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第51録 2.6キロの散歩で大阪らしさを満喫

いい旅ニッポン見聞録2020年7月号 Vol.560

さまざまな顔がある商店街

2.6キロの散歩で大阪らしさを満喫

大阪市・天神橋筋商店街

▲人通りが戻りつつある天神橋筋商店街(天2)

大阪自治労連が入居する大阪グリーン会館のある天神橋筋商店街は、日本一長い商店街として知られています。その長さは南北約2.6キロ。

この辺りは、江戸時代より「天下の台所」と呼ばれ、流通や金融の全国拠点として大阪の商業発展の窓口となった地域です。そして、大阪天満宮の門前町としても栄えてきた地域です。

天満宮と繁昌亭

商店街は南端の1丁目(天1)から北端の6丁目(天6)まであり、それぞれ商店街組合が組織されています。少しずつ雰囲気が違い、立ち寄りたくなる場所がたくさんあります。

天2商店街には「てんじんさん」の名で親しまれ、菅原道真公が祀られている「大阪天満宮」があります。日本三大祭りのひとつである天神祭でも有名で、毎年7月25日までの約1カ月間にわたり諸行事が行われます。25日の本宮の夜には船渡御(ふなとぎょ)が行われ、奉納花火が打ち上げられます。残念ながら今年はコロナ禍で奉納花火等は行われず、関係者による神事のみが行われる予定です。

大阪天満宮のすぐ横には「天満天神・繁昌亭」があります。戦争で上方落語の定席は消失していましたが、多くの寄付によって2006年に天満宮用地に復活しました。大阪自治労連も協力し、名前入り提灯がかかげられています。コロナ禍で休館中でしたが、7月1日から再開。客席は、前後や隣との距離を確保できるよう半減させ、市松模様に座って聞く方式になっています。

カオスな4番街

しばらく北へ歩くと、天4に出ます。他の商店街組合は「○丁目」と表記するのに、この地だけは、なぜか「4番街」と表記。全国チェーン店から小さいオッサンが一人で営むお店まで、まさにカオスなエリアです。安くておいしいお店が集まり、大阪らしさがあふれています。「4番街」というネーミングには苦労されたようですが、このエリアにはピッタリな名前です。

じっくり歩くと一日がかりの商店街。コロナ禍が落ち着いたらぜひ歩いてみてください。

▲普段のにぎわいがなかった4月の商店街(天1)

▲アーケードにかかげられているバナー