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3冊目 「維新革命」への道 「文明」を求めた十九世紀日本

図書館の本棚2018年3月号 Vol.532

[新シリーズ] 3冊目

「維新革命」への道 「文明」を求めた十九世紀日本

苅部 直 著

「明治150年」にあたり各地で記念イベントが企画されている今年、明治維新を考える1冊。

本書は「19世紀日本の思想の見取り図を示す」本です。明治維新は「維新革命」といえる大きな変化であったとしつつ、「文明」に向けた多様な思想が江戸期に育まれており、それが明治の「文明開化」の土台となったことが示されます。江戸と明治を含む「19世紀」という長期の視点で、1868年の「断絶」だけでない、19世紀を通じて日本の思想と社会に起こった変化が描かれます。

時代や社会が変化していくときの多様な側面について考えさせられる本です。

新潮選書/新潮社 2017年 四六判変型・286頁 定価:1,300円+税