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いのちの〝とりで〟守ろう 広がる住民との共同

地域に出てアンケートとヒアリングを実施 静岡自治労連

▲ヒアリング調査をお願いすると快く答えてもらいました(写真は6月調査)

昨年9月に厚生労働省が公表した、病床数削減を目的とした「地域医療構想」による「公立・公的病院の再編統合リスト」は、コロナ危機によって抜本的な見直しが求められています。静岡自治労連は、地域医療を守るとりくみとして、リストで名指しされた共立蒲原(かんばら)総合病院と市立湖西(こさい)病院について、地域労連の仲間や研究者、市民団体とともに住民アンケートを実施しました。

「再編・統合すべきではない」の声多数

6月27日、静岡市・富士市・富士宮市の3市で運営されている共立蒲原総合病院について、地元の市民団体「蒲原病院をよくする会」と共同で1000枚の住民アンケートをポスティング。住民にヒアリングすると「個人病院がどんどんなくなり、蒲原病院までなくなったら困る」など不安の声が出されました。

408枚の回答が届き、三重短期大学の長友薫輝教授に分析を依頼し結果を冊子にまとめました。蒲原病院の受診理由について「自宅・職場から近い」287人、「公立病院だから信頼できる」167人、「医師・看護師などの対応がよい」94人と、通いやすさだけでなく、公立病院への信頼の高さが示されました。

また、蒲原病院について「再編・統合はすべきではない」216人(52.9%)、「地域医療が後退しない形で」104人(25.5%)となり、2つ合わせると地域医療の維持を願う声は80%近くになりました。

地域医療を守る決意を新たに

蒲原病院の西ヶ谷和之院長へ9月11日、アンケート結果を報告。西ヶ谷院長からは「たいへん心強い、蒲原病院を残してほしいという住民の強い意識を感じた」「当院も存続に努力していく」と発言。地域医療を守る決意を共有しました。

今後は、地域や自治会、「地域医療構想」調整会議へこの結果を知らせ、蒲原病院を守る共同を広げていきます。

病院存続求める声がモチベーションに

さらに湖西市の市立湖西病院についても11月3日、アンケートのポスティングを実施。住民ヒアリングでは、湖西病院について「内科を受診したが対応がよかった」「救急・夜間の実施は助かる」など地域に根ざした医療が好評でした。

再編・統合については、湖西病院が再編統合リストにあがっていることを知らず、驚く住民が多く、「夫が週2回通院している。湖西病院がなくなったら困る」「再編・統合でなく、もっと充実させてほしい」など病院存続を求める声が多く出されました。

行動に参加した湖西病職労の仲間は「住民の生の声が聞けてよかった。改善点を伝えてくれたり、応援してくれる人もいて、良いモチベーションになった」と感想を寄せました。

湖西市での調査結果も分析でき次第、多くの住民に知らせる運動をすすめていきます。

▲共立蒲原総合病院(右)へ調査結果を報告する静岡自治労連と蒲原病院をよくする会

▲11月に行われた湖西市でのヒアリング調査

▲たくさんの労働組合の仲間と市民団体の共同で調査が行われました(写真は11月調査)

▲蒲原病院をよくする会との共同アンケート結果より

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