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〔7〕裏方の仕事に働きがい

かがやきDAYS2014年11月号 Vol.492

学校運営をスムーズに
裏方の仕事に働きがい

沖縄公務公共一般浦添支部 又吉節美さん 當間利江子さん 富本邦子さん
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▲写真左から、又吉節美(またよしせつみ)さん、當間利江子(とうまりえこ)さん、富本邦子(とみもとくにこ)さん

 12年前、沖縄県浦添市の小中学校で働く用務員に教育委員会から突然、半数の7人を雇い止めにする話が浮上しました。あまりに突然の話に「何とかしなければ」と知り合いなどに相談し、自治労連沖縄県事務所(以下、県事務所)にたどり着きました。

 県事務所と相談して、労働組合を結成し、教育委員会に雇用継続を求めて教育長を相手に団体交渉を行いました。その結果、雇い止めを事実上撤回させ、身分も全員、臨時職員から嘱託職員とさせ、賃金水準アップなど勝ち取りました。当時を振り返って當間利江子さんは「労働組合をつくることによって雇用継続ができたことに驚きました」と語ります。

 その後も組合では祝日の振り替えや「3年上限」などの問題が起きるたびに、毎年2~3回程度、教育委員会と交渉を重ねた結果65歳まで働けるようになり、休暇制度など少しずつ改善させてきました。さらに、用務員の時間内研修も要求し、今では年1~2回程度の時間内研修が開催できるようになりました。研修内容も自分たちで相談しながら決めているそうです。富本邦子さんは「用務員は1人職場なので研修を行うことで情報交換の場となり、役立っています」と言います。

 組合結成当時のことを知らない若い用務員が増えるなかで「自分たちの要求を前進させるためには組合員を増やさなければ」と各学校の用務員を訪問して機関紙『用務員だより』で働く仲間を紹介しているそうです。「訪問した時は各学校の用務員の悩みや相談を聞くように心がけています」と又吉節美さんは言います。

 いまの課題は、11年以上も据え置かれたままの賃金の大幅引き上げや、退職一時金を支給させることです。また教育委員会は、嘱託職員が退職した後、3年間で雇い止めできる臨時職員を補充するようになったため、自分たちと同じように嘱託職員として継続して働けるように要求しています。

 現在、3人は支部での組合活動とあわせて沖縄公務公共一般の役員として他の職種の仲間と一緒に活躍しています。用務員の仕事について「裏方として働くなかで学校運営がスムーズにいくことが働きがいです」と笑顔で語ってくれました。

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▲時間内研修で新しい輪転機の使い方の講習を受ける