メニュー

北海道自治労連 憲法キャラバン

憲法をいかし住民生活を守る自治体をめざす

image0022014憲法キャラバン

〔北海道自治労連〕

 180道市町村すべてへの訪問目指して、道東・道北・道南の3方面での懇談始まる!

 北海道自治労連は、3年間で全道全ての市町村訪問目指す「憲法キャラバン」を開始しました。5月の第3週から、道東・道北・道南の3方面で懇談を開始しました。

 道南では、北海道自治労連の斎藤副委員長、函館地域自治体ユニオンの広瀬委員長・佐藤書記長が参加し、5月20日には北斗市・鹿部町・七飯町、翌21日に森町・八雲町・長万部長の6自治体を訪問し首長達との懇談を行いました。七飯町以外の5自治体では、函館市が東京地裁に提訴した大間原発の中止を求める訴訟を支持する意見が表明されました。七飯町でも、飲料水を絶たれるばかりか避難路確保が難しいこともあって原発には反対であり、大間原発建設中止が道南自治体に共通課題になっていました。

≪鹿部町の川村町長≫は、「大間原発については函館市長と同じ見解。私たちは水産で生きる町だ。スケソ(鱈)とホタテ養殖が主だ。スケソの権利を持っている130隻の船の半数が椴法華沖に出て漁をする。その海が放射能汚染されたらお手上げだ。」と述べ、「尖閣諸島、中国、北朝鮮の問題はどうするのか。このままで良いのかは疑問。9条はある。交戦権はないが、中国は話し合いで通じる相手なのかとも思う。安倍さんの言い方ややり方からするとまずい方向に向かうのではないか。どこかで国民的な議論をしないといけないと思う。」と懇談は弾みました。

「漁業では2年前からホタテが中国に高値で売れている。ナマコも年間3億円の水揚げ。30数軒の漁師がやっている。家族で仕事をしているが少子高齢化、後継者不足はある。保育は3歳から入れる公立幼稚園がある。問題は1歳、2歳だが対象者が1人か2人。少人数のために1,000万円ものお金をかけられない。学童保育もあったが最後には子どもが2人になった。」と小規模自治体の“村おこし”と住民福祉への苦慮を語りました。

image004≪七飯町の中宮町長≫は、「庁舎と函館との境界に“平和宣言”の立て看板が立てているが、森町との境界にも建てたいと思っている。日本の憲法は世界に誇る平和憲法と思う。守っていかないといけない。ガーナという国はやられたらやりかえす国だった。その国が日本の憲法9条を見て武力では解決しないと学んだ。世界に影響を与えている。アメリカは日本を戦争できない国にした。集団的自衛権が行使されるようになれば、自衛官の殉職が増える。自衛隊入隊希望者が減る。挙句の果てには徴兵制しかなくなる。自分たちの子どもや孫の時代にそうなってほしくない。これまで自衛隊が海外に派遣されて無事に帰ってきたのは武器を使用しないからだ。武器を使ったら狙われるに決まっている。」と平和憲法を語り、「核と人間は共存できない。核兵器をなくす会を作った。住民過半数の15,000筆の署名を集めるのが目標。町長、社協、町会連合会、老人クラブの会長らが呼びかけ人。現在80,000筆まで来た。私自身も街頭署名2回行い、小さい子どもが100円を募金してくれた。福島の子どもたちを7月に呼んだ。半袖で草原を走り回る子どもたち。日常の生活がこんなに大事だったのかと思い知らされた。400人受け入れ、ホテル代の半額1,000万円くらいを七飯町で出した。子どもたちがきたので、大沼の人たちが20年ぶりに盆踊りを復活させた。」と原発反対を語りました。

 

image005  ≪森町の梶谷町長≫は、「集団的自衛権問題は、沖縄、北方領土など日本の国はそれほど安全ではない。今の憲法のままだと危険で、こちらが被害を受けないと手が出せない。話し合いで解決できれば望ましが。必要なら憲法改正もやむを得ない。」との考えを述べました。

image006

 

≪八雲町の伊瀬副町長≫の「懇談課題は、国政にかかわるものが多く私たちがコメントするのは差し控えさせていただく。」とはじめは硬かった口調が、原発やTPPで懇談がすすむと「安倍首相の解釈改憲、集団的自衛権は強引すぎる。しかし、外国から助けてもらって日本は何もしないというのはダメだと思っている。国民にもっと理解を求めるべきだ。」となり、町民でもある自衛隊員について「多国籍軍に参加したりすると家族は不安だと思う。解釈改憲は個人的にはよしてくれと思う。戦争を経験した国として心配だ。」「中学生を平和大使として、広島の平和祈念館に見学に行かせている。憲法9条にはもっと国民が関心を持たないとダメですよね。」と語りました。

≪長万部町の白井町長≫は、「百姓をやりたくて愛知県から北海道に来た。農協の参事を退職して町長になった。」との一代記から始まり、「アベノミクスは、小さい町にはメリットがなにもない。」「小さい町は働く場所がない。頭の良い子は札幌や函館に行く。戻ってきても仕事はない。」「三位一体改革で交付税が減らされ大変だ。費用を節約しないとやっていけない。」「TPPは大反対。自民党議員に質問した。もう質問やめてくれと言われるまで質問した。ニュージーランドは牛乳1キロ当たり18円だから勝てない。ニュージーランドは父さんと犬5匹で生産できる。日本は機械、牧草、人件費がかかるので太刀打ちできない。北海道の農業はもたない。アメリカのカリフォルニア米が来る。コストが安い。TPPは大反対だが国は自動車、電機などの顔色見るので不安だ。」等々自治体運営の持論に及び、マスコットキャラクターのまんべ君が炎上した経緯を経て、「安倍首相の解釈改憲、集団的自衛権。安倍さんが強引すぎる。しかし、外国から助けてもらって日本は何もしないというのはダメだと思っている。日本も外国との協力体制をとらないといけない。国民にもっと理解を求めるべきだ。」と語りました。

 首長さんの中には、周辺国の不穏な挙動に対応する必要とする意見もありました。はじめは堅かった表情が最後にはうち解けて、「貴重な意見交換の有意義な懇談」との謝辞を頂きました。平和憲法の理念を高く掲げて、懇談をかさねる必要性を強く感じました。

関連記事

関連記事