メニュー

組合と住民が協力して要求前進

国際シンポジウム 海外代表の発言より

▲日本からは「水事業の民営化」と民営化阻止のとりくみ、静岡・島田市での包括委託撤回の成果、埼玉・春日部市学童保育の指定管理受託者の撤退による解雇闘争が会場から報告されました

賃金カット撤回させ介護施設閉鎖も阻止

イギリス

私たちは、イギリスとアイルランドにおける最大の労働組合であり、地方自治体で働く8万人と自治体関連で働く5万人の組合員がいます。

私が働くサウサンプトン市では、2011年に保守党主導の市議会が5%の賃金カットと昇給凍結を決定。当局は、約4500人の職員をいったん解雇し、新たな労働条件で再雇用しました。

地域の労働組合とともに波状ストライキにとりくみ、1000人以上が当局を提訴。街頭や地域社会で大規模なキャンペーンを行い世論の支持を勝ち取り、すべての賃金カットを撤回させました。

また、2018年に、職員と組合に協議がないまま、認知症の人々のための居宅介護施設の閉鎖を一方的に発表しました。

マスコミや地域にむけて、大々的な社会的、政治的キャンペーンを展開し、施設の存続を勝ち取り、雇用を保証させ、すべての入居者の施設を確保しました。私たちは決して無力ではありません。

▲元・市職員(電機技士)で組合の専従として20年間活動するマーク・ウッドさん
ユナイト・ザ・ユニオン 全国執行委員

最低時給15ドル以上と賃金2%アップを実現

アメリカ

私が所属するUEの150支部は、アメリカ南部のノースカロライナ州で公務労働者を組織化しています。州議会は、2018年に州のすべての公務労働者に最低時給15ドル(約1600円)以上を保障し、すでに上回っている場合は2%の賃上げを保障すると発表。数年にわたって私たちUEを含め労働組合が運動をすすめてきた成果です。

全アメリカの黒人人口のうち55%が南部に住んでいますが、人種差別も根強く、経済の後退を黒人と有色人種の労働者階級のせいと批判し、原因である民営化の問題から目をそらさせています。

ハリケーン被害を受けた際、公的資金で利益を得ようと民間企業が自治体に働きかけて、官民パートナーシップ=PPPを提案。その民営化により、自治体は危機にさらされ、実際にルイジアナ州ニューオーリンズ市では被災後、公立病院は再開されず、公共住宅は破壊されたままでした。

▲公務労働者として道路のメンテナンスに従事するブライス・カーターさん
米電気機械無線労働組合(UE)150支部委員長

上水道の民間委託の中断を地域との共闘で実現

韓国

1997年の通貨危機直後、韓国でも公共部門の民営化や整理解雇制度と労働者派遣制度などが法制化。解雇と非正規雇用が急速に広がるなか、2000年に公共運輸労組の全北平等支部を結成しました。

私たちは全州市の上水道民営化をめぐり、2005年から対策会議をつくり組合員集会や週2回の街頭宣伝を続け、地域の団体とともに市役所前のスタンディングや、新聞宣伝、反対集会にとりくんだ結果、市長は上水道の民間委託中断を公式に宣言しました。

また、全州市のごみ収集と処理業務は、廃棄物の種類ごとに12の業者に民間委託されています。各業者へのアンケートも実施しながら組合加入をすすめてきました。

韓国では政権が変わり、公共部門の正規職員化が段階的に始まっています。労働条件の改善と民間委託制度の廃止と正規職員への転換をストライキを構えて求めているところです。

▲官公庁の清掃業務に従事するイ・テシクさん
韓国・公共運輸労組 全北平等支部 組織局長

関連記事

関連記事