第96録 国生み神話にも描かれる神秘と魅力あふれる島
2025年11月号 Vol.624
播磨灘の夕日や季節の花々 絶景スポットがめじろ押し
国生み神話にも描かれる神秘と魅力あふれる島
兵庫県淡路島と鳴門の渦潮
▲鳴門海峡と「鳴門の渦潮」
豊かな自然と食の宝庫 絶景の淡路島をドライブ
日本神話の「国生みの島」で知られる淡路島は、東京23区とほぼ同じ面積に約12万人が暮らす瀬戸内海最大の島です。温暖な気候に恵まれ、酪農やタマネギ栽培などが盛んです。近年、地元食材を使った「淡路島バーガー」が人気です。
また、30年前の阪神・淡路大震災の被災地でもあり、淡路市の北淡震災記念公園では震源となった活断層が保存され、震災の記憶を後世に伝えています。
本州から淡路島へ行くには車で明石海峡大橋を渡る方法が一般的です。島内には鉄道がなく、車やバスでの移動が中心です。南北に走る神戸淡路鳴門自動車道を使えば、約1時間で島内を縦断できます。
淡路島は「花の島」とも呼ばれ、春は菜の花やポピー、夏はひまわり、秋はブルーサルビアやコスモス、冬は水仙など四季折々の花々が島内を彩ります。
世界三大潮流の速さと海底地形が生み出す神秘
島の南西端には鳴門海峡が広がり、かの有名な「鳴門の渦潮(うずしお)」を見ることができます。福良港から遊覧船に乗り、間近から見る渦潮は大迫力で、自然が生み出す神秘的な光景に驚かされます。渦潮の見頃は大潮の日の干潮・満潮前後1~2時間。あらかじめ潮見表を確認しておきましょう。
なぜ鳴門海峡に渦潮が発生するのでしょうか? その秘密は日本一の潮速とV字型の海底地形にあります。潮流は抵抗が少ない深部では速く、抵抗が多い浅瀬では緩やかに流れます。2つの速度の潮流がぶつかり「渦」が発生します。
最大30メートルに達するとも言われる渦の大きさは世界最大級。その類まれな自然美は、かつては歌川広重や葛飾北斎など時代を代表する浮世絵師によって描かれ、今日に至るまで訪れる人々を魅了し続けています。
▲島のあちこちで四季折々の花々と絶景をたのしめます。ポピー(上)、菜の花(下)(Ⓒあわじ花さじき 写真提供:(一社)淡路島観光協会)
▲道の駅東浦ターミナルパーク名物「たこ姿焼き」