住民のくらしを守る 知恵は現場にこそある
千葉県の豪雨・台風災害 千葉・八千代市職労
▲災害ゴミの臨時集積場。削減され続けている現場・清掃職員での収集は非常に過酷な作業となりました
8月13日から14日の「千葉豪雨」では県内22自治体でレベル5大雨特別警報が発令され、大きな被害となりました。さらに、9月21日には台風25号の影響で土砂崩れや浸水被害を受けました。今回、八千代市を訪問し、当時の様子や現在の状況を八千代市職労の早川尚吾委員長と山本昭彦書記長に聞きました。
清掃職員の早川委員長は8月豪雨の当時の様子を「市内の特に被害の大きかった地域では、地面から水面が約180センチに達した。住宅の床上浸水や自動車の水没が相次ぎ、家屋の解体や転居を余儀なくされた住民もいた」「被災後は、水に浸って使えなくなった家具や家電、断熱材、石膏ボードなど大量の災害ごみが発生し、台風による被害も重なり回収作業は長期化している」と話します。
直営だからこそ即対応できた災害ゴミ回収
こうしたなかで市の現業職員がパッカー車を運転して災害ごみを回収し大活躍しました。早川委員長は「何往復しても減らない災害ゴミの多さと、水にぬれた畳の重さには参った。災害ボランティアセンターの稼働を待たず、切実な住民の声に即応する形で直接回収することができ、住民から喜ばれた」と語ります。
しかし、現業職員の採用がないもとで、委託業者も対応できないため、当初2人で市内の災害ゴミを回収する孤軍奮闘の状態だったそうです。早川委員長は「毎日市内を回り状況を把握している現業職員だからこそ、いま何をすべきかがわかる。知恵は現場にある」と強調します。さらに若手職員のMT車運転経験不足なども明らかになり、「日頃からの人材育成や実践的な技能の継承が重要だ」と語ります。
災害対応が自己責任では住民の命が守れない
また、職員が緊急の参集に応じて自家用車で出勤する際に、車が水没して故障する事例が各地で発生しました。早川委員長は「レベル5特別警報が発令されるなかで、自己責任で職員を参集すること自体が問題」と指摘します。職員が緊急の参集によって重大事故にまき込まれるなど、災害対応に悪影響を与えかねないからです。
山本書記長は「労働組合で豪雨災害時の対応や被害について緊急アンケートを実施したところ、車両被害は自宅駐車場での水没含め19件出ていることがわかった」といいます。そして「職員が車両損害等の物的損害を負わなくてもすむ制度なども検討する必要がある」と訴えました。
起こりうる災害に備えた体制づくりを
今回の災害は、これまで自治労連が要求してきた現業職員の確保と人員体制の充実が、住民のいのちとくらしを守るうえで欠かせないことをあらためて示しました。国や自治体はコストや人員削減優先ではなく、災害対応を担う職員の確保、安全対策、車両損害への補償などをすすめる対策が求められます。八千代市の経験を全国の自治体と共有し、災害に備えた体制づくりにつなげていく必要があります。
災害対応職員の車両損害の補償など課題も
▲9月の台風25号時の様子。急激に水位が増し土のう運搬車がこの後水没しました
▲8月豪雨時の災害ゴミ収集の様子。濡れているため重量が増し、運搬作業が大変でした
▲山本昭彦書記長(左)と早川尚吾委員長(右)