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ナゼ?ナニ?自治体DX 住民とともに考えよう

福祉の増進や自治体労働者の労働条件改善になるかチェックを

▲自治労連中央執行委員 板山 裕樹

各自治体で「デジタル化(自治体DX)」に向けた議論や準備がすすんでいるなか、多くの職場で課題や問題があきらかになっています。板山裕樹・自治労連中央執行委員に話を聞きました。

私は草加市役所の財政課で働いています。多くの自治体で過労死ラインの時間外労働を余儀なくされている状況があるなか、草加市でも「デジタル化」で職場の環境改善に結び付くのではと期待の声もあります。私自身、住民福祉の増進や自治体労働者の労働条件改善につながるのであれば大歓迎です。

しかし、政府の自治体DX推進計画の本質とねらいは、一言でいえば「トップダウン方式」です。総務省の手順書にも「首長や幹部職員によるリーダーシップやコミットメントが重要」とされています。地方自治にとって大事な「住民参加」については、パブリックコメントを実施している程度です。住民の権利保障や自治体のあり方に関わるにもかかわらず、職員にも住民にも正確に知らされていません。

職場での学習や自治研活動、議会への説明を通して、問題点を明らかにし、住民とともに考えていくことが重要です。

政府の自治体戦略2040構想でも「将来半分の職員数で担うべき機能が発揮されること」とうたっており、私たちの働き方に多大な影響を与えます。

労働組合として、「デジタル化」を管理運営事項とさせずに、実質的な協議の場に乗せ、定期的に進捗状況を確認することが求められます。

システム標準化対象の17業務

住民基本台帳、選挙人名簿管理、固定資産税、個人住民税、法人住民税、軽自動車税、国民健康保険、国民年金、障害者福祉、後期高齢者医療、介護保険、児童手当、生活保護、健康管理、就学、児童扶養手当、子ども・子育て支援

国が定めた制度に原則として一元化され、地方自治体が独自に行っている上乗せ制度ができなくなる懸念があります。また、マイナンバーカードの活用を前提としており、個人情報の流出も懸念されています。個人情報保護については、これまでの自治体ごとの条例から法律に一本化され、個人情報保護がないがしろにされる恐れもあります。

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