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〔77〕病院内コンサートで癒しのひとときを

かがやきDAYS2021年3月号 Vol.568

病院内コンサートで癒しのひとときを

静岡・中東遠医療センター労組 横井(よこい) 怜(れい)さん

▲職場での横井さん

横井さんは看護師歴6年目の27歳。新型コロナウイルス感染者を受け入れている中東遠総合医療センター(掛川市)に勤務しています。

病院では入院患者を対象とする「オータムコンサート」を毎年秋に院内で開催しています。演奏メンバーは主に院内スタッフです。横井さんも当時の師長から誘われ、ピアノ演奏でコンサートに参加しています。

入院時の看護師さんの笑顔がきっかけで医療の道に

横井さんが看護師になろうと思ったきっかけは、小学生時代の入院です。その時、笑顔でやさしく声をかけてくれた看護師さんの姿が心に残りました。両親も持病があり、仕事で親孝行できればとの思いも背中を押し、いつの間にか看護師になっていました。

子どものころから大好きなピアノを仲間とともに

横井さんは3歳の時、音楽教室に通い、ピアノを習い始めました。小学2年生の時には、パリのエコールノルマル音楽院(注)卒の先生に本格的に習うようになりました。看護師を志してもピアノは続けていました。そして、入職したこの病院で再びピアノ演奏の機会が与えられました。

コンサートでは、ソロを2~3曲、サックスやフルート、チェロ、コントラバスなどのセッションで2~3曲演奏しています。

「昨年の『クリスマスコンサート』では、自分の好きなショパンの曲も演奏しました。これからもレパートリーを増やしていきたいと思います」と横井さん。

院内放送で参加できない患者さんへも配信

コンサート当日に来られない患者さんも演奏を聴けるようにと、昨年から「癒しのミュージックRadio(ラジオ)」という企画がスタート。院内の奏者が演奏した録音を毎週金曜日に配信しています。童謡やヒーリングクラシック(癒しのある曲)、ジブリ作品などを選曲しています。

「コロナ患者を受け入れている病院であり、他の病院での院内感染もあって日々不安や緊張を感じています。どうしても気持ちが落ち込んでしまうこともあります。でも演奏中はすべてを忘れ、気持ちのリセットができます」と横井さん。

「演奏を楽しみにしているよ」の声に励まされながら「今後もさまざまな曲を、心を込めてお届けします」と抱負を語ってくれました。

(注)パリにある私立音楽院。フランスで高等教育機関に認定されている唯一の私立音楽院

▲演奏時は全集中です

▲病院スタッフ、コンサートメンバーとともに

▲職場の仲間も応援しています