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66冊目 ナチスの「手口」と緊急事態条項

図書館の本棚2024年4月号 Vol.605

66冊目

ナチスの「手口」と緊急事態条項

長谷部恭男・石田勇治/著

裏金事件で窮地に立つ政権党ですが、日本国憲法を変えることには執念を持っています。この本は、ヒトラー政府が緊急事態条項によって短期間で独裁に至る過程を日本でもと、麻生副首相(当時)が事実上主張するくだりから始まります。とんでもないことですが、自民党の改憲草案は緊急事態条項新設を織り込んでいます。

憲法学とドイツ史の2人の学者が、その本質を対談形式で語りあっています。改憲対象は憲法第9条と思われがちですが、緊急事態条項についても改憲発議が十分考えられます。悪夢のような世界はこうして起きる。それをさせないための教養書です。

集英社新書
2017年8月
253ページ
定価:1,012円(税込)