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魅力と働きがいある職場をつくっていこう

全国の自治体で離職や休職が増え続けているもとで、今、働きがいをもって公務労働の魅力をいかすことができる職場や人員体制の確立が求められています。「住民のために働く喜びを伝えたい」「もっと仕事の魅力を発信したい」「一緒にがんばろう」「労働組合で働きがいある職場を実現しよう」と各地の仲間がメッセージを寄せてくれました。

本庁の職場から
住民とつながる仕事 自分自身の成長に

岩手・大船渡市職 佐々木 毬菜さん

大船渡市は、岩手県沿岸部に位置する人口およそ3万3000人のまちです。国の名勝である碁石海岸を有しており、本州一の水揚げ量を誇るサンマをはじめとした海産物が自慢です。また、絶景・海の幸部門で全国一位を獲得した温泉施設や全国的に有名なお土産品があります。

私が在籍する観光交流推進室は、そんな地元の魅力あふれる観光資源を用いて、地域の活性化を図る部署です。私は物産販路拡大事業、産業まつり開催支援事業、観光宣伝誘客事業、広域連携観光振興事業の4つの事業を担当しています。

なかでも、産業まつりに関わる仕事は、自分自身の成長につながる仕事になりました。準備段階で事務作業が遅れたこともあり、先輩たちにサポートをもらいながら最後までやりきることができました。この時の経験を経て、「これからは先を見越して積極的に仕事をしよう」と意識や姿勢の変化がありました。また、まつりの参加者から「楽しかった」「また来たい」と感想が聞けるととてもうれしくなり、「来年も運営に携われるなら、反省を活かしてより楽しいまつりにしたい」と強く思いました。

自治体の仕事は自己成長ができ、とてもやりがいのあるものだと感じます。まだまだ仕事をこなすことで精一杯ですが、経験を積み、住民と地域に還元できるよう新しい挑戦をしていきたいです。

保育の職場から
子どもたちからの手紙は私の大事な宝物です

佐賀・唐津市社協助成会労組 谷口 知穂さん

私の住む佐賀県唐津市は、佐賀県北部に位置し、山に海に川にと自然豊かな自治体で「ここに住んで良かったな」と思えるまちです。そんな唐津で私が働く保育園は、社会福祉協議会で運営しており、本園・分園合わせて15カ園あります。子どもの総定員数と職員数は、ともに県内最大級です。

保育園は、保育士が一人ひとりの子どもと向き合いながら、子どもたちの社会性を育む場所です。私がこの仕事に生きがいとやりがいを感じることは、子どもたちの成長を保護者と一緒に共有し、喜び合えるところ。保育を続けることで見えてくる子どもの変化や成長をじかに感じられるところではないでしょうか。歩けなかった子が歩けるようになる。話せるようになる。そんな成長は素晴らしいものです。そして、文字を書けるようになった子どもたちからもらう手紙は私の宝物になります。保護者の方に「先生が子どもの担任をしてくれて本当に良かった。また来年もお願いしたい」と言われると、これまでやってきてよかったなと思えます。

保育士は大変で、なり手がいないと言われます。そんななかでも子どもを取り巻く環境を良くしようと保育士の配置基準改善を求めて「子どもたちのためにもう1人保育士を!」の運動が全国でひろがっています。全国の保育士仲間のみなさん、ともに手を取り合って今後もがんばっていきましょう!

医療の職場から
患者や家族の笑顔が励み 人員増と手当改善をめざす

神奈川県職労連 井手 智美さん

私が働く神奈川県立こども医療センターは、小児病床(320床)と母性病床(30床)、障害児入所施設(60床)があり、医療と福祉を一体として提供する総合医療・福祉施設です。各担当者が連携して、子どもの発達に則した包括医療と高度医療を提供しています。入院・入所中の子どもたちが通う養護学校もあります。

私は、ハイケア・救急病棟1(HCU1病棟)で働いていて、術後患者や緊急入院・転院患者の受け入れなど急性期看護を行うほか、コロナ病棟としての役割、救急外来の担当もしています。患者・家族にとって大変な時期を過ごす病棟なので処置やケア・気配りなど大変ですが、子どもたちや家族の笑顔を励みにしています。

急性期の状態から回復し一般病棟に転棟できるまでの様子をみていけることや、退院時にあいさつに来てくれたりする時に働きがいを感じます。

しかし、センターでは人員不足のなか、スタッフが協力しあって日々業務を行っています。経営不振を理由に人員は補充されず、手当の見直し提案もされており、労働組合として人員増と手当の改善を求めています。

今年は、執行部の役割を再確認し、組合員を増やすことに力を入れていきたいです。全国で悩みながら働くみなさん、情報交換をしながらがんばっていきましょう!

▲減圧室前で仲間と一緒に 写真左が井出さん

現業の職場から
あきらめずに要求し続け新規採用を勝ち取った

愛媛・松山市職労 那須(なす) 英里(ひでのり)さん

松山市の清掃課に所属しています。松山市は18年ぶりに現業職員の新規採用が実現し、4月から作業員7人と給食調理員3人が配属予定です。

2005年の市町村合併以降、現業職員の新規採用がなく、組合では清掃職場や給食調理場からの「直営維持と技術継承、職員のやりがいと将来に希望を」との思いを、あきらめることなく要求し続けてきました。

自治労連の現業集会に参加したり倉敷市に出向いたりして「現業採用を実現した組合の経験や教訓」を学び、職場で報告。また、東日本大震災や西日本豪雨など全国・県内・市内の災害復旧支援へも積極的に対応し、現業職員のスキルを発揮してきました。こうした活動と職場でのコミュニケーションを積み重ねてきたことで、清掃職場では再任用と会計年度任用職員を含めて職員全員が組合加入しています。先輩組合役員は「あきらめず要求し続けて良かった」「執行委員会や職場で話し合いを続け、組合加入を広げてきたことが実を結んだ」「組合が提案してきた一人暮らし高齢者等の訪問ごみ収集業務の『ふれあい収集』が2023年に全市域で実施されたことも現業採用につながった」といいます。

職場で若手世代の私は新しい採用が始まったので、これまで先輩に教えてもらった技術を後輩に継承していきたいと思っています。

保育の職場から
平和で子どもをまんなかに据える社会にしよう

岡山市職労 若林 正浩さん

保育をひと言で言えば「人間の土台づくり」です。この役目は、とても責任が大きく、重要な仕事です。

乳幼児は言葉が十分に話せない、また理解する力も十分ではありません。子どもたちの思いを汲み取り、一人ひとりの発達要求に応えていくには、確かな専門性や感性などが求められます。当然、自分一人だけでどうこうなるものではなく、同僚や保護者の方と一緒に子どもの成長を見守りながら、共感しあいながらすすめていくものです。それだけに、子どもと通じ合えた瞬間や成長を目の当たりにできた時、また保護者や同僚と一緒に成長を喜びあえた時は、何にも代え難い大きな喜びです。

しかし、子どもを社会のまんなかに据え、子どもをだれ1人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しすることが難しくなっています。子どもや保護者を取り巻く状況は厳しく、貧困や虐待も多く存在しています。まだまだ子育てをしながら働くことは簡単なことではありません。子育て環境や保育の充実は平和な世界や、弱いものが守られる社会があってこそのものです。

私たちの運動で、70年以上変わらなかった保育士配置基準がついに改善しようとしています。これは全国の仲間が力を合わせた結果です。子どもたちのためにみんなで声を上げながら、保育を育てていきましょう。

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