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第63録 日々の喧騒を忘れダイナミックな自然を楽しむ

いい旅ニッポン見聞録2021年8月号 Vol.573

森林浴と温泉を楽しむ雨飾荘

日々の喧騒を忘れダイナミックな自然を楽しむ

長野・小谷村(おたりむら)雨飾山(あまかざりやま)・雨飾荘

▲神々しい信州の山々

雨飾山。歌のタイトルにもなりそうなしっとり美しい名前の山は、長野県北部の小谷村と新潟県糸魚川(いといがわ)市の境、日本海を見下ろす標高1963メートル、妙高戸隠連山国立公園にある日本百名山の一つです。

山頂で祭壇を祀って雨ごいをしたそうで、地元では神の山として敬い親しまれてきました。雨飾山には2つの山頂があり、「猫耳」と言われています。北側の山頂には石仏が並び、南側の山頂には三角点(※)があります。

雨飾山への登山は、糸魚川側からも、小谷側からも片道約4時間程度で、日帰りできる初心者コースですが岩肌にかけられた梯子を上るような難所もあり十分な準備と装備が必要です。

山頂まで行かなくても鎌池(かまいけ)など絶景の見どころがあります。ベストショットをねらって三脚を担いだ写真家たちが山へ向かう姿も見られます。

源泉かけ流しと大自然を満喫

さて、私の目的は登山より温泉! 長野県の秘湯小谷温泉をさらに奥へ。標高900メートルほど、気温もぐっと下がり秘湯感が増すあたりに源泉かけ流しの温泉宿、雨飾荘があります。泉質はナトリウム炭酸水素塩泉でしっとりすべすべ美肌の湯。より解放感を求める人は、宿が管理するすぐ近くの村営の雨飾高原露天風呂へゴー! こちらはブナの原生林に囲まれ、ゆったり浸かれる野天温泉。男女別で、入浴料は清掃協力金として寸志を入れます。

翌早朝、体のすみずみまで浄化されるような空気を吸い込みながら散策すると、登山者がちりんちりんと熊よけの鈴を鳴らして次々に山に入っていきます。「熊を見かけたら、宿に連絡を」だそうですがそんなに冷静でいられるのか…? 実際はこのあたりの熊は人に近づくことはなく、すぐに逃げていくそうです。それよりも多いのは山菜ドロボーだとか。人間が一番恐ろしいのかも…。

手ぶらでも楽しめるキャンプ場もあるので、そちらに泊まって高原露天風呂を利用するのもいいですね。

紅葉の季節はとくに混雑します。コロナ禍後、下調べを十分にしてお出かけください。

※三角点:正確な位置を求める測量を行うために、国土地理院が作った位置の基準となる点。

見聞録メモ
【雨飾荘】住所:長野県北安曇郡小谷村大字中土18926-1/問い合わせ:0261-85-1607/営業期間:4月中旬~11月下旬、冬期は閉鎖
新潟県側の糸魚川市には雨飾山荘・雨飾温泉があり、こちらは山小屋で違う宿ですので注意が必要です。

▲雨飾荘の温泉 外に露天風呂も

▲雨飾荘の玄関

▲野趣あふれる雨飾高原露天風呂