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第46録 生活基盤・観光資源として330年の歴史

いい旅ニッポン見聞録2020年2月号 Vol.555

毎週開催 土佐の日曜市

生活基盤・観光資源として330年の歴史

高知県高知市

▲1日に1万7000人が訪れる日曜市。県外からの観光客が年々増えています

土佐藩が開いた街路市

高知城おひざ元の高知市本町の追手筋の通り約1・3キロに400店舗以上が並ぶ「日曜市」。早朝から買い物をする声が聞こえてきます。高知と言えば柑橘類。庭先で採れたであろう小ぶりのものから、市場に出している上等品もありました。野菜や果物を売っている店のおじいちゃん、おばあちゃんからも「安いよ」「おいしいよ」と声をかけられます。年始と8月の「よさこい祭り」期間を除く毎週日曜日に開催され、新鮮な野菜や果物から、包丁などの金物、花や植木などが売られています。

街路市が開設されたのは元禄3(1690)年。土佐藩第4代藩主の山内豊昌が元禄3年3月に藩法「元禄大定目」を制定。そのなかの市町定に「市日、毎月2日・17日朝倉町、7日・22日蓮池町、12日・27日新市町、此定日先規之通、市之商売不可有相違事」と書かれています。そして、明治9(1876)年に日付から曜日開催に変わり、場所も移して今の形となりました。

住民の声で守ってきました

また、金物や工芸品を並べている店も多く見かけます。銅線を編み込んでつくったカゴを売っている女性は「昔は別の方がやっていたんですけどね。その方が亡くなって誰も後継者がいなくて。今では私だけ」と少しさびしそう。「銅は殺菌性が高いから重宝するよ」の後押しで、お土産にひとつ購入しました。

にぎわいを見せる日曜市ですが、昭和30年代後半に自動車の普及に伴い交通問題も発生し、日曜市の移転問題が議論を呼びます。しかし、追手筋での存続を求める声で存続が決定。また昭和40年代にも再度廃止の声が上がりましたが、市民生活に定着していることや「観光資源として生かすべき」との声に、日曜市は守られてきました。現在、出店者の高齢化や後継者不足などが課題です。

高知市には、日曜市の他に高知市上町の火曜市、百石町での水曜市(私設市)、県庁前での木曜市、愛宕町でも金曜市が開かれています。どれも100年近く歴史があり、近隣住民の生活に欠かせません。これからもずっと続けてほしいと思います。

見聞録メモ
開催日時:1月1~2日、8月10~12日を除く毎週日曜日 4~9月は午前5時~午後6時、10~3月は午前5時30分~午後5時
【問い合わせ】
高知市産業政策課 088-823-9456

▲銅線の工芸品づくりを見せてもらいました

▲同じ野菜でも農家によって表情が違います

▲金物店もたくさん出店