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第5録 秘湯・松川温泉から「雪の回廊」へ

いい旅ニッポン見聞録2016年5月号 Vol.510

岩手県八幡平(はちまんたい)市

秘湯・松川温泉から「雪の回廊」へ

四季の八幡平めぐり
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▲雪の回廊

 盛岡駅から車で北に約1時間半。豊かな森、湿原、渓谷、温泉が集中する八幡平国立公園。

 春の雪解けとともに八幡平の沼や水辺には水芭蕉が咲き、夏にはブナやナラの原木の緑の葉に覆われます。秋には山頂付近から徐々に、鮮やかな紅葉が山を美しく染めていきます。冬はスキー客でにぎわいます。

 秘湯・松川温泉は標高850メートルのところにあり、車で登っていくと温泉の硫黄の香りがしてきます。松川温泉には4軒の温泉宿があり、松川荘はその一つ。すぐ隣に日本初の松川地熱発電所(1966年運転開始)があり、その電気・蒸気を利用して館内の暖房、給湯、宿周辺の融雪に利用しています。さらに松川地熱発電所の蒸気はパイプラインでふもとの八幡平温泉郷の温泉施設、ペンション、別荘などに利用されています。

 松川荘の湯は源泉100%かけ流し、乳白色の熱めの湯が身体を芯から温め、肌をすべすべにしてくれます。効能は神経痛、関節・筋肉痛、皮膚病、水虫、アトピーなど。

 温泉は内風呂の大浴場と、女性専用露天風呂、露天風呂があります。今の時期であれば新緑を眺め、松川渓谷の川のせせらぎを聞きながらリラックスタイム。春は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、お湯につかりながら八幡平の四季の変化を楽しむことができます。

 また、露天風呂の入り口付近に「たまごの館」があり、持参したたまごを熱い温泉の湯に入れると温泉たまごのできあがり。そのたまごを食堂に持ち込むこともOK。

 松川温泉から車で観光道路「樹海ライン」を抜けて八幡平頂上に向かうと、山頂付近で「アスピーテライン」に合流します。4月中旬から高く積もった雪の除雪が始まり、そのコースは「雪の回廊」として観光スポットになっています。高いところでは雪の壁が5メートルほどになりその景色は圧巻です。ちょうど5月のゴールデンウィークには県内外から多くの観光客が訪れます。山頂に行く途中、標高1400メートル地点で東北最高地の秘湯・藤七温泉に寄ることもできます。

 八幡平は盛岡駅からバスでも行けますが、温泉巡りをしながら楽しむのであればレンタカーが便利です。

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▲水芭蕉群
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▲松川荘の露天風呂