「大震災から3年」…「自治体の役割を学び合う講演とシンポジウム」開催

100名が参加し、自治体と自治体労働者のあり方を討論

image005 東日本大震災から3年と2か月、岩手自治労連は自治労連本部などと共同で「3.11岩手 自治体職員の証言と記録」という本を出版、5月31日、「東日本大震災から3年 自治体の役割を学び合う講演とシンポジウム」を開催し、県内の自治体労働者をはじめ100名が参加しました。

公務労働者とは何か、大震災での自治体労働者の奮闘…貴重な経験と資料

 記念講演では、本の監修者でもある晴山一穂先生(専修大学法科大学院教授)が「私達にとっての公務員の役割を考える…『証言と記録』から見えてくるもの」と題してお話しをいただきました。晴山先生はそもそもの憲法の規定から公務労働者とは何かを説明、特に「すべての公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない」ことを憲法条文などから話されました。さらには公務員制度の原則、歴史、政治・地方自治との関係を明確にされ、東日本大震災では、「自治体労働者が極限の状況の中にあって、自らの犠牲も顧みず、それぞれの持ち場において住民の声明と生活を守るために行動」してきた事を強調、その具体的内容が「証言と記録」に記述されており、将来にわたって非常に貴重な資料であり教訓となりえるものと強調されました。

震災直後、住民守る活動に全力

復興では「一日も早い復興」と住民要求とのはざまで

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 第二部の「シンポジウム」は、井上博夫先生(岩手大学人文社会科学部教授)をコーディネーターに、千葉達さん(陸前高田市職労)、佐藤克敏さん(大船渡市職)、小笠原純一さん(大槌町職)、長根真奈子さん(普代村職・保健師)の方々が、「証言と記録」にもとづきながら、東日本大震災の当時の自ら行動の状況や、震災後から今現在に復旧・復興の取り組み、行政としての課題や職員同士のコミュニケーションの向上の取り組みなどが話されました。

 千葉さんは、震災当時の職務として避難所での住民避難の業務とその後は支援物資の管理・配布などの業務に従事しながら、頑張ってきたこと、そして現在は一日も早い復興事業をすすめたいという思い中で、地域住民の要求・要望との間にあって、行政としてどのように調整していくのかという現在の悩みについても話されました。

 大槌町職の小笠原さんは、多くの職員が犠牲となり、特に管理職や上司不在のもとでの自覚的な活動の重要さ、災害対応マニュアルの現実化の大事さ、派遣応援の職員がプロパー(固有の)職員を大きく上回る職場状況の中で、相互の意思確認やモチベーションの向上の重要さを強調されました。

 また、大船渡の佐藤さんは自らの住居が流される中、環境・衛生行政業務の課題、普代村職の長根さんからは、自治体労働者としての思いや、率直になんでも言える、話し合える体制が大切で、それが職員の健康保持にもつながることなどを話されました。

 「講演とシンポ」の終了後は、自治労連本部はじめ執筆者の仲間、出版に大変わった大月書店、かんきょうムーブ、単組代表などが一堂に会して「出版記念レセプション」が開催され、震災当時の状況と今の課題などについて交流を深めました。

 レセプションでは来賓の方々から、「3.11岩手 自治体職員の証言と記録」について、「当時の辛い過酷な状況を思い出しながら賢明に執筆していただいた」「自治体労働者のあり方を問う本として大いに普及していきたい」と話されました。

「復興県民署名」統一行動…113筆の署名集約

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 6月1日、盛岡では最高気温が30度近く上がる中、「東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議」(岩手自治労連も参加)は被災地の切実な要望である「6項目」の「復興県民署名」の統一行動を行いました。

 生協の「ベルフ青山店」前で、「県民会議」参加の労働組合(いわて労連、岩手自治労連、県医労、医大職組、農協労組、盛岡地域労連)や民主団体(新日本婦人の会、岩商連)などから11名が参加しました。

 生協に買い物にくる住民の方々の中には、自ら署名場所にかけより「私達が署名しなければね!」と書いてくれる方、「大槌から盛岡に避難してきている。仕事もないし、身体も悪い」と話され、6項目の一つひとつが該当し、切実な要望である事に確信をもつ場面もありました。また81歳の女性は、自分だけでなく「夫の分も書いていいべか」と言って署名してくれました。

 この日は1時間の行動で113筆の署名があつまりました。

 県民会議では、この署名の取り組みを強め、6月中旬には政府やJRなどに要請することとしています。