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機関紙『自治体の仲間』2012年 5月号 Vol.462 子ども・子育て新システム関連法案全力で廃案へ

子ども・子育て新システム関連法案全力で廃案へ

保育・学童保育・子育て支援拡充に公的責任は不可欠

「5.13保育フェスティバル」「5.14国会行動」の成功を

4月下旬、消費税増税、「新システム」、年金改悪などの11もの法案を一括審議する特別委員会の設置を民主、自民、公明などが強行。まともな審議の保証もないもとで悪法を押し通す緊迫した状況です。いま、全国各地で「新システム」阻止に向け幅広い共同のたたかいが、世論となり広がっています。自治労連は最大の中央行動となる「5.13みんなの保育フェスティバル」「5.14政府・国会等要請行動」を1万人参加で成功させるために全力をあげています。

▲安芸市(手前)と懇談する高知自治労連の高月陽生書記次長(奥左)と安芸市職労・川久保二美保育部長(奥右)

子どもの未来のために首長・議員へ要請

高知自治労連

高知自治労連は「保育の公的保障の拡充を求める大運動実行委員会」に結集して「新システム」の導入阻止のとりくみを進めています。
2009年からの保育自治体キャラバンでは、自治体首長や保育を管轄する部署との懇談、市町村議会への陳情、請願、意見書の採択にとりくんでいます。また、県会議員や国会議員にも陳情、懇談をおこなってきました。懇談では、「新システム」は地方にはなじまない制度であること、県内では少子化問題が大きな課題であり「新システム」の導入では解決できない、という意見が多数を占めています。
安芸市では、安芸市職労、保護者、住民が関わり「保育の公的保障の拡充を求める大運動安芸市実行委員会」として市内8地区で、地区懇談会を20年近く継続し、保育所の統廃合を撤回させるなど、地域の保育要求の実現にとりくんできました。
国は、現場や地方の実態を十分に考慮せずに、「待機児童対策」などを問題解消の口実にしていますが、子どもたちが豊かに成長できる保育を保障するのが、国や自治体の責任です。
高知では国・自治体に向けて、団体や地域住民との共同を広げて、地域づくりを視野に入れた保育運動を展開していきます。


行動計画を策定し、たたかい推進NO!の世論全都のすみずみへ

東京自治労連

東京自治労連は、情勢の区切りごとに「子ども・子育て新システム阻止、公的保育を守る行動計画」を策定し推進してきました。政府の「新システム」基本制度とりまとめの強行をうけた「第5次行動計画補強方針」では、自治労連学習資料2万部を活用した学習の強化、新署名を20万筆を目標に推進、5・13保育フェスティバルは過去最大の1200人の参加、民間保育園訪問、保護者等との共同の拡大、国会議員への要請などを提起しました。
豊島区職労では3週連続で保護者への門前配布、文京区職労は独自ビラの門前連続配布、江東区職労は父母連と連携して署名用紙・ビラの毎月配布、目黒区職労の緊急父母学習会の開催など運動が広がっています。民間保育園訪問も準備が進んでいます。5・13保育フェスティバルは、世田谷区職労の350人目標など、全体1200人参加をめざす目標が出そろいました。駅頭・街頭宣伝も各単組で毎月の宣伝を実施しています。68号に達した保育闘争ニュースや保育携帯メールニュースでもたたかいを支えています。2年に渡るたたかいの総決算として「新システム」を阻止するたたかいを強めています。

▲福祉保育労東京地本と共同した各地域連続宣伝の新宿でのスタート宣伝(4月14日)

