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第101録 二度と繰り返さないために戦争の記憶を次の世代へ

いい旅ニッポン見聞録 2026年10月号 Vol.635

いのちの尊さと平和を心に刻む

二度と繰り返さないために戦争の記憶を次の世代へ

福島県白河市・アウシュヴィッツ平和博物館

▲博物館は四季の花が咲く自然豊かな地に建っています

アウシュヴィッツ収容所は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが占領下のポーランドに建設した最大規模の強制収容所です。

150万あまりの尊いいのちが奪われた同収容所跡地は、「人類が二度と繰り返してはならない負の歴史遺産」としてユネスコ世界遺産に登録され、ポーランド政府がアウシュヴィッツ・ビルケナウ国立博物館として保存しています。

ボランティアの力で支える博物館

全国各地でボランティアによって開かれた「心に刻むアウシュヴィッツ展」をきっかけに、栃木県塩谷町に常設館が開館。その後白河市に移転し、2003年4月に現在の博物館が開館しました。

平和博物館は、アウシュヴィッツ国立博物館から提供された犠牲者の遺品や資料、記録写真など約200点を常設展示する日本で唯一の博物館です。戦時中の体験を子どもたちが絵や作文にした「子どもの目に映った戦争」なども常設展示しています。

建物は、茨城県玉里村(現・小美玉市)から移築した江戸中期の民家で、約200人のボランティアが再建しました。現在も、特定の団体や企業に頼らずボランティアによる非営利の運営を続けています。

企画展を通じて平和を次の世代へ

開館当初からかかわる小渕真理館長は、「企画展では『加害』について取り上げ続けてきました」と話します。これまで「ガザの風景」「沖縄と基地問題」など、戦争や平和をテーマにした企画展を開催。今年は、高校生が描いた広島原爆の絵を展示しています。「最近は平和に関心がある若い女性の来館が増え、次の世代への継承に期待しています」と小渕さん。

戦争の狂気を知り、いのちの尊さと平和を考えるうえで訪れたい施設です。

▲開館当初からかかわってきた小渕真理館長

▲囚人服などを展示し、収容所の歴史を伝える常設展「アウシュヴィッツの記録」(写真提供:アウシュヴィッツ平和博物館)