(談話)過労死ラインを超える長時間労働は看過できない 住民生活に悪影響を及ぼす「大義なき解散」に反対する ―通常国会冒頭での衆議院解散報道を受けて―
過労死ラインを超える長時間労働は看過できない
住民生活に悪影響を及ぼす「大義なき解散」に反対する
―通常国会冒頭での衆議院解散報道を受けて―
2026年1月14日
日本自治体労働組合総連合
書記長 橋口 剛典
高市首相が1月23日召集予定の通常国会冒頭での衆議院解散を検討していると報じられた。この報道を受け、総務省自治行政局選挙部管理課が各都道府県選挙管理委員会事務局あてに衆議院選挙に向けた事務の準備を進めるよう通達を出している。「1月27日公示、2月8日投開票」と「2月3日公示、15日投開票」が有力視されている。
今、自治体は、予算編成や議会への対応に忙殺される時期である。千葉県の熊谷俊人知事は、「先の総選挙からまだ1年3カ月しか経過しておらず、かつ準備期間も短く、毎年のように国政選挙に駆り出される自治体職員の気持ちを思うと、やむを得ないとはいえ、いたたまれない気持ちになる」とX(旧ツイッター)に投稿した。
今年度は7月に参議院選挙があったばかりであり、首長選挙や議会議員選挙を実施、または予定している自治体も多い。選挙事務を所管する部署の職員の疲弊は計り知れない。11月に首長選挙を行った、ある自治体の選挙担当部署からは、「今年度の時間外勤務がすでに合計900時間を超えている職員が多くいる。5年に一度の国勢調査の調査票の取りまとめも行っており、2月中旬までまだまだ残業が続く見込みだ。すでに限界に達している。」との悲痛な声が届いている。今、解散することは、自治体職員に、過労死ラインを超える働き方を命じるものである。
また、衆議院選挙を実施すれば、国の新年度予算の成立は4月以降にずれ込み、暫定予算での対応を迫られる危険性が高い。物価高対策など、住民生活に直結する施策への影響が懸念される。地方自治体の首長からも、予算審議が遅れることに疑問の声が出ている。
昨年の首相発言をきっかけに、対中関係の緊張が高まり、経済への悪影響が懸念されている。実効性のある物価高対策は待ったなしだ。自民派閥裏金事件への説明はいまだ足りず「政治とカネ」を巡る問題は手つかずだ。通常国会冒頭での解散には、国会での追及を避け、支持率が低下する前に選挙を行いたい、との政権の思惑が透けて見える。
そもそも「解散権」については、その憲法上の根拠や運用をめぐって長年議論がある。今回の早期解散の動きに対し、その「大義」や「制限」の問題が浮き彫りになっている。もし解散を強行するのならば、それは「大義なき解散」であり、「党利党略」、「自己都合」とのそしりを免れない。
自治労連は、予算審議や経済対策の遅れによる住民生活への悪影響や、自治体職員への過重負担をもたらす衆議院の早期解散には強く反対を表明する。また、長時間労働解消のため、国の責任による人員体制の拡充と、いかなる場合においても、職員の健康管理・安全配慮義務の責任を果たすことを自治体首長に求めるものである。