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〔96〕伝統行事で人とのつながりをつくる

かがやきDAYS2022年12月号 Vol.589

伝統行事で人とのつながりをつくる

長野・浅間総合病院労組 小池(こいけ) 晃弘(あきひろ)さん

▲職場での小池さん。診療材料が並んでいる棚をバックに

長野県佐久市野沢地区では、毎年7月の第4週土日に野沢祇園祭が行われています。この祭に祇園囃子として参加し続けている小池晃弘さんに野沢祇園祭への思いをうかがいました。

野沢祇園祭とは

祇園祭は、江戸時代中期に内藤藩(現在の野沢地区)藩主が祇園「素戔嗚命(すさのおのみこと)」を戦の神として信仰厚く崇拝し、2日間領民に祭を許したことから祇園祭と言われるようになりました。

祭は神官により御神体「素戔嗚命」を神輿に移され、町内を御神体を乗せた神輿が練り走り、神社出発と到着を各地区(野沢地区は5地区の集まり)のお囃子屋台が笛、太鼓の囃子で喜び祝う祭であり、1日目は前夜祭とし、町内をお囃子屋台が回り、2日目を本祭とし、神輿、お囃子屋台が町内を回ります。

始めたきっかけ

私は現在、佐久市立国保浅間総合病院事務部総務課に勤務し、用度係にて日々の診療材料の調達や入札、契約業務を行っています。

祭の祇園囃子には、就職した21歳から地元の原地区(5地区のひとつ)で参加するようになり、曲目により横笛、小太鼓、大太鼓を担当しています。

コロナによりここ最近は祭自体が行われないために活動はないのですが、約25年間参加しています。

小学生時代に横笛を習っていたので近所の方に誘われ、興味本位で姉と2人で原区祇園保存会に入ったのが始めたきっかけです。

多くの高齢者と知り合いに伝統行事を盛り上げたい

祇園囃子に参加したおかげで原地区内に知り合い、特に年上の方の知り合いが増えました。おそらく地元原地区内の高齢者の大半は知り合いです。すごいことだと思います。普通にくらしていては、まずあり得ないことです。そんな人とのつながりができる伝統行事をつなげるために保存会があります。

私が保存会に入った当初は60歳未満の方が多く、私も友人を誘い入れ、活気にあふれていましたが、今では新たな入会者も減り、存続が難しい状態です。

町がシャッター街となるなど、生まれ育った町がどんどん閑散としていくのは寂しいことです。せめて祭事は元気に継続していけるようがんばりたいです。

コロナにより、今後の祭がどのような形となるか、あるいはなくなるのではないかと危惧していますが、伝統ある祭を継続し、お囃子もどんどん参加者を募り、盛り上げていきたいと思っています。

▲大人神輿を神社で迎え、無事に到着したことを祝います 

▲神社から出発した大人神輿。町内を回り、お囃子が待つ神社に戻ります