メニュー

第34回自治体労働者平和のつどいin長崎を開催

2011年原水爆禁止世界大会~原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を

 広島・長崎に原爆が投下されてから66年となる原水爆禁止世界大会は、8月3日の国際会議から始まり、長崎大会をメインとし9日まで開催されました。世界大会の閉会総会には国内外から7800人が参加。青年・学生の参加が半数を超えました。今回の世界大会は、核兵器のない世界をめざす運動の前進とともに、福島第1原発事故から5カ月、いまだ収束の見通しも立たない中で、世界的課題として原発からの撤退・自然エネルギー転換をよびかける重要な場となりました。大会には国連と、6カ国の政府・地域組織代表が参加しました。

 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長代理として大会に参加したセルジオ・ドゥアルテ国連上級代表は、核軍縮はいまや少数の大国の問題でなく、国連加盟国とその国民の課題だとのべ、「市民社会のみなさんの取り組みと、国の取り組みが一緒になって新しいうねりをつくりだしている」と強調。「みなさんをパートナーとしてともに活動できることを誇りに思います」とのメッセージを読み上げました。

核兵器のない世界、原発ゼロの日本を実現しよう!と全国から130人参加

 世界大会(長崎)第2日目の8月8日には、自治労連の独自企画として「第34回自治体労働者平和のつどいin長崎」が、全国から130人の参加で開催されました。主催者を代表して自治労連柴田副委員長が開会あいさつ。「核兵器全面禁止のアピール署名を“地域ぐるみ”ですすめる上で、自治体労働者の奮闘が期待されている。東日本大震災の被害と、原発事故で新たな放射能被害が発生してしまったもとで、被災者支援と原発被害者救援の運動と連帯し、憲法をいかして住民のいのちとくらしを守る運動をすすめよう」と呼びかけました。長崎自治労連の里委員長が歓迎のあいさつ。 「放射能への国民的関心・理解が深まるもとで、核兵器の非人道性について我々が学び訴え、生き残った被爆者の『私たちで最後にしてほしい』との切なる願いに再び耳を傾け、ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒバクシャの声をあげていこう」と述べました。つどいには、広島市長、長崎市長からメッセージが寄せられました。

安斎育郎先生が講演「原発問題と核兵器廃絶運動」
 講演で立命館大学名誉教授の安斎育郎先生は、太平洋戦争末期~戦後~現在までの情勢と課題を一気明快に語り、「戦後世界における覇権争いをめぐり、力で世界を支配する考え方のもとに原爆が投下された」ことを解明し、戦後のエネルギー政策競争の中で原子力が据えられ、日米安保体制のもと「核の平和利用」の名目で日本が旗振り役にさせられた背景を指摘。氏自身が東大原子力工学科第1期生として学び、助教授時代から原発推進に異論を唱えたところ、学部全体から排除され、研究費が失われ、東電の監視にさらされたアカデミック・ハラスメント経験に触れ「批判者を排除する傲慢さ、狭量さが安全神話をつくりだし、結果今回の事故につながった。私はそれを止められなかったことに強く心を痛めている」と語りました。今後の課題として「まず事故の収束に向けて重要なことは『隠すな、ウソつくな、故意に過小評価するな』の3点を守らせること。そのもとで被害者救援がおこなわれねばならない」とし、「今後は代替エネルギー推進、電力使用平準化、電力貯蔵技術開発、生産-流通-消費の省エネルギー化とともに、『国家百年の計』として計画的に原発廃絶を」と述べたうえで「原発問題と核兵器廃絶運動には“放射能被曝をなくす”という重要な関連性があり、今後は結合した運動が求められる」と語りました。

「核兵器のない世界、原発ゼロの日本」へ各地の運動交流
 続いて各地の運動交流がおこなわれました。京都自治労連の黒川美栄子女性部長は、毎月継続して行っている「9の日宣伝」について報告。夏に毎年つくっている祇園祭憲法9条うちわ(今年は紙製)を市内で配布しているとりくみなどを紹介しました。静岡自治労連・小泉書記次長は、東海地震の震源域の真上に立つ浜岡原発の永久停止・廃炉をめざす運動の成果と今後のとりくみについて報告。7月23日、静岡県静岡市の駿府公園で開催された「静岡県大集会」に著名人や自治体首長の賛同が多く得られ、全国から5,000人以上が参加。今後、再稼働を許さず全国的な原発撤退運動を展望していく決意が語られました。岩手自治労連・菅原勇弥青年部長は、被災地岩手から、被災地域支援活動と同時にとりくんだ反核平和マラソンのとりくみについて報告。開催について迷いがあったが、被災地を励ますためにも歴史ある平和マラソンを実施し、「原発も含み“核”によらない世界をつくる取り組みとして、署名や募金活動と一緒に実施し、青年組合員の力を発揮できた」と報告すると、会場は大きな拍手が起こりました。

 広島自治労連大石委員長は閉会あいさつで、「この集会は1986年に広島で『非核平和宣言をすすめる自治体労働者全国交流集会』が開催されたことから発展したもので、自治労連運動の中でも歴史ある取り組みであり、今日も重要な学習と交流がはかられた。今後の運動に生かしていこう」とよびかけ、満場の拍手で終了しました。

関連記事

関連記事