仕事は委託にはなじまないと攻勢的に交渉したこと。第2は、直営でどれだけ有用な仕事ができるのかを庁舎内外にアピールしたことだ。第3は「何としても実現する」という執行部と組合員の決意と団結の力だ。

▲藤本 康博

京都

独法化の弊害と矛盾が顕著に

 2008年に京都府立大学と京都府立医科大学が独立法人化された。全国の国立大学86がすべて、公立大学も全国80大学中54大学が独法化されている。研究費・人件費削減、授業閉鎖など深刻な影響が出ている。法人化された大学には労働協約権があるが十分行使できていない。個々の大学ではなかなか前進しない、全国的に統一する必要がある。

▲中島 正雄

大阪

橋下知事の市民・職員イジメを許すな

 大阪では、橋下知事を先頭に賃金制度の大改悪攻撃がかけられている。選挙公約で賃金・労働条件の改悪を掲げ、マスコミを利用し、公約実現を迫るものだ。
 「君が代」強制条例に続き、職員首切り条例も大阪府・大阪市議会に提出を準備するなど、11月のダブル選挙の争点にしようとしている。住民の幸福なくして自治体労働者の幸福はないの気概でさらに奮闘する。

▲中町 裕一

埼玉

地域共同のなかに展望あり

 「自然エネルギー転換」について、本部の具体的政策をうかがいたい。「地域主権改革」についても、対抗方針を聞かせてほしい。
 埼玉では、労働基本権の学習と徹底、地域労組との共同闘争の強化をしている。共同のとりくみのなかで、要求の前進があったり、各団体が「職員増やせ」と訴えたり、住民との共同、合意形成をめざす方針に展望があることを確信した。

▲林 敏夫

東京

「子ども・子育て新システム」導入を阻止しよう

 「新システム」は、子どもにとって最も大切な、憲法にもとづく公的保育制度を破壊するもの。自治体の保育実施責任をなくし、社会保障ではなくすもの。「新システム」に反対するたたかいは正念場。阻止できる展望がある。学習、地域や駅頭での大宣伝・署名の推進、保護者・私立保育園・地域から共同の拡大などをしていく。全国的な運動で阻止しよう。

▲田川 英信

愛知

住民との共同が示した公務労働の重要性

 構造改革路線では住民のいのち、くらし、安全・安心を守れない。運動と追及によって、きめ細やかな行政運営には直営が必要、職員削減は住民サービスに支障と当局も認めている。震災ボランティアで住民の信頼を勝ち取ってきた経験を生かした運動が必要だ。労働基本権回復を見すえ、悪政阻止、住民生活を守る姿を職場・住民に示し、執念を燃やしてたたかう。

▲望月 敦

岩手

住民本位の県政めざし県知事選挙を全力で

 全国の仲間からの大震災支援に感謝する。県知事選挙が25日告示、9月11日投票で行われる。復興をどう進めるのか、同時に原発問題に対する対応、県民のいのちとくらし、福祉を守る岩手県政をどうつくるのかが鋭く問われる選挙となる。岩手自治労連は県労連議長の鈴木つゆみちさんを擁立し、住民本位の復興、原発ゼロ、県立病院の再建めざし全力でたたかう。

▲渡辺 孝文

大阪

人の命と尊厳をまもり実行させる大運動を

 福島原発事故はこの国の政治のゆがみをさらけ出した。憲法第11条「基本的人権」・13条「個人の尊厳」・25条「生存権」を始め人のいのちと尊厳をまもり実行させる大運動を開始し、主権者として、憲法の守り手である自治体労働者として、その先頭に立とう。
 東大阪市長選挙では長尾淳三さんの勝利で大阪から政治を変えるうねりを起こす決意だ。

▲小山 国治

統括答弁(要旨)

