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第45録 昭和レトロと『キャプテン翼』 人情味あふれる立石の魅力

いい旅ニッポン見聞録2020年新年号 Vol.554

葛飾は「こち亀」だけじゃない

昭和レトロと『キャプテン翼』 人情味あふれる立石の魅力

東京都葛飾区立石

▲南口駅前の立石仲見世商店街。総菜屋や居酒屋などが狭い通路に並んでいます

2020年は東京オリンピック以外にも、箱根駅伝創設100周年や北陸新幹線開業5周年など、さまざまな記念の年。そしてトミカ発売開始50周年でもあります。トミカは1970年に発売された、国産車のミニチュアカー。また、トミカと組み合わせて遊べる鉄道玩具・プラレールも2019年に60周年を迎えました。

トミカ、プラレールを誕生させたタカラトミー本社(発売当時「トミー」)の最寄駅である京成電鉄の立石駅構内では、60周年を記念した「けいせいたていしプラレール駅」が昨夏より開業中。家族連れはもちろん、子どもの頃にプラレールで遊んだ大人たちが懐かしそうに記念撮影する姿もありました。設置は今年の夏まで続く予定です。

「キャプつば」キャラの銅像がいっぱい

立石駅と隣の四ツ木駅周辺には人気サッカー漫画『キャプテン翼』(愛称「キャプつば」)の登場人物の銅像が点在しています。

原作者・高橋陽一さんは葛飾区四つ木出身、主人公の大空翼が小・中学時代を過ごした「南葛(なんかつ)市」は、高橋さんが卒業した立石の都立南葛飾高校にちなんで名づけられたもの。葛飾区のホームページから「銅像めぐりマップ」がダウンロードできます。銅像は全9体、ゆっくり散策して1時間程度です。

立石駅南口から一番近い立石一丁目児童遊園にはヒールリフトする翼の像があると知り、行ってみると近所の住民のみなさんが台座に荷物を置いて談笑中。近づくと「写真撮る? ここに高橋先生のサインがあるんだよ」と男性が荷物をどけて教えてくれました。銅像周辺には常に人が集まり、住民たちのコミュニケーションの場になっているようです。

にぎわう飲み屋街と商店街、一方で再開発も

立石と言えば「せんべろの聖地」とも言われています。「せんべろ」とは「千円でべろべろに酔える酒場」のこと。北口の細路地奥にある「呑んべ横丁」、南口駅前の「立石仲見世商店街」が有名です。

仲見世商店街は、ひじきやかぼちゃの煮つけなどを100グラム単位で量り売りする総菜屋、14時開店のもつ焼き屋などが狭い通路に立ち並び、昭和レトロな雰囲気を盛り上げています。

その一方ですすめられているのが立石駅周辺の再開発事業。老朽化した建物の密集や狭い道路など防災面に課題があるため、葛飾区が防災性を向上させるまちづくりをめざすとしています。工事着手は2021年度の予定。新しい立石になっても立ち話をする店員と客の笑い声が聞こえるような立石らしさはぜひ残してほしいと思います。

▲けいせいたていしプラレール駅。自動改札機が設置され、トミカも動いています

▲立石駅南口の看板

▲ヒールリフトする翼の銅像(立石一丁目児童遊園)