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第55録 どことなくなつかしく若者文化が根付く高円寺

いい旅ニッポン見聞録2020年12月号 Vol.565

商店街、古着店でにぎわう街

どことなくなつかしく若者文化が根付く高円寺

東京都杉並区高円寺

▲高円寺のシンボルとなった北口の「高円寺純情商店街」アーチ。横断幕でもソーシャルディスタンスを呼びかけています

新宿からJR中央線快速で10分とかからず到着する高円寺。ねじめ正一の小説『高円寺純情商店街』が第101回直木賞を受賞したことで、その名が知れ渡りました。もとの名は「高円寺銀座商店街」でしたが、小説のヒットにより名前を変え、駅北口のアーチは高円寺のシンボルに。南口の「高円寺パル商店街」など、高円寺は昔ながらの商店街が多く、にぎわいを見せています。

古着店がたくさん、お天気の神様まで

高円寺は古着店が多いことで有名な街。歩いているとコンビニよりも古着店が目にとまり、古着店めぐりで訪れたと思われる若者や外国人を多く見かけます。パル商店街にある「BIG TIME」はアメカジ系の洋服を多く扱っている3階建ての古着店。帽子や小物類も置いています。「JuRian」「ガイジン」は女性専門の古着店。「元祖仲屋むげん堂」はインド・ネパール・アジア諸国直輸入衣料雑貨アクセサリー店で、特に目的がなくともお店をのぞくだけで楽しそう。

南口から歩いてすぐの「高円寺氷川神社」は、境内にお天気の神様を祀る「気象神社」があります。鳥居をくぐると「脱雨女」「大親友の結婚式が晴れますように」などと書かれた下駄の形をした絵馬やてるてる坊主がいっぱいで和みます。

グルメもなかなかディープです

高円寺は特にカレー店がバラエティ豊か。「インド富士子」という不思議な名前のお店は8席のカウンターのみ。チキン、マスタードフィッシュ、ダル(豆)の3つから2種(1000円)ないしは3種(1200円)を選びます。カレーはなかなかスパイシーなので、甘みのあるダルカレーや、バスマティライスにトッピングされた副菜と混ぜて食べるのもいいでしょう。

南口駅前の洋菓子店「トリアノン」は1960年から営業する老舗。併設された喫茶店での人気メニューは「喫茶店のプリンアラモード」。銀の器にフルーツのクラシカルな盛り付けが昭和レトロでなつかしい。パフェ、ナポリタン、カレーなども楽しめ、終日お客さんがいっぱいです。

最後に、“中央線あるある”をひとつ。土日・祝日にJR中央線快速に乗ると高円寺を通過してしまうので総武線でどうぞ。一度体験すれば次は間違えません。

▲高円寺パル商店街にある古着店「BIG TIME」。木目の外観で入りやすい雰囲気があります

▲「トリアノン」のプリンアラモード(803円)

▲「インド富士子」のチキン(左)&ダル(右)2種盛りカレー