書記長 猿橋 均

豊かになった方針の実践で
運動・組織を発展させよう

 全体で、78人が討論に参加、うち女性の発言は14人(21.2%)。代議員の女性比率は20.9%で、目標の30%の達成に向け、本部としても具体化の検討を行うが、引き続く地方組織での努力をお願いしたい。
 討論のなかでは、とりわけ東日本大震災被災地支援の全国の熱い思いととりくみ、それに応えてがんばる現地の決意が述べられ、まさに民主的自治体労働者論の実践であることが確信となった。また、自治労連として改めて地方自治の真価を発揮し、「原発ゼロ」めざす政策案を確認した画期となる大会だった。

 意見や要望について、執行委員会としての考え方を述べる。
 被災地支援については、10月24日まで自己完結型ボランティア活動の拠点として鈴木旅館を確保。今後は復旧・復興に向けた「制度・政策」について、関係省庁への働きかけを重視する。
 原発ゼロのとりくみでは、立地県にとどまらず全国的な共同と合意をつくる。「期限を決めた撤退」の具体化や自然再生エネルギーへの転換など、「政策案」パンフを活用し、議論を広げてほしい。また、青年層の関心が強いことから、一緒に運動を広げられるよう工夫したい。
 を守る課題では、「大阪維新の会」の「職員基本条例案」「教育基本条例案」の危険な動きが報告された。条例提案を許さない運動や大阪府知事・大阪市長ダブル選挙を通じ、全国支援を強める。
 公契約条例制定運動では、地域労連と共同した自治体キャラバンや先進的なとりくみの教訓をいかしていく。
 対話と提言運動では、地域に打って出て、自治体の存在と役割を押し出すとりくみや、予算人員闘争につなげて進めることが重要。
 地域主権改革では、都道府県から基礎自治体への権限移譲問題などについて、今までの到達点をふまえ、対応方針の確立を急ぐ。
 「保育・子育て新システム」を許さないたたかい、生活保護基準引き下げを許さないとりくみなど社会保障拡充の運動を強化する。
 労働基本権回復の運動では、まず「組織形態に関わらず、当局には賃金労働条件に係る交渉応諾義務がある」との立場に当局を立たせることが重要。また、基本権回復後の賃金闘争については、討議資料のなかで提起をしているので議論を進めてほしい。消防職員の基本権回復めざし、各消防署単位での自主組織づくりの働きかけを強める。
 賃金闘争では、当面国家公務員賃下げ法案廃案をめざすとともに、確定闘争では55歳超え賃金引き下げの動きや、現給保障の廃止、定年延長が課題となる。具体的な方針は9月29日の拡大全国代表者会議で提起。
 当面8月30日中央行動、9月14日人事院前要請行動を成功させよう。
 「誇りと怒りの大運動」第2年次のとりくみの具体化は、10月7日の非正規公共担当者会議で確認する。
 秋の組織拡大では、9月15日の組織部長会議、16日の県事務所代表者会議で、意思統一をはかる。

 大会討論のなかで豊かにしていただいた方針と、その実践で、自治労連の運動と組織を大きく発展させよう。


歓迎します 新規加入組合

全国の仲間が力です

 ようこそ自治労連へ!

 自治労連第33回定期大会において新たに7つの組合が加入しました。
 労働条件改善に向けた要求・決意を胸に、全国の仲間とがんばります。


北海道

札幌地域自治体関連ユニオン
札幌で自治労連運動の発展を

 6月17日に札幌市役所支部、道庁関連支部を母体に結成しました。私たちが活動する地域は北海道のほぼ半数の人口を有する地域です。すでに、近隣自治体や関連職場の労働者から切実な相談が寄せられています。私たちへの期待の広がりを感じています。全国の優れた経験に学び、北海道自治労連の発展に努めていきたいと思います。

▲青木法男委員長

茨 城

石岡市社会福祉協議会職員労働組合
非正規の組織化に奮闘したい

 加入の承認を受け、感激とともに責任の重さを痛感しています。
 市からの委託事業が増えるなかで、非正規労働者が増えています。組織化に奮闘したいです。また私たちは社会福祉法人ということで、公務員組合にはできない運動も進める覚悟です。

