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第36録 横手市増田まんが美術館 2019・5・1 リニューアルオープン!

いい旅ニッポン見聞録2019年3月号 Vol.544

日本のマンガ文化の拠点施設に

横手市増田まんが美術館 2019・5・1 リニューアルオープン!

秋田県横手市

▲「増田のまちなみ」に隣接し、グレーを基調とした外観は景観にも配慮されています

マンガ原画の収蔵と保存・活用…日本を代表する文化施設に生まれ変わります。

秋田県未来づくり協働プログラム横手市プロジェクトで大規模改修工事を行った「横手市増田まんが美術館」(以下、美術館)が、5月1日のリニューアルオープンに向けて、着々と準備がすすめられています。

美術館はこれまで、生涯学習の複合施設「増田ふれあいプラザ」の一部に設置されていましたが、今回の大規模改修工事で全館美術館となりました。

マンガは日本を象徴する文化として、今や世界中から注目を集めており、その原画の価値は計り知れないものがあります。同時に原画そのものが浮世絵のように海外へ散逸してしまう可能性もあり、すでに諸外国ではマンガ原画の収集もすすめられています。

このようななか、2015年に横手市増田出身の漫画家・矢口高雄氏が生涯をかけて描いたマンガ原画約4万5000枚が横手市に寄贈されました。これをきっかけに横手市は、市民の文化意識の醸成、マンガ文化の振興並びにマンガ原画の保存継承、さらにはマンガ文化をまちづくりに活用するという目的のもと、この事業にとりくみました。

美術館には現在、国内外あわせて183人の漫画家の原画、約20万枚が収蔵されています。国内にはマンガ関連施設が数多くありますが、そのほとんどは漫画家個人の記念館的施設が多く、この美術館のようにこれだけ多くの漫画家の作品を一度に鑑賞できる施設は、国内でも類を見ないと言われています。

また、マンガ雑誌や単行本も数多く取りそろえ、敷地内であればどこでも自由に読めるよう工夫していきます。

建物の外観の色彩はグレーを基調とした三色で、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている「増田のまちなみ」とも隣接していることから、景観にも配慮した色遣いとなっており、「まちなみ」と合わせた一体的な観光拠点としても期待されています。

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<常設展示室用収蔵>
枚数515枚
赤塚不二夫『天才バカボン』、石ノ森章太郎『仮面ライダー』、手塚治虫『鉄腕アトム』、田河水泡『のらくろ』、ちばてつや『あしたのジョー』、モンキー・パンチ『ルパン三世』など

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<大規模収蔵>
矢口高雄『釣りキチ三平』約4万5000枚、高橋よしひろ『銀牙―流れ星 銀―』約4万枚、能條純一『哭きの竜』約1万7500枚、小島剛夕『子連れ狼』約6万2000枚など

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▲正面入口に配置された総合案内カウンター

▲「マンガ文化展示室」ではマンガ文化や美術館のとりくみを紹介

見聞録メモ
バス:JR十文字駅~増田方面行きバス(岩井川線または横手・小安線)四ツ谷角下車徒歩8分
バス料金:片道250円
所要時間15分、運行間隔30~60分