「疑問が解けた」と学習会知るほど強まる廃案の声

自治労連愛知県本部

自治労連愛知県本部は「子ども・子育て新システム関連3法案」の廃案を求めて、さまざまなとりくみをすすめています。保育所部会は4月21日、実方伸子さん(全国保育団体連絡会事務局長)を迎えて「子ども・子育て新システム」学習会を開催しました。参加者からは「『新システム』と聞くと、良いものになると思いがちだが問題点がわかった。保育者として関心を持っていきたい」「署名は本当に有効なのか疑問だったが、必要だと感じた。たくさん集めたい」などの感想が寄せられました。
「新システムをあらためて学習しよう」という提起に、半田、春日井、蟹江、長久手の各単組で学習会が開かれ今後も各地で予定されています。幸田町職労は役員が全保育所を訪問、長久手町職労では全組合員が参加して学習会を開催、名古屋市職労は民間園や保護者とともに、各区で署名宣伝行動を計画しています。
「新システム」を知れば知るほど、各地で「署名を集めなきゃ!」「お母さんたちにどうやって伝えよう?」と具体的な行動の相談になります。学習会・署名・議員訪問などのとりくみを強めて、世論を力に「新システム」の廃案をめざしています。

▲名古屋・栄で公・民の保育者、保護者、子どもたち150人が参加、ピエロも登場した3月3日の宣伝行動

主張
憲法キャラバンスタート

5月を「憲法をまもり、くらしにいかす」行動の月に

日本国憲法施行65周年を迎える今年の5月3日の憲法記念日は、原発がすべて運転を中止する5月5日の直前に開かれるなど、特別な意義をもって迎えます。そして、今年も全国で憲法・平和に関するさまざまな要求を持ち寄って憲法集会が開催されます。

自治労連は、5月を憲法月間に位置付け、憲法キャラバンのスタートとしたとりくみを進め、憲法改悪への策動を許さないため、宣伝行動の定例化・学習活動を提起しています。
今年の憲法キャラバンは、東日本大震災の経験から、災害に強いまちづくりや原発に頼らないエネルギー政策への転換、「地域主権改革」、「社会保障・税一体改革」、TPP参加問題など、国・地方自治体のあり方が大きく問われる新たな情勢のもとで、憲法と地方自治がいきる「国と地域づくり」を実践するものとして、全国で展開しようと呼びかけています。
いま改憲策動は、憲法審査会が始動し、「調査」の段階から改憲案作成・国民投票をねらう新たな段階に入りました。自民党は9条を変えて軍隊を持つなどとした2005年に発表した「憲法草案」に加えて、緊急事態条項の新設や、最高法規であることを削除する一方で、国民に憲法遵守義務を負わせる項目を加えた改憲案をまとめています。
国会議員定数問題では、違憲状態の見直しが求められているもと、民意を歪める小選挙区制度は問題だとする各党協議会の合意を無視して、抜本改革は次期総選挙後に先送りし、(1)小選挙区の0増5減、(2)比例75と小選挙区5を削減、(3)ブロック比例を全国比例にし、3割を連用制にする案が打ち出され、批判が相次いでいます。
「いかそう憲法・地方自治!憲法キャラバン」は、「住民のためにいい仕事をしたい」という私たちの願いを語り、住民の基本的人権と発達を保障するための自治体の役割などについて懇談を深めあうものです。私たち自治体・公務公共関係労働者と労働組合は、厳しい時こそ視野を広げ、社会的な課題や地域の課題を積極的にかかげ、学び、地域に出て住民との共同を広げることで要求を実現し、情勢を打開してきました。あらためて、これまでの教訓をふまえ、私たちの役割を発揮することが必要です。
若葉青葉が輝きを増す5月、憲法キャラバンをはじめ、憲法をくらしにいかす行動に全単組で多彩なとりくみをすすめましょう。


“とんでもない”生活破壊の増税

4・12中央行動

5000人超の参加で熱気

4月12日、東京・霞が関や国会周辺を中心に、TPP参加反対、消費税増税反対、社会保障・税一体改悪阻止をめざす、12春闘勝利4・12中央行動が終日とりくまれました。

▲消費税増税ストップめざし会場はいっぱい(東京・日比谷野外音楽堂)

