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社会福祉職場で働く若手職員の交流と学習のつどいを開催! 〜自治労連社会福祉部会〜

 社会福祉職場で働く若手職員が地方組織を越えて交流・学習する集会が、5月27日に大阪グリーン会館にて開催され、全国から児童施設、障害福祉施設や福祉事務所で働く職員ら44人が参加しました。参加者の平均年齢は31.1歳(部会幹事を除く)で、社会保障関係の集会では記録的な若さです。

社会保障分野でも、全国で奮闘する若手職員の交流の場として集会を開催

 若手保育士が各地で公的保育を守る運動で活躍し、その全国ネットワークが構築されつつある状況に影響を受け、社会保障分野でも、全国で奮闘する若手職員の交流の場をつくりたいと、自治労連社会福祉部会が企画した集会です。若い組合員の積極的な関与が、職場を明るくし、運動を活気づかせることは、自治労連組織集会でも報告されたところです。
 いま社会保障にかけられている全面的な攻撃を跳ね返し、憲法が保障する社会保障制度を守るためには、ベテランはもとより、社会福祉職場で働く若手職員の活躍が必要になります。それぞれの現場にかけられた攻撃の本質を理解し、様々な分野での経験や取り組みを共有することで、「いま何に取り組むべきか」を明確にして、現場に蔓延しがちな閉塞感を打ち破ることが重要です。社会福祉部会は、これまでにも社会福祉職場で働く労働者の全国交流集会や、生活保護職場や子ども家庭相談職場など、職域別の集会を開催してきました。はたして「若手」と銘打ってどれだけ参加者が集まるのかという不安もありましたが、福祉施設で働く保育士・支援員やPT・OTなどの専門職、児童相談所・障害福祉・生活保護のケースワーカー、本庁福祉職場の事務職員など、多様な職種の参加がありました。

職場から「知る・伝える・守る」の3つに、できるところから取り組んで行こう

 集会は、「社会保障制度にかけられた様々な攻撃を跳ね返すことが重要、今日は若い人に大勢集まってもらったので、楽しく学習と交流を」という、社会福祉部会宮本部会長のあいさつで始まりました。続いて二見事務局長から「社会保障をめぐる情勢と自治体福祉労働者が果たすべき役割」と題して、情勢と実践報告がありました。
 厚生労働省が進めている「我が事・丸ごと」の本質は「他人事・丸なげ」施策であり、「自助・共助」を強調し、最後に「公助」をもってくるという社会保障制度改革推進法からの流れを加速させ、共助の前に「互助」を加え、介護保険や国民健康保険など社会保険である「公助」の負担を減らし、ボランティアや地域での支え合いにシフトさせようというものであること。それを推進するための「経済・財政再生アクション・プログラム」に位置付けられた改革工程表とKPI(重要業績評価指標)などの問題について説明。また、自治体労働者として、自分の職場の置かれている状況を知り、現場にしかわかり得ない問題点を指摘するとともに、社会福祉職場の現状を積極的に地域に伝え、現場から制度を守っていくためにも、職場から「知る・伝える・守る」の3つに、できるところから取り組んで行こうと提起しました。
 今回の集会に広島から大勢の参加がありましたが、広島では定期的に交流会が開催されていて、若手職員が情報共有できる下地があったからです。こうした取り組みを全国に拡げるため、地方組織・単組での社会福祉部会活動の活性化と、自治労連社会福祉部会への結集を訴えました。

職場の状況や日頃の悩み、取り組みなどがたくさん語られる

 午後からは、参加者が3つのグループに分かれての分散会で、思うところを存分に発言してもらいました。
 特にテーマを設けず、それぞれの職場でどういう仕事をし、どのような課題や悩みがあり、それにどう取り組んでいる(取り組めていない)のかをフリーに話してもらい、その中から掘り下げていく形で進めました。最初は少し固い雰囲気もありましたが、次第に場がなごみ、笑い声も聞かれるようになりました。
 生活保護職場での受給者との対応の悩みから「小田原市ジャンパー問題」は他人事とは思えなかったこと、土日は電話が鳴らず集中して仕事ができるので、超過勤務をつけず出勤してしまっている児童相談所の状況、行動障害のある障害者への対応について、ささいなことで虐待ととられかねず、緊張感の中で仕事をしている障害者施設など、職場の状況や日頃の悩みがたくさん語られました。また、なかなか休みが取れない職場が多く、たまの休みも身体を休めることを優先しているという発言から、休暇の取り方やストレス発散方法などの交流もありました。限られた時間の中で、意義深い分散会になりました。

 参加者からは、「普段接することの少ない他の職場・職種の人の話をきくことができて参考になった」「仕事は違っても、福祉職場の仲間がそれぞれ困難さを抱えながら努力していることがわかり、自分の励みになった」「もっと時間をかけて話がしたかった」「次は同じ職種の人達ともっと深い議論がしたい」などの声が寄せられました。自治労連社会福祉部会は、この集会の成果と課題を踏まえ、地域での情報共有・交流の場づくりによって、社会保障闘争強化と組織化の両方を図り、さらにその力を全国に拡げ、仲間をつなぐ運動に、積極的に取り組んで行きます。

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