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「都構想」やっぱりアカン!みんなで大阪市守ったで

市民と思いひとつにし勝利 大阪自治労連 大阪市労組

▲どの地域でも関心が高く、市民との対話がすすみました

「大阪市廃止・特別区設置」を大阪市民に問う住民投票が11月1日に行われました。「大阪市をなくさないで」の市民の声と共同が大きく広がり、2015年の住民投票に続いて否決されました。今回の住民投票をめぐる職場や住民の思い、たたかいの教訓について、大阪自治労連の有田洋明委員長と大阪市労組の井脇和枝委員長に話を聞きました。

仲間と抱き合い存続の喜びに涙も

―住民投票で大阪市廃止が否決された瞬間の様子を教えてください。

井脇 最後の1週間は「負けたらどうしよう」と眠れませんでした。
開票が始まるなか、大阪自治労連の事務所に駆けつけました。報道では賛成がリードしていたので、しんどくて。でも否決が確定した瞬間、「勝ったー!」と仲間と抱き合って泣きました。

有田 私も結果を見て本当にほっとしました。ほかの自治体にも影響があり、とても注目された住民投票でした。

「大阪市をよくしてほしい」が市民の本当の思い

―大阪市廃止をめぐって、地域や職場ではどんな声を聞かれましたか。

井脇 職場には大阪市廃止されたらどうなるのか、何も知らされていませんでした。多くの職員は不安でいっぱいでした。私は保育士なので保護者とも対話になりましたが、「賛成反対どちらのビラを見てもわからない」というのが市民の率直な思いです。

有田 今回、5年前の住民投票とはまったく違い、説明会は8回(前回39回)だけ。しかも賛成の一方的な内容。住民のほとんどが迷っていました。宣伝中に若い人から「詳しく教えてほしい」と質問されましたし、「友人に配りたい。ビラが欲しい」と声をかけてくれる市民もいました。また、廃止賛成の市民ともよく対話になり、なぜ賛成なのかと聞くと「大阪市が良くなるから」「二重行政がなくなる」と返ってきます。それは「大阪市によくなってもらいたい」との共通の思いがわかり、こちらの訴えが共感につながったからだと思います。「廃止反対」だけを訴えるのではなく、ほんまの対話をすすめてきたのがポイントでした。

井脇 仲間が地域宣伝をするなかで、市民から「よう来てくれた。反対の声聞けて良かった。もっともっと宣伝して」と声をかけられて励まされたと私も聞きました。

労働組合の力で声をあげられる職場へ

―自治労連の全国の仲間からの支援について

井脇 大阪自治労連の仲間をはじめ、全国から我が事のように支援していただきました。街頭で「大阪市廃止を絶対に許してはいけない。自治体が崩壊する」と愛知の仲間が切実に訴える姿に、大阪市労組の組合員も「全国から応援に来るってすごいな」と感動していました。

有田 コロナ危機のなか、たくさんの仲間に支援していただき感謝しています。投票日前日に全戸ビラ7万枚を撒き切った快挙と組合の力に私自身も改めて驚きました。

―これからの課題は?

有田 住民投票で結果が出たにもかかわらず、大阪維新は大阪市を骨抜きにする「広域行政一元化」「総合区設置」の条例化をねらっています。これは大阪維新の焦りです。住民投票で負けていたら、全国の自治体に波及していたはずです。最終的には道州制のような地方自治を解体する動きに歯止めをかけなくてはいけません。

井脇 条例について職場では「何のために住民投票したんや」と住民投票での喜びが怒りにかわっています。今回の経験を通じて、大阪市を良くしたいのに「声を上げられない職場の雰囲気」のおかしさを職員も感じています。
今こそ、職員の権利を縛る職員基本条例を見直すとりくみをすすめたい。また、対話するなかで「住民サービスを受けていない」という市民の率直な声を聞いた時、「支援が行き届いていない。もっと充実させたい」と思いました。そのためには「維新市政に終止符を打つことや」と決意を固めているところです。

有田 みんなの声をまとめて、全体に伝えることができるのが労働組合です。住民とともに労働組合の力をさらに発揮していきたいと思います。

▲取材に応じてくれた大阪市労組の井脇和枝委員長(左)と大阪自治労連の有田洋明委員長

▲全国の仲間が「大阪市なくすな」と支援にかけつけました

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