消費税増税反対の一点で共同行動

国民集会

国民集会には5000人超が参加、前進座の『白浪五人男』による文化行事で幕開け。呼びかけ人の主婦連合会会長の山根香織さんは「消費税は上げないと言って国民の支持を集めた政権が、何が何でも消費税増税と強硬に突っ走っていることに国民は怒っています。くらしを破壊し弱いものいじめの大増税に断固反対し、運動の輪を広げていきましょう」とあいさつ。続いてジャーナリストの斎藤貴男さんは「野田首相は命をかけて増税すると言いました。どこの世界に命をかけて国民をつぶす首相がいるでしょうか。消費税増税をたたきつぶしましょう」と訴え、2人に連帯の大きな拍手が送られました。
主催者を代表して、大黒作治全労連議長は「野田内閣と横暴を極める財界に、貧困と格差をなくせ、消費税増税反対のたたかいを全国的な規模で発展させよう」と呼びかけました。日本共産党・志位和夫委員長の連帯あいさつに続き、リレートークでは「消費税増税なんてとんでもない!」をテーマに、自営業者、女性、医療従事者、農民、大震災被災者の代表が報告に立ち「消費税増税や原発再稼働を絶対に許さない」などの決意に、声援と拍手が送られました。また会場カンパが「100万円を超えた」と報告されるとどよめきが起こりました。集会アピールを採択して、参加者は国会に向けて請願デモ・議員要請を行いました。

官民で力を合わせ賃金の底上げを

総務省前要求行動

総務省前では全労連公務部会を中心に約500人が要求行動を展開。北村佳久代表委員は、「社会保障・税一体改悪をすすめる突破口として、公務員の総人件費削減をねらう野田内閣に官民が団結してたたかおう」と呼びかけました。
民間労組の自交総連から「公務員を減らせば、市民の安全安心は守れない。公務員総人件費削減を許さず、公務と民間が力を合わせて賃金底上げをめざしたたかおう」と連帯のあいさつ。決意表明で神奈川自治労連の石原昭彦執行委員は、横浜市議会で議員による国家公務員に連動した賃下げ提案を阻止したたたかいを力強く報告しました。

▲「人件費削減許すな」と要求行動

雇用の不安定化、雇い止めを誘発

労働契約法「改正」案

恒常的に仕事があるにもかかわらず、雇用調整の際の便宜と人件費節減を目的に有期契約労働が野放図に利用されてきました。自治体職場においても、財政危機や定員管理を理由に、本来正規職員が担うべき業務に臨時・嘱託非常勤、任期付短時間職員が大量に雇用されています。
労働契約法「改正」案はこうした現状を規制し、雇用の安定と正規労働者との均等待遇を実現してほしいという有期契約労働者の願いに背を向けるだけでなく、現状の正規労働者と非正規労働者との格差を固定しかねない内容となっています。

法案は、有期雇用を臨時・一時的業務に限定していません。また「5年を超えれば、無期雇用に転換できる」としていますが、無期転換を嫌って「5年手前での雇い止め」を誘発、「クーリング期間」を設けることで有期雇用を固定化することにつながります。
また、無期雇用に転換しても、その労働条件は有期の時と同一とされており、劣悪な労働条件が改善されません。
民間労働法理は公務職場にも大きな影響を与えます。恒常的業務を担っている臨時・非常勤職員の雇い止めは、住民サービスの提供や効率的行政運営に大きな支障をもたらします。
法案審議の過程で改めて労働者保護の視点に立った検討を行い、法案を抜本的に修正させましょう。


3党による「骨抜き」修正

労働者派遣法

3月28日、労働者派遣法案が民主・自民・公明の密室協議により「骨抜き」修正のうえ成立しました。
財界の強い巻き返しで、中心部分の製造業派遣、登録型派遣の原則禁止条項が削除されるなど「原則自由化」に逆戻りしてしまいました。
被災地をはじめくらしと雇用問題は深刻。いまだからこそ、雇用の安定、くらせる賃金の実現がより求められています。
登録型派遣・製造業派遣等のあり方に関しては、今後、労働政策審議会等での論議が再開されることになります。逆流を許さないたたかいの強化が必要になっています。


議会からの賃下げ攻撃をはね返す

政府は国家公務員の平均7.8%の賃金削減を強行しました。法律付則で盛り込まれた「自治体への波及」を許してはなりません。全国各地で“公務員バッシング”を政治的に利用しようとする議会からの賃下げの動きが出はじめており、これをはね返す組合の奮闘が続いています。


