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第54録 いつまでも留まりたくなるステキな街、久留里

いい旅ニッポン見聞録2020年11月号 Vol.564

懐かしい「あの日の街かど」あり⍁

いつまでも留まりたくなるステキな街、久留里

千葉県君津市、城下町久留里

▲久留里のシンボル「久留里城天守閣」

房総半島の中央に位置する久留里(くるり)は、中世から近世まで続いた久留里城の城下町として栄えました。現在も、土蔵や時代劇に出てきそうな商家が残り、往時の賑わいをしのばせます。

久留里散策はJR久留里駅前にある久留里観光交流センターからスタートしてみましょう。周辺の観光情報や散策マップなどが入手できるほか、ボランティアガイドの予約もできます。

久留里城址資料館、天守閣

房総の名城として名高い久留里城は、安房の国から進出した里見氏の居城として知られ、完成後、雨が続いたことから、別名「雨城」とも呼ばれます。登城道は舗装されていますが、なかなかの坂道。息を切らして登りきると、君津市立久留里城址資料館に到着します。ここでは、久留里城の歴史や、君津地方発祥とされる井戸掘り技術「上総掘り」の展示などがあり、久留里の歴史を学ぶことができます。

資料館から遊歩道をさらに5分ほどすすむと天守閣です。房総の山並みと麓の里が望める絶景スポットで、坂道でかいた汗も一気に吹き飛びます。11月下旬から12月上旬は紅葉も見事です。

懐かしさに包まれて

久留里駅前の商店街には、城下町の雰囲気に加え昭和の雰囲気も漂い、「あの日」の懐かしさにひたることができます。

街なかで気がつくのは、あちこちにある井戸。久留里周辺は房総の地形と地質の関係から自噴の井戸が数多くあり、清らかな水は環境省「平成の名水百選」に選定されています。

この自然の恵みを生かし、久留里駅周辺には4軒の酒蔵があります。それぞれ特徴のあるおいしいお酒で、好みのお酒を探す酒蔵めぐりも楽しいですよ。

お酒が苦手な人には、カフェめぐりがおすすめ。昔の旅館の建物を活かした個性豊かなカフェが複数あります。

のんびり時間を楽しんで、他にも江戸時代から伝わるクロモジの木を使った手作り楊枝体験ができたり、周囲にはキャンプ場も多数あったりとインドアからアウトドアまで、日頃の忙しさを忘れ、のんびりとした時間を満喫できます。

「久しく留まる里」と書いて久留里。いつまでも滞在したくなるステキな街です。

見聞録メモ
久留里観光交流センター
0439-27-2875
久留里城址資料館
0439-27-3478

▲煙突のある酒蔵。どの酒蔵も銘酒ぞろいです

▲個性豊かなカフェ

▲街のあちこちに名水が湧いています