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第116館 古墳を生かしたフィールドミュージアム

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム2011年11月号 Vol.456

宮崎県西都市 宮崎県立西都原(さいとばる)考古博物館

古墳を生かしたフィールドミュージアム

 宮崎県立西都原考古博物館は、宮崎県のほぼ中央に位置しています。8年前に建設されたこの施設は、西都原古墳群をはじめ、南九州から出土した、旧石器時代から古墳時代、律令時代の遺構・遺物を展示しています。入館は無料です。  「常設展示」では、2カ月に1回、最新の発掘情報を展示しているのも売りの一つ。さらに肩から音声の出るガイドジャケットや、触れる案内図「触察マップ」などにユニバーサルデザインを導入しています。直接、模型や資料に触れることもできる「ハンズオン展示」で、縄文・弥生時代の土器の模様や厚さの違いが実感できます。  さあ、古代のタイムトンネルを通っていきましょう。タイムトンネルは、古墳時代の夜の月をイメージしてつくられています。手すりには写真が貼られ、現代から旧石器までの距離間が示されています。現代から始まり、1年を1ミリと計算され、1センチは10年です。25メートルあり、2万5000年前まで表示しています。現代人のの平均寿命にたとえると8センチ強。男性は8センチ足らずということになります。縄文時代の南九州の土器を見ると、ほとんどが貝殻模様、当時の人々が海に親しんだ生活をしていたことがわかります。対面には弥生時代の展示がされ、縄文時代と見くらべることができるようになっています。また「埴輪をつくろう」の体験講座など魅力ある行事もたくさん企画されています。  この建物は、東西2.6キロ、南北4.2キロの広さの西都原古墳群の一角にあります。なかには、4世紀頃から7世紀に建造されたと推定される311基の古墳があり、大部分がいまだ発掘されておらず多くの謎を秘めたままです。コノハナサクヤ姫を祭神にしている都萬神社や九州では最大の前方後円墳・男狭穂塚(おさほづか)等を回る「記(き)・紀(き)の道」もあります。あなたも南九州の古代ロマンを楽しんでみてはいかがですか。

▲建物は古墳の墓石や石室をイメージして建設されています
▲長穂塚古墳に隣接する副葬品で古墳時代中期の船形埴輪

ミュージアムメモ
所在地/ 宮崎県西都市大字三宅5670番
入館料/ 無料
開館時間/ 午前10時〜午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日/ 月曜日、年末年始(12月28日〜1月4日まで)
交通/ JR宮崎駅から「西都」行き「西都バスセンタ−」下車後、タクシーで5分
問い合わせ/ 0983−41−0041
HP/ http://saito-muse.pref.miyazaki.jp/