知事が「再議」に付し、賃金改悪条例を廃案に

滋賀県職

3月23日の県議会で、議員提案による「地域手当引き下げ条例」の可決が強行されました。
それに先がけ滋賀県職など地公3者共闘は、自民党代表質問で議員提案が示された段階から、(1)団結権・団体交渉権を否定すること、(2)人事委員会の勧告・意見表明の「尊重義務違反」であること、(3)労使交渉結果を否定し「労働者の期待権」を裏切ること、(4)一方的不利益変更で「不当労働行為」であること、等を明らかにし、当局へ「労働条件決定原則の遵守」を申し入れました。
また、議会各会派とすべての県会議員への要請、人事委員会へ「意見表明」の申し入れ、「緊急昼休み集会」、全国の労働組合から議会と知事への要請、さらに自由法曹団支部の意見書提出等を行い、労使交渉を経ない一方的な改悪は許されないと訴えてきました。
この運動を通じて、知事は職員との信頼関係の維持、全国への影響の大きさ、職員のモチベーション・県民サービスへの懸念等を表明し、地方自治法上の「再議」を決定。
3月29日に開催された臨時議会において、議員提案によって可決された「改悪条例」が再議に付され、3分の2の賛成が得られず否決されました。
議員による「改悪条例」が再議で否決されたのは府県段階では初めて。憲法や地方公務員法に定められた団体交渉権を否定する条例を否決できたのは、職場の機敏で適切なたたかいと全国からの要請運動の力です。大阪「維新の会」などの公務員バッシングのなかで重要なたたかいとなりました。

▲怒りの声をぶつける3.15滋賀県庁昼休み集会

法違反、ルール無視の不当な議員発議を否決

京都・伊根町職

京都府・伊根町議会では、議員発議で、借家住まいの職員への住居手当を全廃、さらに通勤手当を削減する条例案が出されました。
2月2日の総務委員会で吉本秀樹町長と伊根町職の石野靖委員長は、条例案が法違反・ルール無視で伊根町と町職場に混乱を持ち込むものであることを堂々と批判。これに対し、提案議員は反論すらできませんでしたが、所属会派が多数派のため総務委員会では、提案が一部修正のうえ賛成多数で可決される事態になっていました。
議会でも、提案議員の所属会派は半数を占めており、採決になれば議長を除けば過半数を超えていることから、予断を許さぬ情勢のもと本会議を迎えていました。
伊根町の職場では、「こんな条例が通ったら、生活費が削減されてしまう」「ものが言えない職場になってしまう」など危機感がありました。こうした緊迫する情勢のなか京都自治労連と伊根町職は連携し、機関紙『京都自治労連』で伊根町の異常な事態を府内全域に知らせるとともに、提案議員を厳しく批判し、町職への激励を呼びかけともにたたかいました。
その結果、3月9日の本会議で、提案議員の所属会派長が退席する異例ななかで採決され、賛成と反対が同数となり議長採決で否決しました。
伊根町議会で、法違反・ルール無視、数の横暴を阻止できた背景には「住民に喜んでもらえる仕事がしたい。そのためにも、安心して働き続けることができる労働条件が必要」という道理ある主張が大きな力となりました。


消費税大増税を斬る シリーズ(2)

