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憲法をいかす自治体をみんなの力でつくろう

第16回 地方自治研究全国集会 2日目の分科会から

気候危機の抜本的解決と持続可能な地域づくりへ

第2分科会 災害・気候危機と持続可能な地域・自治体

2日目には全部で10の分科会が行われました。

第2分科会「災害・気候危機と持続可能な地域・自治体」は、2部構成で開催しました。

まず第1部では、2018年の西日本豪雨災害で甚大な被害のあった広島と岡山から災害時の状況が報告されました。

「広島県南部だけで8000カ所以上の土石流崩壊が発生した。宅地造成がすすむなか災害対策が追いついていない」(広島県災対連・川后和幸事務局長)、「新成羽川ダムの緊急放流が浸水・洪水につながった。住民から事前放流の必要性が求められた」(岡山県自治体問題研究所・花田雅行事務局長)など、緊迫感ある状況が述べられました。

最後に、全国災対連・秋山正臣事務局長から、「自助」が強調されている国の災害対策の問題点が報告されました。

続く第2部ではシンポジウムが行われ、はじめに、コーディネーターの北海学園大学・上園昌武教授から「2050年CO2排出ゼロでは間に合わない。目標を前倒しし、ボトムアップ型の地域運動で脱炭素社会の構築が不可欠」と提起しました。

4人のパネラーからは、「メディアと視聴者の架け橋になって気候危機課題を広げる活動」(市民)、「エネルギーと農業を結びつける地域活動」(事業者)、「長野・飯田市環境基本条例によるまちづくり」(自治体職員)、「福島の震災復興の現状と海洋放出反対のとりくみ」(労組)と多彩な活動が報告されました。

フランスの実践に学び福祉への理解広げよう

第4分科会 高齢者と障害者を守る社会保障を求めて

第4分科会「高齢者と障害者を守る社会保障を求めて」は助言者に河合克義名誉教授(明治学院大学)を招き、会場参加14人、オンライン25カ所の接続で行いました。

足立区職労・二見清一さんは、新型コロナのパンデミック直面以降の「これからの社会保障はどうあるべきか」という問題提起で「社会保障制度改革で必要なのは公的責任の明確化と人員増などの体制づくりだ」と強調しました。

この提起を受け、医療、高齢者介護、障害福祉分野からレポートの発表で午前を終了。午後は、フランスからオンラインで参加した安發(あわ)明子さん(社会保障・社会福祉研究者)のレポート「フランスの社会保障における公的責任について」。フランスでは老後の蓄えという概念がなく、65歳からは誰でも最低19万9200円の年金が支給されることなどを紹介。「国民一人ひとりの力を引き出すことが国の力」「現場の専門職が『福祉を作り出すのは自分たち』という意識で活動している」と報告しました。

健康推進課の保健師である長野・上田市職労の豊田ちなみさんは「健康には〝予防〟が大切だがワクチンや大変な家庭の支援に忙しく、手がまわっていない。健康的な生活は生活自体が保障されていないとむずかしい」と厳しい現状を語りました。

最後に河合名誉教授が「フランスは福祉の理解を広める努力を相当している。『フランスはすごい』で終わらせず私たちももっと努力しよう」と締めくくりました。

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