▲川並英二書記次長(左)と
雨貝和敏執行委員

山 口

防府(ほうふ)市職員労働組合 上下水道支部労働組合
地域住民と利用者のための活動を

 防府市は4月に水道事業と下水道事業が統合され、上下水道局ができました。今のままでは交渉ができないので、新たに組合を立ち上げました。
 東日本大震災支援の自治労連活動に参加し、自分たちの利益だけでなく、地域住民や利用者のための活動をしたいと感じています。

▲石光徹委員長(左)と
村澤慎也事務局長

長 野

浅間総合病院労働組合(オブザーバー加入)
人間らしく働ける職場に

 浅間総合病院は323床の総合病院、2010年4月より地方公益企業法の全部適用となりました。今は労働条件の切り下げなどはありませんが、独立行政法人化、民間委譲が出てこないとも限りません。学習会などにも積極的に参加し、情報やアドバイスもいただきたい。地域医療の充実、人間らしく働くことのできる職場の実現をめざし、たたかっていきます。

▲関口憲一書記次長(左)と
木内早苗委員長

佐 賀

玄海町(げんかいちょう)図書館職員労働組合
交渉や話し合いで組合の必要性わかった

 私たちは教育委員会を信頼するあまり「嘱託のままの雇用」が継続されるはずと信じていました。しかし、交渉でお世話になっていたことや拡大専任者との話し合いのなかで組合の必要性もわかり、結成に至りました。自治労連の一員としてがんばりますので、よろしくお願いします。

▲吉田勝彦組織拡大専任者

静 岡

浜北学校給食センター労働組合
雇用を守り、給食をつくり続けたい

 合併前の旧浜北市の時から、1日8000食の学校給食をつくっています。2005年の合併前に、突然一方的な労働条件改悪が強行されました。いま、私たちを不安にさせているのは給食センターの民間委託です。雇用をつなぎ、子どもたちの給食をつくり続けていきたいです。

▲永井知加子書記長(左)と
河本恵美副委員長

福 岡

北九州市バス労働組合
公営交通事業のとりくみに援助を

 今年8月6日に北九州市バス労組を結成しました。市営バスは10数年前から嘱託化がすすめられ、現在85%が嘱託職員です。赤字を理由にどんどん合理化がすすめられています。運動方針にも公営交通事業があげられています。公営交通事業のとりくみに援助を強めていただくとともに、みなさんともがんばっていきたいです。

▲浅岡信吾委員長

岩手 小本(おもと)地区の復興へ

岩泉町職青年婦人部が「考える会」結成

 岩手県岩泉町職青年婦人部では、若手職員を中心に「小本の復興を考える会」を結成し、震災の復興が進められているなかでできることは何かと意見交換を行っています。最終的には町の復興委員会に提出し、震災復興計画への反映をめざします。

 岩泉町の沿岸部に位置する小本地区は、東日本大震災により甚大な被害を受けました。
 あれから5カ月が経過し、「復旧から復興へ」と歩みが進むなか、自らが考えるまちの設計図をお互いに出し合う場を設けたい、声を届けたいという思いが会を結成させました。会ではメンバーの意見を集約し、独自の復興計画を作成することを目標のひとつとして、活動しています。まず、自由に発言できる雰囲気作りに努め、「住居」「公共施設」「防災施設」「新施設」の4つに分け、意見交換を行いました。後日、各々が考えるイメージについて図面に示し、一人ひとりの復興に対する思いを語り合いました。
 回を重ねるごとに、それぞれが抱いている「こころ」が見え、互いを知るという意味でも貴重な機会となっています。現在、三度の意見交換を経て方向性が見え、まとめへと進んでいます。
 さらに、メンバーからは「地元の小中学生と話したい」「他市町村の元気な地域から話をうかがいたい」など積極的な意見が出ており、今後も会を継続し、考える機会をつくっていきたいと思います。