消費税増税で経済、くらしはどん底

国と地方の借金(長期債務残高)が896兆円にも達し、「増税しないと財政が破綻する」といわれますが、景気や財政がどうなるかを、過去の消費税増税で検証してみました。


財政危機はさらに深刻に

国と地方が抱える借金から、政府・マスコミは「消費税増税は必要」と宣伝しています。1997年の消費税増税の際も「財政健全化のため」として現在の5%に引き上げられました。
この結果、消費税の5兆円増税、特別減税廃止による所得税・住民税の2兆円増税と医療改悪による2兆円の負担増、合計「9兆円の負担増」が国民に襲いかかかりました。
この時期の経済状況は、景気が回復しかけていましたが、この消費税増税で消費が一気に冷え込み、景気はどん底に落ち込み、景気回復どころか、逆に悪化させることになりました。
今回の増税による負担増は、1997年と比べても2倍以上となります。消費税増税で13兆5000億円、年金減額や復興増税などをふくめると16兆円以上に。そのうえ、年金・健保・介護の各保険料引き上げなどで、総計20兆円もの負担増が国民を襲います。
その上に、この14年間でサラリーマン世帯の平均年収は102万円、消費支出は年間59万円も減りました。こんな状況下で、前回比2倍以上もの負担増が国民に襲いかかるとなれば、前回以上に深刻な事態となります。
景気悪化は税収落ち込みを招き、国・地方を問わず税収にも深刻な影響を与えます。1997年増税でも当時の大蔵省は、その後8年間で税収10〜20兆円増と予想していましたが、景気の悪化で、実際は逆に5兆円も減ってしまいました。しかも8年間で、景気回復のための「緊急経済対策」等で、逆に国債残高が270兆円も増えてしまいました。
消費税増税は、財政の立て直しどころか、経済やくらしを破壊します。「こんな時期に消費税増税なんてとんでもない」という国民の思いは、6割以上の反対世論に示されています。

20兆円の大負担増が家計を直撃!

▲『学習の友』4月号より

新連載 自然・再生エネルギーの街めざして(2)

京都・宮津市

連載第2回目は京都府宮津市。宮津市では現存する豊かな自然環境を生かした「宮津市バイオマスタウン構想」が策定され、くらしと地域の再生への意欲的なとりくみが熱心に行われています。「市民参加」がカギとなる、新たな挑戦です。


バイオマスタウンをめざした宮津市の大挑戦

宮津市が『構想』に行きついたのは、一つは地球温暖化が基幹産業である観光に大打撃を与えること、もうひとつは市財政の悪化や過疎化の進行など、市の厳しい現状からでした。こうした現状と向き合い、「宮津市地域新エネルギービジョン」を作成、自立循環型経済社会をめざす方針のなかで、豊富な森林資源をはじめ、地域に眠っている資源の活用、新しい産業起こしや農林水産業の活性化につながると選んだのが「バイオマス」でした。
中心になっているのは「竹資源有効活用プロジェクト」と「メタン発酵」の2つ。「竹資源」は、昨年9月には、宮津バイオマス・エネルギー製造事業所が完成し、世界初の試みとして注目されています。材料となる竹の供給では、放置竹林による土砂災害の危惧、鳥獣被害の温床の解決、里山景観の保全などにもつながると地域でも歓迎されています。「メタン発酵」は、し尿や生ゴミなどをメタン発酵させて発電や熱利用に、さらにメタン発酵消化液を有機質肥料として農地へ還元し、できた農作物を地産地商(消)で消費スタイルを確立するというものです。
宮津市内では、NPO団体や個人が自然環境を守るとりくみ、循環・再生可能エネルギーのとりくみを行っており、市民とのつながりも生まれています。民間に丸投げではなく、自治体がしっかりと役割を果たすと同時に「市民参加」がカギとなる再生可能エネルギーへの転換に向けた大挑戦が続いています。

▲宮津バイオマス・エネルギー製造事業所の竹ガス化・メタノール精製施設

フォーラム 堺市の未来と『大阪都構想』

大阪・堺市職労

6月9日 自由と自治・堺の会(仮称)結成へ

3月18日、大阪市の橋下徹市長がねらう「大阪都構想」で堺市が消滅するのは許さないと「フォーラム堺市の未来と『大阪都構想』堺市の民意は…」を開催、約200人が参加しました。

ゲストのひとり、前副市長の高橋保氏は「任期途中でW選挙を仕掛け、当選した当日に、市長としての今後のとりくみはそっちのけで国政に進出したいと言い、橋下市長の『維新八策』は、強い者のために弱い者は道をあけ、邪魔者は社会から退場せよと言っているに等しく、自治体行政も対象にしている。民主主義の過程は積み上げていくもの。堺の街を守るたたかいをみなさんと進めたい」と発言。
丹野優・堺市職労委員長は、「住民参加、地域経済活性化、まちづくり活動などについて、市民議論を深めたい」と張り切っています。6月9日には「自由と自治・堺の会(仮称)」結成の予定です。
堺市の竹山修身市長も2月3日に「堺市は政令市になって6年目、もっと権限と財源を使って発展したい。納得できない条例案を議会に提出できない」と表明しました。
市民との共同がすすむなか、堺市議会は「子ども・子育て新システムの撤回を求める意見書」を全会一致で採択しました。

