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〔114〕日本中の「有人島」を制覇 すべて回る達成感が魅力

かがやきDAYS2025年7月号 Vol.620

日本中の「有人島」を制覇 すべて回る達成感が魅力

滋賀県職 長坂(ながさか) 幸一(こういち)さん

▲普段は県庁で働く物静かな行政マン。琵琶湖やダム周辺の地域整備をしています

すべての有人島を巡る

滋賀県庁で働く長坂幸一さんはちょっとこだわりのある旅行好き。学生時代はJR全路線に乗車した経験もあります。「すべて制覇しないと気がすまない性格なのでしょうか」と照れる長坂さんが次に思い立ったのが日本中の島を巡ること。「もともと海や島の景色が好きでした。本木修次さん著の紀行本などに影響を受け『日本中の島を全部回ってみよう』と思いました」ときっかけを話します。

日本には大小430近い有人島があるそうで、上陸することも困難なところもあります。「島に渡る定期便が6日に一便しかないとか、海上タクシーを利用して渡る島もありました」と話す長坂さん。定期便がなく数世帯しか住んでいない島では、島民と連絡を取って船を出してもらい上陸しました。「インターネットなんてない頃でしたから、分厚いタウンページをひたすらめくって島民を探しました。島の人も快く迎え入れてくれました」と笑います。

地図にある道路全部を歩く

長坂さんの島巡りの「こだわり」は地図に載っている道をすべて歩くことです。「大きな島ではクルマやレンタサイクルなどを利用しますが、島内の全ての道を歩きたい。地図で確認できる行き止まりの道も含めてです」と話します。それでも、日程の都合で一部の道しか歩けなかった島も多々あるそうで、そうした島を「不十分な島」と名付け再度訪れます。伊豆・小笠原諸島や沖縄諸島などには10回以上も訪れています。長坂さんが島巡りを始めたのは1996年頃からで、2002年にはほぼすべての島に上陸しました。「この頃、全島を巡った人は日本に5人くらいしかいないと聞きました。達成感がありました」と振り返ります。

今でも島巡りを続けている長坂さんは「海で隔てられているためそれぞれの島が独立国のような個性を持っていること、範囲が明確であるため『全部見た。全部歩いた』という達成感を得られることも魅力の一つです」と語ります。

「実は、鉄道の路線巡りも、私鉄や地下鉄まで範囲を広げ、新線ができれば乗りに行っています」と長坂さん。実際に自分の目で見て現場で直接体験すること、「制覇」することに魅力を感じ今も巡り続けています。

▲伊豆大島の三原山山頂は大きな火山噴火口

▲小笠原諸島の母島。道路標識に注目。都道最南端です