静岡自治労連2014年憲法キャラバン実施中

憲法解釈変更、人口流出問題などで三市と懇談

 安倍内閣と自民党などが、日本国憲法9条をなし崩しにして集団的自衛権行使を容認しようとするなど、憲法を壊し、日本を戦争する国にするための策動が次々にすすめられています。

 自治労連は、憲法を守りいかすためのとりくみの一環として、「地方自治に憲法を生かす」ことを自治体首長や当局と懇談する憲法キャラバンを全国で実施してきました。静岡自治労連は5回目となる憲法キャラバンを実施中です。今年は、これまで訪問してきた市に加え、町とも懇談して35市町すべてを訪問する計画です。

 今年は、集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更を閣議決定で行うという暴挙と、解釈改憲が地方自治にまで影響を及ぼしかねないことについて、地方自治体の意見を聞いています。

 また、日本全体の人口減少が進行しつつあり、とりわけ静岡県では昨年の人口流出が北海道に次いで全国ワースト2位になるという衝撃的な実態が明らかになったこと。さらに5月には、全国で多数の自治体で2040年に若年女性の人口が半分以下になり、静岡県でも11もの自治体が消滅の危機に陥るという試算が発表されていることをテーマに、その原因と対策について懇談しています。

 静岡県の経済は、東海道沿線を中心に立地した企業の雇用に依存した面がありました。しかし、グローバル経済化のなかで企業の海外進出などによって工場が撤退するなど、従来の経済発展のモデルが限界を迎え始め、その先頭に立たされている静岡県で、いま人口流出につながっている、という指摘があります。また、静岡県の最低賃金(現在は時給749円)が低く、隣接する首都圏と約120円もの差があります(神奈川県は時給868円、東京は869円など)。この賃金格差が県東部地域から首都圏に向かっての流出を加速させているとも考えられています。

 今年の憲法キャラバンでは、こうした地方自治体をめぐる深刻な状況について懇談し、人口減や地域活性化に対する自治体としての施策について意見交換を行っています。

○磐田市

 5月27日(火)に今年最初となる磐田市との懇談に臨みました。静岡自治労連からは林委員長、小泉書記長が出席。磐田市は総務部長、企画部長が対応しました。

 最初に林委員長が、集団的自衛権の行使容認の憲法解釈という乱暴な手続きについて意見を聞くと、日本国憲法について「『ずっと同じ内容でいいのか』という考えは持っているが、公務員として、平和条項も含めて遵守すべきものであることは当然だ」と述べました。

 また地域活性化の課題については、再生可能エネルギーの拡大がひとつの施策になるとして「磐田市でも平成19年度から家庭での太陽光発電の補助にとりくんでいる。今年も実施しているが当初予算でもう足りなくなってきている」と答え、再生可能エネルギーへの転換はすすんでいくという考えを示しました。

○焼津市

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 5月29日(木)には焼津市と懇談しました。静岡自治労連からは林委員長と小泉書記長が出席し、焼津現業労組からも2人が同席しました。焼津市からは総務部の岩谷部長ほか4人が対応しました。

 最初に、憲法解釈変更と改憲について焼津市としての意見を聞くと、私見として「本当は明文改憲でやりたいと思っているのだろうが、世論がそれを許さないからこういうことになっているのでは」と述べ、同様の手法で基本的人権などの解釈を変えられる可能性があることに危惧を示しました。また、安部内閣の政権運営について「『決められる政治に』というが、手間ひまがかかるのが民主主義のいいところだ」と語りました。

 人口流出と地域活性化について、「焼津市は、3・11(東日本大震災)以前はわずかだが人口社会増の地域だったが、以降は減っている」と述べ、その対策のひとつとして津波対策などをすすめていると説明しました。しかし「現在までの対策で、いのちは守れるが、まだ財産は守れない」と述べ、そのうえで「地域活性化に対する国、県、自治体での最も適した答え、やり方は異なる。焼津市のシティプロモーションを始めて、市の内陸部では人口が増えている」として、市の施策に自信を見せました。

○島田市

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 6月2日(月)に島田市を訪れて懇談しました。島田市からは副市長、総務部長など5人が対応し、静岡自治労連からは林委員長と小泉書記長、島田市労連の小澤委員長と杉本書記長が出席しました。

 最初に憲法解釈の問題について島田市の意見を聞くと、島田市からは「市長は基本的に憲法を守る立場だ」と述べ、また「今度、平和都市宣言をするが、いまの子どもたちが大人になったときに実感できる普遍性のある言葉にしたい」と答えました。

 地域活性化の課題について、副市長は「『里山資本主義』に見られるような地域循環型社会について、市長はほぼ同様の考えを持っている」と語り、また「若い女性が都会に出ても、子どもは産み育てられない」と述べました。

 また公契約について、島田市からは「総合評価方式は大変だが、地元にお金が落ちていく仕組みをつくっていきたい」と答え、また「地元の企業は市役所の賃金を見ている。地方公務員の賃金は地場の賃金水準に確実に影響する」として、「給与制度の総合的見直し」に懸念を示しました。

 また、浜岡原発の周辺自治体のひとつである島田市に、再稼働問題について尋ねると、基本的に再稼働に否定的な立場であることを前置きし、安全協定については「3・11以前とは、当然協定の内容が異なっていてもいいと考えている」と答えました。