自治体労働運動資料室

民主的自治体労働者論アーカイブ

全労連「21世紀初頭の目標と展望」

 2000年7月、「すべての労働者・国民と共同し憲法が生きる21世紀へ」のスローガンを掲げ、全労連第19回定期大会が開かれました。大会では、年度方針とともに2010年までに達成をめざす中期目標として「21世紀初頭の目標と展望」を提唱しました。これは、財界の21世紀戦略として打ち出された新自由主義と規制緩和路線にもとづく「日本経済再生への戦略」「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」と真正面から対置したものでした。
 21世紀を前に、労働者・国民の苦しみの根源である自民党政治に不満が噴出し、激動の時代を迎えていました。労働組合運動も、職場の反共主義や特定政党支持の押しつけが崩れ始め、新たな共同が進んでいました。労働戦線の再編から10年、全労連を選別排除してきた政府も方針転換を迫られていました。
 全労連の「21世紀初頭の目標と展望」は、第1に大企業の民主的規制と人間らしく働くルールの確立を提言し、そのために、①完全雇用と労働時間の短縮、②労働水準の国際基準への到達、③企業活動における社会的ルールの確立、④中小企業の活性化の方向、を明らかにしました。
 第2に、国民生活の最低保障・ナショナルミニマムの確立を提言し、①全国一律最低賃金制の確立、②社会保障制度の拡充、③男女平等と少子化社会の克服、④食料自給率の向上と環境保全、を提言しました。
 第3に、憲法と基本的人権の擁護、国民本位の政治への転換を掲げ、①核兵器と戦争のない21世紀、②憲法と基本的人権が生きる21世紀、③国民本位の政治・民主的政府の実現、を目標としました。
 第4に、労働組合運動の壮大な共同と統一に向けて、一致する要求課題にもとづく長期で継続的な共同を築くために、全労連がその母体として奮闘する決意を内外に明らかにしました。
  (「全労連の20年史」より)

カテゴリー:
全労連
年代:
2000年代