▲復興に向けての討論に熱中し、夜遅くなることも

公契約条例実現めざしもえる秋

京都市職労公契約条例研究会

契約実態つかみ京都市モデル案作成

 この2年間、京都市職労は市民の要求と運動で公契約条例制定のために活動してきました。このたび、業者アンケートの結果とあわせ、「京都市公契約条例―京都市職労モデル案」を公表し、条例実現へ新たな一歩を踏み出しました。

 アンケートは、主に工事入札の登録業者を対象にし、いまの公契約制度の限界が浮き彫りになりました。「赤字覚悟で入札価格を決めたことがある」が50%、「この一年間一度も落札できなかった」が56%という結果は、歯止めなき低価格競争に苦しむ業者の実態を明らかにしました。また、低価格での落札のため雇用や賃金の削減をしたことが「ある」との回答が40%、具体的に削減した経費については「人件費」「下請け単価」で66%に上りました。“安かろう”の契約制度と市が決める落札予定価格の低下が経営を圧迫し、そのしわ寄せが労働者を直撃しています。
 こうした実態を踏まえ条例モデル案には、賃金の引き上げだけではなく、「市内中小企業の発展」「地域経済の活性化」を条例の根幹に据えたのが大きな特徴です。また、賃金不払い時の市による直接払い制度で、発注者である市の責任も明確にしました。
 来年2月の京都市長選挙は条例実現の絶好のチャンスです。「市内中小企業の発展による地域経済活性化」「労働者の適正な労働条件確保」を掲げ、条例を実現する市長誕生のために運動をすすめます。

▲独自に作成した「京都市職労モデル案で対話と共同を広げていきたい」と話す中井教雄(のりお)書記次長

“交流”をエネルギーに

高知自治労連 安芸(あき)市職労青年部

青年部「地域もりあげ隊」がゆく

 土佐のいごっそう(快男児・酒豪)・はちきん(男勝りな女性)が集まれば、兎にも角にも酒を酌み交わす“おきゃく”(宴会)が始まります。この土佐っ子気質全開で、仲間や地域住民との交流をエネルギー源にして、安芸の“わかいし”(若者)は元気いっぱい、地域での活動に積極的にとりくんでいます。その名も、安芸市職労青年部「地域もりあげ隊」。

 7月30日には、「たんぽっぽ広場夏まつり隊」として、障がい児・障がい者とのふれあい行事に参加しました。主催者から「プールにとりくみたいので、安全運営のためにサポーターが必要になる」と協力要請を受け、青年部として組織的な参加体制を組み、プール遊びを実現させました。
 これまでも、役所内外からの要請を受けては部長自ら部員に声をかけ、安芸市の「こまどり温泉」までの市道と温泉周辺の清掃ボランティア「こまどり温泉応援隊」や、西八幡宮の秋季大祭の「お神輿かつぎ隊」などを結成し、地域のイベントに参加してきました。青年部では、仲間が集まってつながることを大切に、また、地域住民との交流を通じ、公務労働者としての信頼を得ながらの組合活動に奮闘中です。

▲楠瀬奉孝青年部長(前列右から2人目)&小松晃副部長(右)による強力サポートでプールも安心

力あつめて被災地の復興支援を

全国の仲間の奮闘を支えた「岩手被災地支援センター」

自治労連が陸前高田市矢作町に支援の拠点・岩手被災地支援センター(鈴木旅館)を開設したのは小雪が降る4月19日。以降5カ月、全国各地から駆けつける自治労連の仲間の拠点となり、のべ5200人が参加しました。10月24日で運営は終了します。

