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台風15号被害から住民の安全を守るため緊急時にも対応できる人員と設備を

千葉・君津市職

▲倒木や雨で壊れた家財やアンテナ、屋根瓦などが回収されました

9月の台風15号よる家屋倒壊などの被害は、大規模停電もともなって住民生活に大きな影響をもたらしています。停電の被害が続く千葉県君津市の清掃センターで災害復旧と通常業務に奮闘する仲間を取材しました。連日の忙しい作業のなか、被災直後の様子や直営の重要性を語ってもらいました。

清掃工場の機能低下を乗り越えて

君津市内の送電線の鉄塔2基が倒壊し、9月11日朝時点で45万戸が停電。君津市直営の清掃工場も停電し、主要な道路も倒木の被害で通行止め、職員の集合が困難となりました。

電気は復旧せず、その間は発電機で対応。「発電機は工場に1つしかなく、シャッターの開け閉めや、事務室、食堂やトイレを使う時間を決めて、順番に発電機をフォークリフトで移動させました。それでも破砕機などは動かせないので、2日間はゴミの受け入れができず、身動きが取れませんでした」と三上正彦さん(君津市職)は振り返ります。「計画停電が実施されたときに購入していてよかった。もう1つ必要だと感じた」と話します。

工場前に行くと災害ゴミを積んだトラックや乗用車で長蛇の列。定休の日曜日も臨時対応し、休みなく稼働しています。そのため三上さんは「職員も疲労がたまっている。もっと人員が欲しい」と訴えます。

想定以上の事態に「だからこそ直営」

「この間、市では防災計画の素案を作成しているところでした。停電と倒木は想定以上の被害でしたが、それでも素案があってよかった」と栗坂達也課長。「今は停電が復旧した地域と、山間部など停電や倒木などの被害が続いている地域があり、災害ゴミの対応と通常の収集の両方があり大変です」と引き続く復旧と日常業務に疲労がにじむ表情でした。

厳しい状況のなかですが、2人とも口をそろえて「直営で本当によかった。直営だからこそ対応できた」と最後に笑顔。「緊急時に重機とそれを扱える人員がもっと必要です。まさに『人と道具を』です」と全国へのメッセージを話してくれました。いまこそ、防災復旧を可能とする、公務職場における人員体制の充実が求められています。

▲災害ゴミも分別し各業者へ引きわたして受け入れ体制と場所を確保します

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