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40冊目 マンガ日本の古典25『奥の細道』

図書館の本棚2021年7月号 Vol.572

40冊目

マンガ日本の古典25『奥の細道』

矢口高雄 著

松尾芭蕉の『奥の細道』を漫画にしたもの。「古池や蛙飛びこむ水の音」などの俳句で有名ですが、旅をする俳諧師芭蕉となる過程はそれほど知られていないのでは。俳諧の才により小姓として出世が見込まれていたのに、主君の突然死で道が閉ざされてしまい、独立した俳諧師として生きていくことになるあたりは興味深い。芭蕉の時代の俳諧は、数人の仲間が集まって五・七・五の長句と七・七の短句を交互に並べて「百韻」(百句詠む)か「歌仙」(三十六句詠む)という共同した文芸でした。

この時期に合うのは「五月雨を集めて早し最上川」か「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」でしょうか。

中央公論新社
2001年4月発行
文庫版304ページ
価格:692円(税込)