 陸前高田市では、死者・行方不明者2095人、家屋倒壊3341棟にのぼり、旅館のすぐ前まで被災地でした。長部地区では多くの住民が被災し、電気・水道の復旧も遅れました。1300トンのサンマが飛散・腐敗し周辺に異臭を放ち続け、住民は厳しい生活を余儀なくされていました。
 自治労連の支援活動は民家・田畑のがれきの撤去のほか、住民の情報のパイプとして発行された臨時広報『りくぜんたかた』を早朝6時から印刷し、市内9地区を5コースに分けて配布。市への要望なども聞きながら市に住民の声を届ける行動も行ってきました。
 社会福祉協議会ボランティアセンターの朝の交通整理・資材管理がセンターの重要な活動でした。矢作地区での「トウモロコシ・ひまわりプロジェクト」は、地域に夢と元気を育む活動となりました。
 今後は制度・政策闘争を強め、継続して支援を行っていきます。
 活動を通じてコミュニティの大切さ、人の優しさに触れ、住民のいのちとくらしを守るという自治体の基本をあらためて考えさせられました。

▲地域住民の声を聞きながら、共同して復興支援にとりくんできました

今後の受け入れ体制について

 9月以降、自己完結型でボランティアを行うボランティアの活動拠点として、被災地支援センターを10月24日まで確保します。市内のスーパーなどが開店したことから、自らボランティアセンターで業務を確定するとともに、食事も自力調達する自律的ボランティアとして活動することとします。

▲津波による田畑の塩害対策で育てられたひまわり、手入れも欠かしません

ヒロシマ・ナガサキ…そしてフクシマ
原発も核兵器もない平和な世界に

原水爆禁止2011年世界大会in長崎

8月5日〜6日広島、7日〜9日長崎で原水爆禁止2011年世界大会が開催され、広島大会には2000人、長崎大会には7800人が参加しました。自治労連は全国から130人の代表が参加し、大会成功に尽くしました。また、国際会議が8月3日から5日まで広島市で開催されました。

▲千羽鶴に祈りを込め子どもたちも一緒に長崎大会でのフィナーレ

 被爆66年を迎えた今大会は、(1)核兵器廃絶、核兵器禁止条約の交渉と締結を求める、(2)福島第一原発事故を受け、原発問題にどう向き合うか、を大きなテーマに、国内外の新たな運動、情勢に応えるものとなりました。
 藩基文(パンギムン)国連事務総長が初めてメッセージを寄せ、その代理として世界大会に参加したセルジオ・ドゥアルテ国連軍縮問題担当上級代表は「市民と国のとりくみが一緒になって新たな“うねり”を作り出している」と強調。核兵器廃絶が世界の多数派となっていることに強く確信を持つとともに、世界大会が国連など反核運動の共同の場として果たす役割の大きさが示されるものとなりました。
 核兵器禁止条約の交渉開始と締結を求める国際署名を広げ、原発からの撤退など連帯の輪を力に、核兵器廃絶の世論と運動を大きく発展させようと呼びかける画期的な大会となりました。

▲長崎大会閉会総会で会場内を埋めつくす7800人の参加者
▲長崎市職員慰霊献花行動で花を供える自治労連の柴田英二副委員長(左)

放射能被曝なくす一点での共同を

第34回自治体労働者平和のつどい

17地方組織123人が参加

 8月8日、自治労連は長崎市内で「第34回自治体労働者平和のつどい」を開催しました。
 柴田英二副委員長が、「核兵器のない世界に向け、住民との共同、地域ぐるみの運動で核廃絶の世論は高まっている。放射能被害を二度と繰り返さないために住民とともに憲法が生きる地域をつくり、核兵器廃絶、原発ゼロの運動を広げよう」とあいさつ。

 安斎科学・平和事務所所長の安斎育郎さんが講演。原爆が落とされた背景に米ソ間の戦後支配をめぐる権力争いがあったことに触れ、「核抑止論(力)は脅しの手段でしかない」と指摘しました。
 また原発をめぐる電力会社や政府の姿勢を批判。原発と核兵器について、「『放射能被曝をなくす』という点で重要な関連性があり、結合した運動が必要」と話しました。

▲「核兵器廃絶、原発ゼロの運動を広げよう」と確認し合いました

 

▲「核抑止論(力)は脅しの手段でしかない」と指摘する安斎育郎さん