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〔97〕魚に関することならなんでも好き

かがやきDAYS2023年新年号 Vol.590

魚に関することならなんでも好き

岩手・大船渡市職 佐藤 直司(なおし)さん

▲頭骨標本にするため魚屋から購入したマグロの頭をかぶってみました。ギョッ!?

大船渡市役所農林水産部水産課振興係に勤務している佐藤さん。業務に勤しむと同時に、水産学博士として大好きな魚と触れ合う日々をおくっています。佐藤さんにとって魚とは?

運命の出会いは「釣り」

魚のいない生活なんて、考えられません!

魚に関することは、釣りやガサガサ(網での採集)、生体飼育、水中での魚の写真撮影、魚料理、標本作りなどなんでも好きです。

魚を好きになったきっかけは、子どもの頃に始めた釣りでした。釣りでいろいろな魚に出会っていくうちに魚そのものにハマり、中高生の頃は時間さえあれば釣りか水槽をいじっているか、魚関連の本を読んでいるかの毎日でした。その後、水産系の大学に進学し、大学院でも魚を追いかけて、海外の南の国でも魚採りをしていました。

種類、生態…さまざまな魅力にハマる

魚の魅力はズバリ、その種類の多さです。世界には約3万5000種類、日本国内では4600種類以上の魚がいます。これは背骨を持つ動物のグループのなかで最多です。性転換する魚、オスがメスの体の一部になって生殖機能だけが発達する魚、口のなかで赤ちゃんを育てる魚、400年以上生きる魚など、たくさんの種類がいるだけあって、その生態も多様です。

岩手の海や川から500種類以上の魚が確認されており、その顔ぶれが季節によって目まぐるしく変化するのが三陸の海の魅力です。

年中、大船渡を中心とする岩手県内の海や川で魚採りをしたり、潜って魚を観察したり、写真を撮ったりしています。土日や夏休みは県外に、特に千葉県房総の海が好きで、たくさんのタモ網を背負って漁港や潮だまりを徘徊している中年がいたら、それは私です!

子どもたち向けに観察会も

最近は、岩手の海に現れる死滅回遊魚の採集に夢中です。初夏に暖流に乗って南から来る熱帯魚は、三陸の冬は越せずに死んでしまう死滅回遊魚と呼ばれます。特に近年は、地球温暖化による影響で、以前は見られなかった色彩鮮やかな熱帯魚が毎年見られるようになってきました。

魚採りはあくまでも趣味ですが、時には地元の小学校で水槽展示をしたり、子どもたち向けに観察会を行ったり、依頼があれば水族館の展示用や研究用の魚の採集も行っています。

これらをきっかけに魚を好きになる子どもたちがどんどん増えてくれたらうれしいです。

▲佐藤さんが撮影した魚の数々 下段中央は娘さんとマダコ

▲小学校の観察会で講師を務める佐藤さん(左側の男性)