長崎自治労連全13市8町を訪問し意見交換

長崎の自治労連、高教組、県国公、建交労、民医労、農協労組、私教連、年金者組合の8組合と新婦人の会、民主商工会が参加する第7回「憲法キャラバン」は5月12日から30日までの日程で行われました。長崎自治労連は全コースに参加しました。

 長崎自治労連にとって今回のキャラバンは、憲法をいかし住民生活を守ることを自らの「特別な任務」とし、その共同を広げる実践として自治労連本部が提起している「全国すべての自治体訪問」の取り組みに呼応するものでもありました。

 今回のキャラバンは、安倍内閣のもとで解釈改憲による「集団的自衛権行使容認」の策動や医療・介護の大改悪、消費税大増税など平和と暮らしが脅かされている状況もあり多面的な視点からの意見交換の場となりました。

 最初に、安倍内閣が「改憲」への動きを加速させている状況を踏まえ、現状認識と憲法をいかした自治体行政のあり方について意見交換しました。自治体側の最初の対応は、「管轄外のことについては発言できない」(長崎市)、「市としては言及を差し控えたい」(佐世保市)、「国政の動向について発言する立場にない」(大村市)、「組織として話せる立場にない」(五島市)、「安倍首相の動きには直接コメントできない」(新上五島町)などというものでした。

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 しかし、懇談がすすむ中では、「憲法は最高法規であり公務員には尊重し擁護する義務がある。行政に憲法をいかすのは当然。いまの改正の動きについては国民に情報を提供して議論すべきである」(佐世保市)、「いまの動きは憲法の根幹を揺るがすもので、憲法を堅持して踏襲していくのが市長の考えである」(西海市)、「抑止力は必要と思うが戦争は嫌であり、子どもが戦争にいかないでいいようにしなければならない。憲法の解釈変更は国民的議論が必要だ」(五島市)、「いま政府は物騒な動きをしており、中国の動きも危なく不安に思っている。今の状況が進んでいくと将来、徴兵制になって子どもたちのことが心配」(小値賀町)などの意見が次々と語られ、多くの自治体職員が「改憲」「戦争」の動きをきびしくとらえていることが明らかになりました。

 大村湾沿いに位置する川棚町の山口文夫町長は、「川棚には太平洋戦争末期に旧海軍の魚雷艇訓練所がおかれていた。魚雷艇は『震洋』で木造ボートの後部に爆弾を積んで敵艦に体当たりする特攻の訓練が行われていた。住民は記憶しており慰霊祭を続けている。戦争はいけない。」と平和の大切さを語りました。(「震洋」は7千隻が西太平洋全域に配備され、沖縄でも困難な状況の中でアメリカ艦船に特攻体当たりしています。)

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 続いて、雇用とくらしの危機から地域住民を守る行政について懇談をすすめました。
 この中では、生活保護や国民健康保険、介護保険、年金、保育、医療など社会保障制度の一方的切り下げに対して厳しい意見が続出し、制度の充実や復活について市長会や町村会として国に要望を続けている状況がどの自治体からも語られました。

 雇用についても全県的に厳しい状況があり、若者が地域に残れない、高齢者が増え、人口が減り続けるもとでの自治体行政の苦悩が語られました。

 自治体非正規職員の待遇改善については、昨年4月の労働契約法施行もあり改善の必要性を認めながらも財政窮乏のため苦慮している実情が伺われました。

 壱岐市では非正規職員の労働条件を条例化しており、手当や休暇制度については正規職員に準じて処遇されています。五島市では「任期付短時間勤務職員」の制度を採り入れ処遇改善につなげていることが紹介されました。

 原発再稼働問題では、再稼働に反対する声が上がりました。壱岐市、松浦市、平戸市は海を隔てた対岸に位置しており、強い危機感が感じられました。事故が発生した場合、避難民の受け入れを担うことになる自治体の職員からは「住民の2,3割にものぼる避難者の受け入れには無理がある。まず避難前後の除染はどうするのか、再稼働はない方がいい」という率直な意見も語られました。

 再生可能エネルギーの創出に関してはいくつかの自治体が取り組みを始めており、すでに浮体式洋上風力発電、電気自動車の実証試験(五島市)、潮流発電(新上五島町 松浦市)などが実証試験に入っています。また、西海市、対馬市、壱岐市、東彼杵町などで地域循環型エネルギー創出の取り組みとしてバイオマス活用の具体化も始まっています。

 対馬市、西海市では「里山資本主義」の取り組み事例が話題にのぼりました。対馬市ではエネルギーの地産地消をめざしており、市長を先頭に職員全体での学習が進んでいるそうで対応した総務課長の声はいきいきとはずんでいました。