▲ゲストの立命館大・森裕之教授の発言に聞き入る会場いっぱいの参加者

災害に強い都市に液状化被害から復興にむけ

千葉・浦安市職

昨年3月11日の東日本大震災で被災地住民は、生活すべてを変えてしまうほどの被害を受けました。その一方で、「絆」という言葉に示されるように、大勢のボランティアが被災地に入り温かい支援をおくりました。
千葉県浦安市は、市内の85%が液状化し、多大な被害を受けました。市民は少しずつ日常生活を取り戻してきたものの、復興までにはまだ時間がかかりそうです。

地震直後から市職員は、被害の調査、避難所への応援、給水作業、液状化による泥の撤去に追われました。この間、浦安市職として液状化の現状や市職員、市職のとりくみを自治労連千葉県本部学習会で報告、さらには政府の復興担当や総務省に直接要請する機会では、斎藤扶知雄執行委員長が要請をしてきました。また、横浜市従、潮来(いたこ)市職の自治研集会での報告、津波被害を受けた旭市の支援行動にも参加してきました。浦安市職は、市の復興とともに、被災地の東北3県や県内被災地の支援を引き続きしていきます。

▲東日本大震災で浦安市は85%が液状化の被害を受けました。(写真は浦安市明海地区)

どうなる高齢期雇用と定年延長問題 シリーズ(5)

退職後に生活不安のない、安心して働ける条件整備を

3月7日、人事院は「民間企業の企業年金及び退職金の実態調査」にかかわる結果と見解を公表しました。調査結果は、公務が民間よりも約400万円上回っているというものでした。人事院はこの結果を受けて「国家公務員の退職給付について見直しを行うことが適切である」としつつ、「過去の引き下げ幅と比べても大幅な引き下げとなる」などとし、経過措置にまで言及する見解を表明しました。


今回の調査は、退職給付制度や支給額の概要などについて、企業規模50人以上の民間企業のうち6314社に対し実施され、3614社からの回答に基づき下の図に示す結果がまとめられました。
この結果を受け、人事院は次のような見解を示しました。
(1)官民均衡の観点から、民間との較差をうめる措置が必要
(2)退職給付の見直しに当たり、国家公務員の退職給付が終身年金の共済職域と退職手当から構成され、服務規律の維持等の面から重要な意義を果たしてきた経緯や、民間では企業年金を有する企業が過半を占めていることを考慮した対応が必要。また、過去に退職手当の引下げが行われた際には経過措置が講じられており、今回も所要の経過措置を講じることが適切と思料
(3)国家公務員については再就職あっせんが禁止され、今後在職期間の長期化が一層進展。このため、組織活力を維持する観点から、大企業を中心に早期退職優遇制度がある程度普及していることも勘案しつつ、退職手当制度において早期退職に対するインセンティブを付与する措置を講じる必要。
この調査結果を受けて、川端総務大臣は3月7日当日、「退職手当の給付水準を見直したい」とただちに表明しました。
2006年の同様の調査では、結果は公務が民間よりも20万1000円下回るものでした。人事院は、「較差是正の措置」の見解を表明しましたが、政府は棚上げにしてきた経過があります。
ただちに総務大臣が見解を述べたことをみてもこの調査結果は、消費税増税など国民犠牲の露払いとして公務員総人件費削減をさらにすすめようとする意図を持ったものと言わざるを得ません。
川端大臣は、今年度中に必要な法案を出すとしており、公務労働者の安定した高齢期雇用の実現とあわせて、退職給付の引き下げを許さないたたかいを強めていく必要があります。


