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第67録 妖怪と自然と深大寺(じんだいじ)蕎麦 ゲゲゲの聖地は♪楽しいな

いい旅ニッポン見聞録2022年1月号 Vol.578

生誕百年 水木しげるさんゆかりの地・調布

妖怪と自然と深大寺(じんだいじ)蕎麦 ゲゲゲの聖地は♪楽しいな

東京都調布市

▲境内から見た茅葺屋根の深大寺山門。慶応元(1865)年に大火があったものの、山門はその災禍を逃れました

漫画『ゲゲゲの鬼太郎』『悪魔くん』『河童の三平』の作者であり、妖怪画、妖怪研究の第一人者でもある水木しげるさんは、2022年に生誕百年を迎えます。2015年11月に93歳で亡くなるまで水木さんが50年以上くらしていた調布市は、代表作である『ゲゲゲの鬼太郎』(以下、鬼太郎)にまつわるスポットがたくさんあります。

ロケ地になった深大寺 国宝仏と蕎麦で人気

調布は新宿から京王線で約20分。さらに駅からバス15分ほどで深大寺に着きます。NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(2010年)では、結婚した水木夫妻が調布市に新居を構え、深大寺をデートするシーンが撮影されました。

この深大寺は「釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)」と「元三大師(がんさんだいし)」が安置されています。元三大師は坐像で2メートル近くあり、僧侶の姿をした古像としては日本最大の大きさ。本尊である釈迦如来像は飛鳥時代後期につくられた東日本最古の国宝仏です。2月下旬頃までは、東京国立博物館での展示企画のため、ここでは見られません。

深大寺の境内は広く、寺を取り巻く自然がとても美しく、落ち着きます。湧水の地であったことから蕎麦が名物となり、深大寺周辺には「深大寺蕎麦」を食べられるお店がいっぱい。どのお店も立派な木々に囲まれ、間から鬼太郎たちがひょっこりと顔を出すような気がします。

おどろおどろしくも楽しい鬼太郎茶屋

深大寺門前には2階建て木造の「鬼太郎茶屋」があります。深大寺の自然に囲まれ、瓦屋根や格子窓のちょっとおどろおどろしい、でも懐かしい佇まい。1階はカフェとお土産ショップ、2階は自然を満喫できるデッキと水木さんの妖怪画などを展示した妖怪ギャラリー。屋根には鬼太郎の巨大な下駄や妖怪おとろし、駐車場には鬼太郎カーが駐車してあるという徹底ぶり。カフェ「妖怪喫茶」のメニューも鬼太郎キャラづくしでかわいらしい(写真参照)。クッションや店員の前掛けが鬼太郎のちゃんちゃんこ模様であることにもご注目ください。

調布駅のまわりにも

深大寺だけでなく、調布駅前の「天神通り商店街」にも鬼太郎キャラのオブジェが点在し、駐輪場には妖怪ポストが設置してあるなど、調布は水木ワールド全開。

自身の戦争体験から、反戦漫画を数多く描いてきた水木しげるさん。調布にいると、妖怪を通じ、「お化けは死なない。病気もなんにもない」と命の大切さを訴えたご本人の思いが伝わってくるようです。

▲天神通り商店街のねこ娘と一反もめん

▲鬼太郎とねずみ男のオブジェがお出迎えしてくれる鬼太郎茶屋

▲妖怪喫茶のメニュー「妖怪クリームあんみつ」(600円)と「ぬり壁のみそおでん」(400円)