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〔67〕最高レベル・最高峰の試合でジャッジ! 国際審判員

かがやきDAYS2020年4月号 Vol.557

最高レベル・最高峰の試合でジャッジ! 国際審判員

山口・宇部市職労 古川(ふるかわ)裕宗(ひろのり)さん

▲第100回夏の甲子園(2018年)にて、タイムを宣告する古川さん

保育幼稚園学童課に勤務する古川裕宗さんは、自治労連全国スポーツ大会で、宇部市役所野球部を3度の優勝と3度の準優勝に導いたメンバーの一人です。

なかば強制? 国際審判員への道

古川さんは「アマチュア野球公認国際審判員」の資格を持っています。8歳から「少年野球スポーツ少年団」に入り、彼の父も野球好きで、地域で審判員をやっていました。父の審判仲間からはいつも「審判をやれよ」と言われてきたと言います。本人曰く「野球で世話になっている。半ば強制的。そういう世界」だそうで、彼もまた市役所入所と同時に審判員を始めました。

2015年になって「アマチュア野球審判ライセンス制度」がスタートし、試験にパスして見事1期目の国際審判員となりました。現在でも、国際審判員は全国で30人程度。中国地方には古川さん1人しかいないそうです。

資格を有してからは、2016年「U15アジア野球選手権」、2018年「第100回夏の甲子園」と直後の「U18アジア野球選手権」、また、都市対抗野球大会、日本選手権でも審判を務めました。U18の吉田輝星、根尾昂らプロとなった何人かの名前を挙げ、「見た」と言います。古川さんはダイヤモンドのなか、選手の真横でプレーを見て、ジャッジしているのだと想像すると羨ましく思えてきました。

日本審判団の心温まる習慣

国際審判員をやって気づいたことは、「日本でやっている野球は当たり前じゃない。カルチャーショックじゃった」、「アジア大会参加国の力の差は歴然。野球の歴史が浅く、ユニフォームやスパイクもそろっていない。球場はなくて広大な広場に線を引いてプレーしている。審判員も道具が高くてそろえられない」と話します。そして国際試合の後に「自分の道具や仲間から集めた遊休品をプレゼントしている。日本の審判団の習慣なのだ」と熱弁を振るいます。

ところで海外に行って審判したのかと聞くと、「日本語と宇部弁(方言)の2カ国語しかしゃべれんけぇ行ったことはない。駅前まで留学したけど休学中なんよ」と照れ笑い。野球シーズンは3月~11月。土日はほぼ家におらず平日は夜遅くまで残業。妻や娘とはLINEで話し、今は飼い始めたワンちゃんが共通の会話だとか。輝きながらもどことなく哀愁を漂わせる古川さんでした。

▲2001年の「自治労連第12回全国スポーツ大会」で宇部市職労チーム代表としてあいさつ

▲職場では夜遅くまで残業をしています