Fresh! 新入組合員

新入職員のみなさん、入職おめでとうございます。全国で組合からの「働きがいある職場を一緒につくりましょう」の訴えに応え、組合に加入されたみなさんに仕事に対する思い・抱負を語っていただきました。

▲4月3日に開催された大阪・堺市職労の「新規採用者歓迎会2012」。名前や配属先を明記したカードを下げ、「お名前ビンゴ」で交流の輪を広げました

安心のまちづくりすすめたい

建築学科卒で、昨年の大震災に影響を受け、建物の耐震性の検討を担うような仕事に興味を持ったことが職員になったきっかけです。万一地震が起きても建物が安全で、安心してくらせるまちづくりをすすめ、住民と心を通わせられるような職員になれるよう、仕事や組合にとりくんでいきたいと思います。

▲山口・宇部市職労 建築指導課
倉冨 剛さん

公的サービスのあり方考えながら

初めての仕事で、わけもわからずに来たので、まだ余裕がないです。職場のみなさんから声をかけていただき、よく指導をしてくれるので、できるようになりました。余裕が出れば戸籍の仕事はおもしろい仕事なのでは。これまで民間のサービス業だったけれど、公的サービスはどこまでやればいいのか、あり方は?などと考えさせられています。

▲横浜市従 保土ヶ谷区役所
戸籍課 目黒 由起子さん

患者に寄り添った看護師に

自分が生まれた病院であり、身近な存在だった浜松医療センターを仕事の場に選びました。働きやすい職場だと感じます。救命救急センターに配属になりましたが、患者さんや家族のみなさんに寄り添った看護師になるようがんばります。

▲静岡・浜松医療センター労組
看護師 山本 浩乃さん

経験を復興に生かしたい

昨年の震災後、民間での長年の経験を被災地の復興に生かしたいと思い応募し、今年1月に採用されました。出身はいわき市。NTTや通信会社に勤め、現在、復興局の情報化推進室で情報システムの管理などを担当しています。組合にも加入しました。みんなで復興にむけてがんばります。

▲岩手・大槌町職 情報化推進室
長瀬 和則さん

子どもたちの身近な大人に

4月から世田谷区の児童館に配属されました。子どもたちと一緒に遊んだり、話をしたり、親でも先生でもない身近な大人となりたいです。不安もありますが、温かな職場に恵まれ、驚くほど毎日が充実しています。これからよろしくお願いします!

▲東京・世田谷区職労
児童館職員
大谷 恵理さん

憧れの保育士、夢が実現

保育士は子どもの頃からの憧れの職業で、夢が実現したと思います。いま勤務している保育所は学生時代に教育実習で来たところです。3歳児25人のクラス担当で、毎日毎日大変ですが、子どもが大好きなのでがんばりたいと思います。

▲長崎市従組 保育士
大下田 美帆さん

「ありがとう」がやりがいに

日々住民と接するなかで、「ありがとう」と言っていただけることが大きなやりがいになると感じています。気持ちの良い、喜んでもらえる住民サービスを提供できる職員をめざして、前向きに業務にとりくんでいきたいと思います。

▲京都・精華町職 総合窓口課
植西 直人さん

温かい笑顔を大切に

子どもたちが安心して心を開き、保育士に寄り添えるような温かい笑顔を大切に、子どもと関わっていきたいです。また、組合の活動も子どもたちがより良い環境のなかでのびのびと成長していけるよう、さまざまなことを学び考えながらとりくんでいきたいと思います。

▲高知・香美市職労
保育士 山岡 あかりさん


今月の連載・シリーズ

悠湯旅情 第139湯
別所温泉とともに育まれた歴史と文化
長野県上田市
中世日本の香り漂う「信州の鎌倉」

My Way My Life (141)
山口・周南市文化振興財団職員労組 西村 達也さん
地元に根づいて…サクソフォーンの響き

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム 第122館
東京都東久留米市 及川鳴り物博物館
小さな博物館の大きな「鳴り物」の世界に驚愕

うレシピ 第11品
広島市職労 山脇 慶子さん
ニラそうめん

これぞ新感覚のNEW麺だ


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